尺貫法
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出典検索?: "尺貫法" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2021年12月)

尺貫法(しゃっかんほう)は、長さ面積などの単位系の一つで、東アジアで広く使用されている。尺貫法という名称は、長さの単位に「」、質量の単位に「」を基本の計量単位とすることによる。ただし、「貫」は日本独自の単位であり、したがって尺貫法という名称は日本独自のものである。尺貫法と言った場合、狭義には日本固有の単位系のみを指す。尺貫法に対し、中国固有の単位系は貫ではなく斤であるので尺斤法という。本項では、広義の尺貫法として、中国を発祥として東アジア一円で使われている、あるいは使われていた単位系について説明する。

日本では、計量法により、1958年12月31日限り(土地と建物の計量については1966年3月31日限り)で取引や証明に尺貫法を用いることは禁止された。違反者は50万円以下の罰金に処せられる(計量法第8条、第173条第1号)。なお、に相当する目盛りが付されている物差し(「尺相当目盛り付き長さ計」)は、正式に認められているものであり、「黙認」されているということではない(後述)。
概要

尺貫法は中国が起源であるが、政情によりしばしば改定があった。

当初は西洋のヤード・ポンド法などと同様、身体の一部の長さや、穀物の質量などが単位として使われていたが、次第に明確な定義が定められるようになった。その最たるものが前漢末、劉?三統暦にある黄鍾秬黍説であり、長さは秬黍(きょしょ。クロキビ)の1粒の幅を1分(0.1寸)、黄鍾と呼ばれる音律を出す笛の管の長さを90分(9寸)とし、さらに黄鍾の管の容積(810立方分)を1龠(0.5合)、黄鍾の管に入る秬黍1200粒の質量を12銖(0.5両)とした。この黄鍾秬黍説が後の度量衡制の基準となった。

歴代の王朝が法令によって度量衡を定めたが、特に長さや容積の単位は時代とともに長くなった[1]

日本では唐尺よりも前には高麗尺が使用されており、例えば法隆寺は高麗尺による建造物と唐尺による建造物が混在している。唐尺は中国のほか、中国の影響を受けた東アジア一円(朝鮮など)で、その文化とともに取り入れられた。その後各地で独自の進化を遂げているが、値は中国の唐に、1寸が3 cm程度でほぼ一定し、それからそれほど変化しておらず、元の値をほぼ保存している。

現在は、尺貫法を使用していた国はすべて国際単位系に移行しており、尺貫法を公式の単位としている国は存在しない。例外的に、真珠の取引単位は直径はセンチメートル、ネックレス等の長さはインチとされ、質量はグラム表記したことで混乱を招いた歴史があることから、世界的に「もんめ(momme)」(単位記号は mom )が国際的に使われている[2]
単位

尺貫法がメートル法と全く異なる要素は、全てが一律の十進法ではないという点である。十倍を繰り返さないの単位が用いられたり、六十進法の単位が用いられたり、で割り切れてで割り切れない単位が用いられたりするのが特徴である。

以下の換算数値は、旧計量法施行法(昭和26年法律第208号)第4条、第5条に基づいている。
長さ(度)

長さの単位(度量衡の「度」)は、を基本の単位とする。他の単位は尺と独立に発生したと考えられるが、後に尺と関連づけられ、その整数倍または整数分の一となった。

1= 36    ≒ 3927.2723927 m
 1町= 60= 360  ≒ 109.090109 m
  1間 ()= 6尺  ≒ 1.818182 m
  1= 10尺  ≒ 3.030303 m
   1尺= 10= 10/33 m[3]≒ 0.3030303 m

尺は時代や地域によってその長さが異なる。また、同じ時代でも目的などによって複数の尺が使い分けられてきた。今日の日本では曲尺(かねじゃく。単に「尺」と言えばこちらを指す)とその1.25倍の長さの鯨尺(くじらしゃく)(法令上は、「鯨尺尺」[4])が残っている。詳細はを参照のこと。

高さについては尺のみを用いる。例えば「日本アルプスは約一万尺」のようにいう。深さについては(= 6尺)が用いられる。

間については、1間が6尺と明確に定められたのは明治の度量衡法においてである。それまでは、間は建築の際のモジュールを規定するだけで、「およそ6尺」という以外は特に定めはなく、「間」を用いる際はそれが何尺何寸であるかを示す必要があった。

尺の系統とは別に、通貨(一文銭)の直径を基準とする「」(もん)という単位があった。一文銭の直径は時代により若干の誤差があるが、おおよそ24 mm(8分)であった。文は足や靴の単位として用いられた。十文(ともん)は約24 cmである。
面積・地積

面積の単位には、メートル法と同じく長さの単位を組み立てて「方寸(平方寸)」「方尺(平方尺)」「方丈(平方丈)」のように言う。

ただし、土地の面積(地積)については特別の単位が用いられる(古くは町段畝歩)。地積の基本の単位は坪または歩である。坪または歩は一辺が6尺の正方形の面積で、すなわち36平方尺となる。

1= 10)     ≒ 9917.355372 m2
 1反(段)= 10    ≒ 991.735537 m2
  1畝= 30)   ≒ 99.173553 m2
   1坪(歩)= 10 = 400/121平米[5]≒ 3.305785 m2
    1合= 10 ≒ 0.330578512 m2

田畑や山林の地積には町・反・畝・歩を用い、宅地や家屋の地積には坪・合・勺を用いる。なお、合・勺は、体積の単位を流用したものである。

町・反・畝については、その値が1ヘクタール(ha)、10アール(a)、1アールに非常に近い(実用上は等しいと言っても良い)ため、西洋の諸国では困難を極めた地積単位のメートル法への移行は、日本ではスムーズに行われた。ただし、町反、坪などはメートル法の単位できりの良い値にならないため、現在でも口頭では用いられることがある。合・勺は用いられず、坪に小数の値をつけて表される。歩も用いられることはない。農地・山林の地積やその周辺の地域については、公式にはアールや平方メートルであるが、現業では町、反、坪が多く用いられている。

田畑や山林について、面積の値が町・反で終わるときに、その後に「歩」をつけてちょうどの値であることを明示する場合がある。耕地整理の進んだ現在の農林業では「2町」の面積を「2町歩」とも言う。また水田の場合は「2町田、3反田」(2町だ、3反だ、1枚が6000坪、900坪の田んぼ) のように「田」 (読み方はダまたはデン) を付ける。また通常1町5反歩などとは言うが、反未満については「歩」を付けず普通に3反5畝のように言う。町よりも大きな面積については、一辺1里の正方形の面積を示す「方里」( = 1555.2町≒15.423 km2)を用いる。
体積(量)

体積・容積の単位(度量衡の「量」)は、升を基本の単位とする。升の大きさは時代や地域によって大きく異なる(詳細はを参照のこと)が、升と他の単位との関係はほとんど古代から変わっていない。日本で升が現在の大きさになったのは江戸時代のことである。

1= 10    ≒ 180.390684 L
 1斗= 10   ≒ 18.039068 L
  1升= 10 = 2401/1331 L[6]≒ 1.803906837 L
   1合= 10 ≒ 0.180390684 L

勺未満の単位に関しては、)・(いずれも単位ごとに10分の1となる)という単位が『塵劫記』などの書物に載っており、さらにその下にはといった単位が存在するが、これらは日本の旧計量法施行法では定義されていない。

土砂などについては、6尺立方に相当する立坪(単にとも)が用いられる。また、1立方尺をとも言う。才は、運送業において「才建て運賃」(体積を単位とする料金体系)という用語が残っている。ヤード・ポンド法の立方フィートが才に近いことから、国際航空貨物の体積建て運賃との整合の便宜のため慣習的に利用されている。
質量(衡)

質量(度量衡の「衡」)は、現代では貫を基本の単位とする。これは明治24年(1891年)公布の度量衡法において、貫は国際キログラム原器の4分の15の質量(すなわち15/4 kg = 3.75 kg)と定められ、旧計量法施行法(昭和26年法律第208号)においても踏襲された。江戸時代に両替商が用いた後藤分銅
參拾両(1124.66 g)、貳拾両(749.07 g)、拾両(374.02 g)、拾両(374.62 g)
三匁(11.19 g)、壹両(37.47 g)、壹両(37.45 g)、貳両(74.89 g)、參両(112.42 g)、肆両(149.77 g)

江戸時代以前は「」を基本の単位としていた。両替商で用いられた分銅は両が基本単位であり、匁は補助的な単位となっている。この分銅は江戸時代を通じて後藤四郎兵衛家のみ製作が許され、それ以外のものの製作および使用は禁止された。しかしながら、丁銀および豆板銀の通貨単位は量目(質量)の実測値であり、小判の通貨としての単位である「両」と区別する意味で「匁」が用いられることになり、一般的に質量の単位としては匁が広く普及した。

匁は、元々中国で用いられた名称は「銭」であり、銭貨(日本では一文銭)一枚の質量を単位としたものであった。一文銭1000枚分の質量として定められたのが貫である。貫は通貨の単位(1000文。江戸時代には一般的に省陌法と称して960文。明治時代には10銭)としても用いられたので、区別のために質量の方は貫目、通貨の方は貫文と呼んだ。

1= 6.25= 100= 1000= 3.75 kg
 1斤= 16両= 160匁= 600 g
  1両= 10匁= 37.5 g
   1匁= 3.75 g

キログラムへの換算は計量法施行法(昭和26年法律第208号)[7]に基づくの換算係数に基づくもので、江戸時代の貫はこれよりやや小さい。なお、「両」は、計量法施行法(昭和26年法律第208号)においては定義されていない[8]

斤基準の質量の分量単位として、体積の単位を流用した合(斤の.mw-parser-output .frac{white-space:nowrap}.mw-parser-output .frac .num,.mw-parser-output .frac .den{font-size:80%;line-height:0;vertical-align:super}.mw-parser-output .frac .den{vertical-align:sub}.mw-parser-output .sr-only{border:0;clip:rect(0,0,0,0);height:1px;margin:-1px;overflow:hidden;padding:0;position:absolute;width:1px}1⁄10、60 g)、勺(合の1⁄10、6 g)が用いられることもあった。

度量衡法における元々の質量の単位の基準は、黍の質量であった。

『漢書律暦志』に「権者銖・両・斤・鈞・石也。所以称物平施知軽重也。本起於黄鍾之重。一龠容千二百黍重十二銖。両之為両。二十四銖為両。十六両為斤。三十金為鈞。四鈞為石」との記述があり、これは黍1200粒を12銖(後に「」と略記された)とし、これが2つで1両とするものである。「両」には「二つ」という意味がある。これから24銖が1、16両が1、30斤が1鈞、4鈞が1石となる。

の度量衡では嘉量の質量が『漢書律暦志』に「重二鈞」と記載されており、これに基づくと1両は3.8銭(匁)程度であったが、代にこれの約3倍の大両と呼ばれる制度ができ、代になるとその質量が11 %ほど縮小している。中国の学者が算出した嘉量による単位と、呉承洛の『中国度量衡史』による隋代および唐代の単位をグラムに換算したものを以下に示す。

単位(g)一石一鈞一斤一両一銖
嘉量272006800.1226.6714.1670.59029
隋代8018320046668.1941.7621.7401
唐代7161817905596.8237.3011.5542

質量の単位の銭(匁)は、この系統とは独立して発生したものである。すなわち開元通寳は10枚で24銖すなわち1両をいう基準でつくられた。この一枚の質量は1/10両で、これを1銭(匁)とした。ただし鋳造貨幣というものは質量を均一に作成することは困難で、質量の1銭(匁)の基準が開元通寳というわけではない。

金貨・銀貨鎌倉時代以前の発足時はその質量によって価値が定められ、当初は一両の質量の砂金が金一両であったが、次第に質量と額面が乖離するようになり、室町時代には既に京目金一両は4.5匁となり、安土桃山時代は京目金一両は4.4匁、田舎目金一両は4匁前後へと変化した。江戸時代初期の慶長小判は京目一両を基準として量目が定められたが、後の貨幣改鋳により含有率や質量の劣る小判が発行されるようになり、質量単位と通貨単位との乖離はさらに拡大した。

ちなみに、一番新しい五円硬貨の質量は3.75g(一匁)である。
分量単位

漢数字としての小数を表す文字である「」(ぶ)は、数値としては1⁄10を表し、厘は1⁄100を表し、毛は1⁄1000を表す。例えば、長さの単位としてはの1⁄10が1分(ぶ)、質量の単位としてはの1⁄10が1分(ふん)となる。これらの分・厘・毛は、計量法施行法(昭和26年法律第208号)で定義されていた[9]

分 -- 0.1寸、0.1匁

-- 0.01寸、0.01匁

(毫) -- 0.001寸、0.001匁

単位長さ質量
(基本単位)寸≒ 30.30303 mm匁= 3.75 g
分≒ 3.030303 mm375 mg
厘≒ 303.0303 μm37.5 mg
毛≒ 30.30303 μm3.75 mg

なお、日本では1⁄10を表す歩合として「」があった。そこで「割」の1⁄10を「」、割の1⁄100を「厘」とする用法が普及した。例えば、0.325を3割2分5厘と表現する。この用法のために、が1/100を、が1/1000を意味すると誤解されることがある。詳細は、分 (数)#百分の一を意味するとの誤解を参照のこと。

体積面積、また斤基準の質量の分量単位については、上に示したような分・厘・毛などの系列の単位ではなく、合・勺といった単位を用い、合は基本単位の1⁄10、勺は合の1⁄10となっている。

合・勺は登山道の到達の目安を示す単位にも用いられる。原則として麓(0合目)から頂上(10合目)までを10合に分けるが、測量で距離や標高などを正確に等分するというよりは、長い年月をかけて登山者の感覚で習慣的に付けられたものであり、実際に歩いて登る際に要する時間がおおよその基準になっているため、険しい場所や坂の急な場所では1合の長さが短くなる。

単位体積面積質量(斤基準)登山道
(基本単位)升≒1.80390684 L坪/歩≒3.305785 m2斤=600 g(10合:麓から頂上までの全行程)
合≒180.390684 mL≒0.3305785 m260 g麓から頂上までの10分の1
勺≒18.0390684 mL≒0.03305785 m26 g麓から頂上までの100分の1

計量法に違反しない範囲の使用

日本では計量単位として使用されることはなくなったが、取引や証明に当たらない計量において尺貫法の単位が使われるケースや、国際単位系の単位を表記に利用しながらも、尺貫法の値を設計者の思考上の計算または内部的な計算に用いる例はみられる。これは計算に用いるような内部的使用は、外部との取引・証明に使われるわけでないので計量法には違反しないためである。


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