少女たちの羅針盤
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少女たちの羅針盤
著者
水生大海
発行日2009年7月9日
発行元原書房
ジャンルミステリ推理小説
日本
言語日本語
形態ハードカバー
ページ数342
次作かいぶつのまち
コードISBN 9784562045020
ISBN 9784334764623文庫本

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『少女たちの羅針盤』(しょうじょたちのらしんばん)は、水生大海推理小説である。第1回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作受賞作品[1]。駆け出しの女優による過去の殺人を暴こうとするものたちの行動を通し、演劇に没頭する女子高生たちの青春を描くミステリ。2009年に書籍化され、2010年に映画化された。
来歴

推理作家島田荘司の出身地である広島県福山市が主催する「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」で、2008年に開催された第一回の応募作品であった。最終選考まで残り、受賞は逃したが特別に優秀作に選ばれた[1]

当初の題名は『罪人いずくにか』であったが、島田荘司のアドバイスにより改題され、2009年7月に原書房から出版された[2]

2011年、映画化に合わせ、スピンオフ的な短編「ムーンウォーク」を加えた新装版が刊行。

2012年光文社文庫より文庫版が刊行。

2010年にも長編の続編として『かいぶつのまち』が刊行されている。
あらすじ

新進女優の舞利亜(まりあ)は、主演する作品の撮影現場で監督から伝説の女子高生劇団「羅針盤」の元メンバーではないかと指摘される。舞利亜は否定するが、自分が「羅針盤」に関わっていたことは誰も知らないはずの過去だった。撮影が進む中、舞利亜は書きかえられた台本が自分に届かず、新しいストーリーは主役が過去に殺人を犯したことを示唆するものに替わっていることを知る。さらに控室には、舞利亜自身の殺人の過去を暴こうとするメッセージがあった。

4年前。高校の演劇部に所属する楠田瑠美(くすだ るみ)は、先輩や顧問の渡見(わたみ)と対立したことを機に、同部員の北畠梨里子(きたばたけ りりこ/通称:バタ)や来栖かなめ(くるす かなめ)とともに自分たちだけの劇団を作ろうと決意した。他校の演劇部員で卓越した演技力を持つ江嶋蘭(えじま らん)をなかば強引にスカウトして、劇団は活動を始めた。4人の氏名の漢字に東西南北がそれぞれ含まれることから、劇団名は「羅針盤」と決まる。

「羅針盤」はストリートで活動し、試行錯誤を重ねながら観客の人気を得てゆき、演劇フェスティバルに出場する。自分の性に違和感を抱えリストカットを重ねるバタ、タレントの広瀬なつめ(ひろせ なつめ)を姉に持つがゆえにいじめられた過去を持ち、「羅針盤」にも嫌がらせを受けるかなめ、私生児として生まれ経済的に苦しい母子家庭に育った蘭。それぞれの悩みを抱えながらも4人は真剣に演技に取り組み、満場の拍手を浴びて舞台を成功させる。しかし、誰もが確実と思われたグランプリは審査が出来レースであったために取れず、ストリート活動にはなぜか通報が相次ぐようになり、「羅針盤」の活動は難しくなってゆく。

その頃、蘭は母と実父から演劇活動を辞めるよう強要される。自分を私生児として生ませておきながら平然と母と再婚しようとする資産家の父への反発もあり親からの自立を望んだ蘭は、女優として生きていくため映画のオーディションを受ける。ところが、付き添いだったかなめの方が注目され合格してしまった。かなめはこのチャンスに挑戦しようと希望を燃やし、メンバーたちもそれを応援するのだった。

だが、その矢先にメンバーの一人がレイプに遭い、さらに執拗な嫌がらせを受ける。そして、練習場だった社宅の廃墟で彼女は転落死した。この事件により「羅針盤」は消滅してしまう。

そして4年後の現在、撮影隊の去った現場で待つ舞利亜の前に、その過去を知るものたちが姿を現す。
書誌情報

2009年7月9日 -
原書房ISBN 978-4562045020

2011年4月25日(新装版) - 原書房、ISBN 978-4562046935

2012年9月12日(文庫版) - 光文社文庫ISBN 978-4334764623

続編(かいぶつのまち)

2010年7月1日 - 原書房、ISBN 978-4562045709

2013年10月8日(文庫版) - 光文社文庫、ISBN 978-4334766375


映画

少女たちの羅針盤
監督
長崎俊一
脚本矢沢由美
谷口純一郎
出演者成海璃子
忽那汐里
森田彩華
草刈麻有
音楽佐藤直紀
主題歌矢沢洋子「羅針盤」
撮影柳島克己
編集阿部亙英
製作会社クロスメディア
TCエンタテインメント
ツネイシホールディングス
ギャンビット
広島テレビ
中国新聞社
原書房


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