小説家になろう
[Wikipedia|▼Menu]

.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

「小説家(ライター)になろう講座」の名前で開催されていた山形市の市民講座「山形小説家・ライター講座」とは異なります。

小説家になろう
URLsyosetu.com
言語日本語
タイプ小説投稿サイト
運営者株式会社ヒナプロジェクト
設立者梅崎祐輔
収益広告掲載料による
営利性営利
登録投稿には登録が必要・閲覧は不要
開始2004年4月2日
現在の状態現在運営中
ライセンス利用規約第18条テキスト等の情報の使用許諾等による

小説家になろう(しょうせつかになろう)は、株式会社ヒナプロジェクトが提供する小説投稿サイト。作者登録することで、無料で小説ウェブ上に公開することができる。また「小説家になろう」はヒナプロジェクトの登録商標[注 1]である。
概要

多くの作品が登録されている小説投稿サイトである。ウェブ上で執筆が可能である点、携帯電話スマートフォンでも利用(執筆や閲覧)が容易い点で他サイトと異なる。

2014年12月時点でアクセス数は月間約9億5000万PVユニークユーザー数は約400万人[1]、2019年4月時点では月間約20億PV、ユニークユーザーが約1400万人に達している[2]。また、2015年3月15日朝、登録者数が55万人を突破した。登録ユーザの年代は、2019年4月時点で20代が44%と最も多く、以下30代が24%、10代が14%、40代が12%と続く[2]。同じく男女比率は、男性が約6割、女性が約3割(残りは性別未登録)[2]

2010年代に入り、本サイトに掲載された小説を(多くは加筆・修正を経て)書籍化する動きが複数の出版社で活発化しており、本サイト出身のそれらの小説や、特に多い異世界ものの作品を総称して「なろう系」と呼ぶことがある[3]。ただし展開の安易さなどへの揶揄、蔑称として用いられることもあるため[3]大橋崇行は「なろう系」という言葉の使用には注意が必要だと述べている[4]。また「小説家になろう」側がこの言葉を使ったことはなく、本サイトを運営するヒナプロジェクト取締役の平井幸は「なろう系」という言葉に対しては痛し痒しな思いで「ブランド化されるのは大変ありがたいんですが、他ジャンルで書かれている作者さんの気持ちもありますし、あまりイメージが固定化されるのも困る。『みんなのための小説投稿サイト』を謳う以上、デメリットにも転びかねない言葉として慎重に取り扱っています」と発言している[5]
運営会社

株式会社ヒナプロジェクト
HinaProject Inc.
種類株式会社
市場情報非上場
本社所在地 日本
573-002
大阪府枚方市大垣内町2丁目17番8号
設立2010年3月17日
業種情報・通信業
法人番号1130001045022
事業内容ウェブサイト・デジタルコンテンツの企画、制作、管理運営(小説投稿サイト「小説になろうグループ」、画像投稿サイト「みてみん」、アクセス解析サービス「KASASAGI」の運営)
代表者青山侑矢(代表取締役社長)
資本金350万円
純利益1億3987万6818円
(2021年02月28日時点)[6]
総資産9億3457万0566円
(2021年02月28日時点)[6]
関係する人物梅崎祐輔(創業者・前代表取締役社長)
平井幸(創業者・前代表取締役社長)
外部リンクhttps://hinaproject.co.jp/
テンプレートを表示

運営会社では以下のサイトを運営している。
小説家になろう
メインである小説投稿サイト。
小説を読もう
小説閲覧サイト。PC/スマートフォン対応。
ラブノベ
恋愛小説限定の閲覧サイト。スマートフォン向け。対象となる作品は、執筆者が投稿時に設定したジャンル・年齢制限により自動的に振り分けられる。
ノクターンノベルズ
男性向けR18小説サイト。
ムーンライトノベルズ
女性向けR18小説サイト。
ミッドナイトノベルズ
官能を主目的としない男性向けR18小説サイト。
KASASAGI
アクセス解析サイト。

過去には以下のようなサイトも運営していた。
小説を読む
「小説家になろう」の携帯(いわゆるフィーチャーフォン)向け閲覧サイト。2019年1月29日サービス終了[7]
にじファン/NOS
いわゆる二次創作小説の閲覧サイト(「にじファン」がPC向け、「NOS」が携帯向け)。2012年7月20日閉鎖。
沿革

1990年代中ごろの日本におけるインターネットの普及に伴い、個人でWebサイトを開設・運営する人が増加し、自分のサイトで創作物を発表する形態が取られるようになる[8]。2000年代に入るともっと手軽に作品を発表したい人々をターゲットとしてアルカディアやアルファポリスといった投稿型の小説サイトが登場するようになった[8]
2000年代

2000年 - 2003年

梅崎祐輔は「もっとネット小説を読みたい」という思いから
名探偵コナン専門の二次創作小説サイト「コナン小説リング」を開設し小説執筆投稿システム「NW-SYSTEM」の開発に着手した。


2004年

梅崎祐輔が個人サイトとして投稿型のケータイ小説サイト「小説家になろう」を2004年4月2日に開設した[9][10]。当時はネット小説の発表の場が個人運営サイトが主流だったこともあり、作品を探すことが大変だったということも開設理由のひとつとして挙げている[11]


2005年

3月21日 - 男性向けR18小説サイトの「ノクターンノベルズ」サービス開始。

5月8日 - 女性向けR18小説サイト「ムーンライトノベルズ」サービス開始。


2007年

2月15日 - 本格派縦書き小説サイト「PDF小説ネット」サービス開始。

5月1日 - 携帯電話向け恋愛小説専門サイトの「ラブノベ」サービス開始。

7月28日 - ネット小説読者向けの「小説を読もう!」サービス開始[10]

平井幸のウェブブラウザゲーム制作チーム「ヒナプロジェクト」に梅崎祐輔が参画[12]


2008年

1月 - サイマリンガルから書籍化作品「新宿クレッシェンド」が発売。

3月3日 - サイトの運営を小説家になろうグループ(HINAproject)による運営に移行。

10月 - 二次創作専門ケータイ小説サイト「NOS」サービス開始。

12月 - 画像投稿サイト「みてみん」ベータ版を公開。


2009年

世間のケータイ小説ブームも手伝い、「小説家になろう」の知名度が高まり、大規模なサイトリニューアルが行われた[9]


2010年代

2010年

3月17日 - 各種サービスの運営法人化を目的として株式会社ヒナプロジェクトが設立
[1][10]

8月11日 - 二次創作小説専門サイト「にじファン」サービス開始。

10月17日 - ヒナプロジェクトの関連会社である株式会社ナイトランタンを設立し、「ノクターンノベルズ」「ムーンライトノベルズ」の運営を移管[13]


2011年

11月16日 - ヒナプロジェクトの関連会社である合同会社ヒナックス(現株式会社ヒナックス)を設立[14]

12月17日 - 小説家になろう書籍化作品「魔法科高校の劣等生」のコミカライズが月刊Gファンタジー2012年1月号にて連載開始。


2012年7月20日 - 二次創作小説専門サイト「にじファン」「NOS」のサービスを終了。

2013年

5月31日・6月1日・6月2日 - 小説家になろう投稿作品『がんばれ美香子「なにそのタイトルやめてよ」』の舞台が新宿シアター・ミラクルにて公演[15][16]

10月5日 - 小説家になろう書籍化作品「ログ・ホライズン」のTVアニメがNHK教育テレビジョンにて放送開始。


2015年12月 - 官能を主目的としない男性向けR18小説サイト「ミッドナイトノベルズ」のサービス開始(運営はナイトランタン)[10]

2017年

3月 - 恋愛小説サイト「ラブノベ」のスマホ版をサービス開始。

11月 - フロンティアワークス提供による公式WEB雑誌『N-Star』の運用を開始。


2019年1月29日 - フィーチャーフォン/ガラケーの利用率低下に伴い、1月29日にモバイル版のサービスを終了した[7]

2020年代

2022年6月1日 - ヒナプロジェクトがナイトランタンを吸収合併
[17]。「ノクターンノベルズ」「ムーンライトノベルズ」「ミッドナイトノベルズ」の運営はヒナプロジェクトが継続する[17]

2023年11月30日 - ヒナプロジェクトが銀行振込のみでの決済に対応したアダルトイラスト共有・創作サイト「onaco」をリリース[18]

2024年2月29日 - 小説家になろう創業者の梅崎祐輔とヒナプロジェクト創業者の平井幸が株式会社ヒナプロジェクトの代表取締役社長を退任[19]

特徴

特定のジャンルや展開が人気を博し、類似の作品が多数公開されることは「小説家になろう」の大きな特徴と言える[20]。特に主人公がなんらかの理由により死亡し、ファンタジー的な世界に生まれ変わる「異世界転生」や突然ファンタジー的な世界に転移する「異世界転移」といったジャンルは「小説家になろう」内で個別にランキングされるほどの人気を誇っており、代名詞のようなイメージが定着している[20]。詳細は「なろう系」を参照

その他、「悪役令嬢」や「婚約破棄」といった一風変わったジャンルの小説も女性向け作品として人気を博している[20]。こうしたジャンルの偏重は運営主導ではなく、人気が出た作品設定や展開を多くの投稿者が核としてアレンジを加えて投稿することにより大きなムーブメントとなっていると考えられている[20]

性的描写への規制は「カクヨム」より厳しく、キスシーン・抱擁シーンを超える物は認められない。これらは「ノクターンノベルス」送りとなる。

誰でも簡単・気軽に投稿出来、また原稿を催促する担当編集者もいないため、作者のモチベーション低下と共に未完のまま放置される作品も出て来ている(「エターナる」、略して「エタる」と呼ばれる。書きかけで5ヶ月以上経つと「本作は未完のままです。今後次話投稿されない可能性があります」のフラグが立つ)。
主な機能

小説の投稿・閲覧

連載小説の投稿

お気に入り小説の記録・更新確認・しおり機能(ユーザー登録が必要)

作品へ対し、レビュー・感想の投稿(ユーザー登録が必要
[注 2]

タテ書き小説ネット(PC向け)との提携による、縦書きPDFへの変換(掲載中の小説)[注 3]

TXTファイルでの小説ダウンロード

登録ユーザー同士のメッセージの送受信

活動報告(簡易ブログ)の使用(ユーザー登録が必要)

誤字報告

二次創作への対応

サイト開設当初は二次創作作品も数多く投稿されていたが、二次創作に対する著作権者側の規制強化の動きなどを受け、2010年8月ににじファン(PC向け)・NOS(携帯向け)という専門サイトを開設。執筆者が原作名を設定するとこちらに振り分けられ、通常の検索やランキングなどから除外されるようになった[21]

しかし著作権者側からの二次創作に対する規制強化を求める動きは止まず、結局2012年3月15日には、明示的に二次創作禁止を表明している著作権者の作品について一斉削除を行うことを通告(同年4月9日より順次実施)[22]。最終的には2012年7月15日付でにじファンなどのサイトを閉鎖し、運営側が許可する一部の作品[注 4]を除き一切二次創作作品の投稿を認めない姿勢に転換した[23]
ダイジェスト化問題

従来本サイトに掲載されていた小説を書籍化する際には、小説をそのまま掲載し続ける以外に「書籍化した部分をダイジェスト化する」といった対応が認められていたが、2016年6月に運営側が方針を転換し、書籍化にあたってダイジェスト化を行った作品については同年9月より全面的に削除対象とすることを明らかにした[24]。運営側では「ダイジェスト化がそもそも行われない作品がある」「『ダイジェスト化』の定義が不明確で、そのため単なるあらすじの掲載にとどまっている作品も多い」といった問題が起きていることが原因としており、既に書籍化に伴いダイジェスト化が行われている作品に対しても遡及して適用される。

これに対し、書籍化にあたってダイジェスト化を要求するレーベルの中でも大手であるアルファポリスは「書籍化した作品の「全てを」無料で読めることは、これまで同様、選択肢にないもの」「率直にこうしたやり方(ダイジェスト化)が時間の経過とともに限界が来たのであろう、潮時であったのだろうと感じます」との声明を発表し、本サイトからの撤退を発表した[25]
差し止め請求

2016年3月、運営者の株式会社ヒナプロジェクトが、山形県で1997年から開かれていた「小説家(ライター)になろう講座」に対し、商標権侵害を理由に講座名使用の差し止めを請求し、山形の講座名が変更されざるを得ない事態になった。株式会社ヒナプロジェクトが「小説家になろう」を商標登録したのは2013年である[26][27]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:181 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef