中華人民共和国 チベット自治区 山南市
ヤムドク湖とノイジンカンサン峰
山南市(さんなんし)は、中華人民共和国チベット自治区に位置する地級市のひとつ。公用語の正式呼称はチベット語名ロカ市 (??????????????? ワイリー転写lho kha krong khyer) 、中国語名シャンナンシ(山南市 sh?n nan shi)。「山南」はチベット名の「ロカ」を意訳した名称。日本語では、チベット名に由来するロカ市、ホカ市、中国名に由来する山南市(さんなん-し)などの呼称が用いられている。
自治区の中央部に位置し、チベットの伝統的な地理区分では、この地区の北部に隣接するラサ市を構成する諸ゾン(県)とともにウー地方を構成し、その住人を「ウーパ (dbus pa) 」と称する。
元来は山南地区(???????????? ワイリー転写lho kha sa kul)。2016年1月7日、山南地区が廃止され、山南市に設置された。[1][2] 青蔵高原東南部、ヤルンツァンポ河中下流に位置し、西はシガツェ市、北はラサ市、東北はニンティ市と接し、南はインド、ブータンと国境を接する。本地区のツォナ・ゾン(錯那県)、ルンツェ・ゾン(隆子県)の南部は、ニンティ市のメトク・ゾン(墨脱県)、ザユル・ゾン(察隅県)とともにインドとの国境紛争地域となっており、名目上これらの諸ゾンの南部とされる領域で、インドが実効支配するマクマホン・ライン以南の部分に対し、インド政府はアルナーチャル・プラデーシュ州を設けている。 海抜3,700メートル、気候は温和。 1市轄区・1県級市・10県を管轄する。 山南市の地図 この節の出典[3][4]
地理
歴史(英語版
行政区画
市轄区:
ネドン区(sne gdong chus, 乃東区)
県級市:
ツォナ市(mtsho sna grong khyer, 錯那市)
県:
ナンカルツェ県(sna dkar rtse rdzong, 浪?子県)
ゴンカル県(gong dkar rdzong, 貢?県)
ダナン県(gra nang rdzong, 扎嚢県)
チョンギェ県('phyongs rgyas rdzong, 瓊結県)
ツォメ県(mtsho smad rdzong, 措美県)
ロダク県(lho brag rdzong, 洛扎県)
サンリ県(zangs ri rdzong, 桑日県)
チュスム県(chu gsum rdzong, 曲松県)
ルンツェ県(lhun rtse rdzong, 隆子県)
ギャツァ県(rgya tsha rdzong, 加査県)
ネドン区ダナン県ゴンカル県サンリ県チョン
ギェ県チュス
ム県ツォメ県ロダク県ギャツァ県ルンツェ県ツォナ市ナンカルツェ県
年表
ロカチキャプ
1951年5月23日 - 中華人民共和国チベット地方ロカチキャプ(ロカ地方総督職)が成立。15ゾン(「城塞」、県に相当)7シカ
ゾン:ネドン
シカ:チグ、ダマ、ラカン、チャキ、ドイ、ラスイ、グラムナムギェ
1952年、17ゾン、13シカに再編
2つのゾン(ギャツァ、ナン)、2つのシカ(ラスイ、グラムナムギェ)がタクコンチキャプに編入。
ネドン・ゾンの一部から1つのゾン(ヤドイ)と1つのシカ(ポジャン)が分立。
ドワ・ゾンの一部から1つのゾン(ナンカルツェ)と1つのシカ(リン)が分立。
サンリ・ゾンの一部からツェタンゾンが分立。
ゴンカル・ゾンの一部から1つのゾン(ペデ)、1つのシカ(ジェデショ)が分立。
ルンツェ・ゾンの一部から2つのシカ(ギョラ、チャユル)が分立。
ツォナ・ゾンの一部からモンタワンシカが分立。
ラギャリ・ゾンの一部から2つのシカ(シャロ、シャジャン)が分立。
山南弁事処
1955年3月9日 - ロカチキャプが山南弁事処に改称。(13ゾン12シカ)
ウーチキャプから4つのシカ(ザ、ルンバ、チェンゴ、ナムジェゴン)を編入。
2つのゾン(ナンカルツェ、ペデ)と1つのシカ(リン)をギャンツェ弁事所に編入。
1つのゾン(ヤドイ)と1つのシカ(ポジャン)をネドンゾンに編入。
ツェタンゾンがツェタンシカに移行。
モンタワンシカをツォナゾンに編入。
2つのシカ(シャロ、シャジャン)をラギャリゾンに編入。
ナムジェゴンシカをジェデショシカに編入。
1957年 - チョンギェーゾンに県制を施行、チョンギェー(窮結)県となる。(1県12ゾン12シカ)
1959年4月12日 (3県8ゾン11シカ)
ネドンゾン、ツェタンシカが合併、ネドン(乃東)県が発足。
3つのゾン(ウェン、サンリ、ウォカ)が合併し、サンリ(桑日)県が発足。
1959年5月5日 (5県6ゾン11シカ)
ラギャリゾンに県制を施行、ラギャリ(拉加里)県となる。
ツォナゾンに県制を施行、ツォナ(錯那)県となる。
1959年5月 (9県2ゾン1シカ)
1つのゾン(ルンツェ)と2つのシカ(ギョラ、チャユル)が合併、ルンツェ(隆子)県が発足。
2つのシカ(チグ、ダマ)が合併、チグ(哲古)県が発足。
1つのゾン(ゴンカル)と5つのシカ(ドイ、ザ、ルンバ、チェンゴ、ジェデショ)が合併、ゴンカル(貢?)県が発足。
2つのゾン(ダナン、サムイェー)と1つのシカ(チャキ)が合併、ダナン(扎嚢)県が発足。
チベット地方山南専区
1960年1月7日 - 山南弁事処の9つの県(ネドン、ルンツェ、ラギャリ、ツォナ、チョンギェー、サンリ、チグ、ダナン、ゴンカル)と2つのゾン(ドワ、ションゲ)、1つのシカ(ラカン)、さらにタクコン弁事処から2つの県(ナン、ギャツァ)を編入して山南専区(11県2ゾン1シカ)が成立。