小脳
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脳: 小脳
大脳間脳中脳延髄脊髄小脳脳の矢状断。緑色が小脳。ヒトの脳の外側面。小脳は図の右下、紫色で示す部分。脳内での小脳の位置(赤色で示す部分)。
左図は側面から、右図は正面から見たとき。
名称
日本語小脳
英語cerebellum
ラテン語cerebellum
略号Cb
関連構造
上位構造菱脳、後脳
構成要素小脳虫部、小脳半球、小脳片葉、小脳核など
動脈上小脳動脈、前下小脳動脈、後下小脳動脈
画像
アナトモグラフィー三次元CG
Digital Anatomist ⇒左側面
右側面
内側面
前方
下方
後方
脳幹
冠状断(海馬采/脳弓)
水平断
傍矢状断
関連情報
IBVD ⇒体積(面積)
Brede Database ⇒階層関係、座標情報
NeuroNames ⇒関連情報一覧
NIF ⇒総合検索
MeSHCerebellum
グレイ解剖学書籍中の説明(英語)
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小脳(しょうのう、: cerebellum、ラテン語で「小さな脳」を意味する)は、脳の部位の名称。を背側から見たときに大脳の尾側に位置し、外観がカリフラワー状をし、脳幹の後ろの方からコブのように張り出した小さな器官である。脳幹と小脳の間には第四脳室が存在する。重さは成人で120?140グラムで、脳全体の重さの10%強をしめ、大脳よりもはるかに多くの神経細胞がある。
概要

脳の神経細胞の大部分は、小脳にあり、その数は1000億個以上である。小脳の主要な機能知覚と運動機能の統合であり、平衡・筋緊張・随意筋運動の調節などを司る。このため、小脳が損傷を受けると、運動や平衡感覚に異常をきたし、精密な運動ができなくなったり酒に酔っているようなふらふらとした歩行となることがある。小脳が損傷されると、そうした症状が起きるが、意識に異常をきたしたり知覚に異常を引き起こすことはない。このため、かつては高次の脳機能には関係がなく、もっぱら運動を巧緻に行うための調節器官だとみなされ、脳死問題に関する議論が起きた際も人の生死には関係がないので、小脳は脳死判定の検査対象から外すべきと主張する学者もいた。ところがその後、小脳がもっと@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}高次な機能を有していると考えられる現象が相次いで報告[要出典]された。また、アルツハイマー病の患者の脳をPETで調べたところ、頭頂連合野や側頭連合野が全く機能していないにもかかわらず、小脳が活発に活動していることが判明した。アルツハイマー病の患者では例外なく小脳が活動しており、通常より強化されている。これは大脳から失われたメンタルな機能を小脳が代替していると考えられている。伊藤正男は、小脳は大脳のシミュレーターであって、体で覚える記憶の座と表現した[1]

小脳の傷害が運動障害を引き起こすことを最初に示したのは、18世紀生理学者たちであった。その後19世紀初頭?中盤にかけて、実験動物を用いた小脳切除・病変形成実験が行われ、小脳傷害が異常運動・異常歩様・筋力低下の原因となることが明らかにされた。これらの研究成果に基づき、小脳が運動制御に重要な役割を果たすという結論が導かれたのである[2]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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