小緑人
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小緑人
小緑人のアニメーション信号機
各種表記
繁体字:小告l
(行人倒數計時顯示器)
簡体字:小?人
(行人倒数???示器)
?音:Xi?o l? ren
(Xingren daosh? jishi xi?nshiqi)
通用?音:Si?o ly? ren
(Singren daosh? jishih si?nshihci)
注音符号:???? ??? ???
(???? ??? ??? ??? ??? ?? ???? ?? ???)
ラテン字:Hsiao lu_ jen
(Hsing jen tao shu chi shih hsien shih ch'i)
発音:シャオリューレン
(シンレン ダオシュー ヂーシー シェンシーチー)
日本語漢音読み:しょうりょくにん
(こうじんとうすうけいじけんじき)
英文:Little Green man[1][2]
(Count-down pedestrian signal[3])
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小緑人(シャオリューレン、しょうりょくにん、繁体字中国語: 小告l)は台湾で設置されている歩行者信号機の愛称。正式名称は「行人倒数計時顕示器」、すなわち「歩行者用カウントダウン式信号表示装置」。

上下2分割で、上段の赤信号(現地表記は「紅」)は青信号(現地表記は「緑」)時に赤になるまでの秒数をカウントダウンする。これは日本大阪市で導入されている「赤から青までの秒数」をカウントダウンするものとは逆であり[4]、下段の青信号は、赤になるまでの間に小人が7段階のアニメーション表示で動いている様子を演出している。この青信号枠のアニメーション・キャラクターによる信号機が「小緑人」と呼ばれる所以である。
起源東ドイツ(現・ドイツ)の「アンペルマン」

元々は旧東ドイツ交通心理学者カール・ペグラウ(英語版)(Karl Peglau)が発案し、1961年東ベルリンで導入された赤い小人と帽子を被った緑の小人の信号機「アンペルマン」(Ampelmannchen)が発祥。赤は通行禁止、帽子の青は通行可能を意味し、歩行者横断用として使われた。なお、東西統一後の2000年代以前に東ベルリンを含むドイツ各地で導入されていたアンペルマンは旧西ドイツの図柄に変更される予定だったが、中止された。アンペルマンは固定姿勢でアニメーションではなかった。
アニメーション化

1998年台北市政府は国外の事例を参考に、歩行者信号にカウントダウン機能を追加することを検討[5]。市政府交通局と中華信号協会(中華號誌協會)加盟の複数の民間企業による共同でアニメーション機能の実装が開始された。

これは中華民国交通部の定める信号機設置規則を満たし、歩行者の視認性を高め、世界的に現在も主流となっている歩行者信号の「赤が停止、緑が進行」表示方式に加えて「赤に変わる」までの秒数をカウントダウン式で知らせるだけでなく信号機の小人がディスプレイ内を走る動画機能が追加された。
形態


小緑人の赤信号台北市で先行導入された小緑人は現在台湾各地に設置されている
屏東市の小緑人はカウントダウン終了直前に前傾姿勢から加速する。

台北市政府が試験導入した歩行者信号機は以下の規格に基づく[6]
動く小人(小緑人)

7コマの異なる図案を組み合わせ、人の眼の視覚現象(英語版)を利用して小人が走っているように見えるアニメーション演出がなされている。小人の移動速度は低速歩行と早歩きの2段階(あるいは駆け足の高速モードを加えた3段階)で構成され、交差点の制御装置により青信号になると低速で歩行を始める。カウントダウンの計時が一定秒数(通常は14秒)以下になると小走りに加速し[7]、残り10秒で点滅を繰り返しながら小走りになる[8]
カウントダウン

青信号のときに赤に変わるまでの残り秒数を整数で表示する。通常は小緑人のアニメーション開始と同時に2桁の固有秒数(最大設定値は99秒)から0まで1秒ごとにカウントダウンを開始する。2桁を超える数字(すなわち100秒以上)を表示させる場合は99秒前までは小緑人だけが動き、数字部分のディスプレイは消灯している。途中で点灯し99秒からカウントダウンを開始する[9]。「6」と「9」は同一設計ではなく、「6」の左上と「9」の右下の縦線が点灯しない。青信号時は数字も青文字に、赤信号時には数字も赤文字となる。
小紅人

赤信号時は上段のカウントダウン表示用画面で静止した赤の小人「小紅人(シャオホンレン)」が横断禁止を知らせる。青信号時に小緑人を表示していた下段では何も表示されず画面自体が消灯状態となる。近年ではLED信号機導入に伴って下段でも赤信号が青信号に切り替わるまでの残り時間をカウントダウンする改良型が台中市彰化県雲林県などで導入されるようになった[10]
試用と実用化


実用化第1号の松智路と松壽路の交差点(台北市)小緑人誕生地プレート

1998年末から翌99年3月にかけて台北市政府は国父紀念館(光復南路(中国語版))や大安森林公園(中国語版)(新生南路(中国語版))、映画館の威秀影城(中国語版)(松智路)付近に基本設計は共通で、細部仕様はそれぞれ異なる3機のカウントダウン式歩行者信号を設置した。信号機は民間企業の無償提供だった[11]

1999年初頭に市政府で選考が行われ、松智路と松壽路の交差点に設置されたものを採用することを決定した。同年3月18日に当該交差点のものが正式供用され、それをベースにした統一型式を市内の既存信号機と交換することになった。

2003年までに台北市に全1,364ヶ所に設置されていた従来型のうち、1,139ヶ所で交換が完了した[12]2010年には新設分を含めて2,100ヶ所を超えた[13]

中華民国交通部でも道路標識設置規則を改訂し、全国的に法的根拠を伴う正式な歩行者用信号機となった[14]

台北市で普及が進むと、新北市桃園市台中市台南市高雄市などの他の大都市にも広がりをみせ、庶民生活に定着していった。その独特の設計と目新しさが、初めて訪台した外国人観光客の印象に残る広告効果を生み出し、日本ドイツ米国のメディアが取材に訪れるようになった[15]

そして2014年12月23日に交通局は1号機が設置された松壽路と松智路の交差点に中国語と英語の2ヶ国語で解説文が書かれた「小緑人誕生地」プレートを設置した[16]
派生版
淡海軽軌の構内信号機(新市一路駅

映像外部リンク
主播鄭柏揚恬心記者魏于恬 搶先體驗淡海輕軌找攻略【一刀未剪看新聞】(2m33s?) - YouTube 台視新聞(2018年12月23日)

かつて2010年ごろに彰化県の台湾鉄路管理局(台鉄)彰化駅にはホームの発車案内標に設置されたことがある[17]

その後、基隆市の台鉄縦貫線七堵駅では、橋上駅舎による構造上、駅構内の死角が多いためプラットホームから離れた場所でも発車状況が確認しやすいように2016年にホーム詰所の駅員が手動操作で小緑人を表示させるタイプの案内表示機が設置された[18]

また、2018年12月に開業した新北市ライトレール路線(新北捷運淡海軽軌)のいくつかの駅では構内通路が軌道平面を横切るためにホーム上に小緑人を設置している[19]
カップル型カップル型小緑人を披露する屏東県長の潘孟安(2018年5月)

2018年屏東県政府警察局はバレンタインデーを控えた2月13日に3段式のものを試験導入した。最上段の赤では小緑人が跪いてガールフレンドにプロポーズし、最下段ではプロポーズに成功した小緑人が彼女の手を引いて2人で歩く演出のものだった[20][21]

その後母親節(母の日)を控えた同年5月9日には最上段の赤に妊娠した妻が、青信号には子供と3人で手をつないで歩く演出がなされた新バージョンが登場している[22]

なお、本格導入に際して必要な交通部の審査はその時点で通過していない[23]


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