小池真理子
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この項目では、小説家の小池真理子について説明しています。他の人物については「小池真理子 (曖昧さ回避)」をご覧ください。

小池 真理子
(こいけ まりこ)
2012年3月19日、芸術選奨贈呈式にて(右)
誕生 (1952-10-28) 1952年10月28日(71歳)
東京都中野区
職業小説家
エッセイスト
言語日本語
国籍 日本
教育学士(文学)
最終学歴成蹊大学文学部英米文学科卒業
活動期間1978年 -
ジャンル恋愛小説
ミステリー
ホラー
エッセイ
代表作『』(1995年)
『欲望』(1997年)
『無花果の森』(2011年)
『沈黙のひと』(2012年)
主な受賞歴日本推理作家協会賞短編部門(1989年)
直木三十五賞(1995年)
島清恋愛文学賞(1998年)
柴田錬三郎賞(2006年)
芸術選奨(2012年)
吉川英治文学賞(2013年)
デビュー作『知的悪女のすすめ』
配偶者藤田宜永(1984年 - 2020年 死別)
影響を受けたもの

三島由紀夫[1]アルベール・カミュ[1]坂口安吾[2]

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小池 真理子(こいけ まりこ、1952年10月28日 -)は、日本小説家エッセイスト。夫は同じく小説家の藤田宜永[3]。主な長編作品に『』『無伴奏』『水の翼』『瑠璃の海』『望みは何と訊かれたら』などがあり、「短編の名手」と謳われ、『妻の女友達』『水無月の墓』『怪談』など、短編集も多く上梓している。渡辺淳一文学賞選考委員、山本周五郎賞松本清張賞島清恋愛文学賞など選考委員を歴任。[4]
来歴・人物

1952年東京都中野区に、父・小池清泰と母・増子の長女として生まれる。父・清泰は、東北帝国大学を卒業後、昭和石油に勤務しており、またロシア文学ドイツ文学に傾倒していたため、多くの蔵書があり、朝日歌壇への投稿歴がある[5]。1959年、大田区立久原小学校に入学。ピアノを習い始める。1962年、『なかよし』『りぼん』などに掲載された少女漫画の影響を受けて、自分でストーリーを考えて漫画を描く。学校の図書館で本を借り、読書を楽しむ。小学6年の時、新潮文庫の『赤毛のアン』を読んで感動する。1965年3月、父の転勤で、兵庫県西宮市に転居、私立甲子園学院中等部に入学。この頃から、父の蔵書を読み始める。D・H・ローレンスチャタレイ夫人の恋人』を読んでいた時、「まだ早い」と父に叱られる。1967年4月、西宮市立瓦木中学校に編入。1968年4月、兵庫県立鳴尾高等学校に入学。同年9月、父の転勤で、宮城県仙台市に転居、宮城県第三女子高等学校に編入。全共闘運動など学生運動が盛んだった時期であり、小池もヘルメットを被って街頭デモに参加したり、自身の高校で「制服廃止闘争委員会」を結成したりしていた[6]フォークソングの時代で[6]、デモ集会の締めに「勝利を我等に」をよく歌った[6]。一番好きなフォークは高田渡の「自衛隊に入ろう」という[6]。また、高校時代には多感な想いの中で仙台の季節を味わいつつ、散文を書いていた。高校卒業後は1年間、予備校での浪人生活を送った[7]。1972年4月、成蹊大学文学部英米文学科に入学。吉祥寺で1人暮らしを始める。大学在学中から作家となることを志し、小説を書き始める。1976年3月、大学を卒業。同年4月、本に近い場所ということから、出版社に就職、編集者となる。

1977年7月、出版社を退職し、フリーの編集者、ライターになる。エッセイ集『知的悪女のすすめ』の企画をいくつかの出版社に持ち込み始める。山手書房(当時)で、自分で書けばいい、と言われ、自ら企画に沿ったエッセイを書く。1978年7月、エッセイ集『知的悪女のすすめ』が刊行、ベストセラーとなり、エッセイストとしてデビュー。続けて関連のエッセイ集を発表する。1985年、『第三水曜日の情事』を上梓、小説家デビューを果たす。コンスタントにミステリー、サスペンス作品を発表する。1984年、藤田宜永と夫婦になる。1989年、「妻の女友達」で第42回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。1990年、1万冊近い蔵書と愛猫ゴブのため、藤田宜永とともに長野県軽井沢町に移住。同時期に、ミステリーから恋愛小説へと新境地を開き、1995年には『』で第114回直木賞を受賞。その後も数々の文学賞を受賞。2012年には、『無花果の森』で第62回芸術選奨文部科学大臣賞(文学部門)を受賞する。また、文学賞の選考委員も務めている。2008年1月に軽井沢の自宅で火災が発生。また、父・清泰を2009年3月に、母・増子を2013年8月に亡くす。また、2018年3月には夫の肺がん宣告を受け、2020年1月に亡くす。近年の作品には、こうした経験が反映されており、人の生や死、老いなど、人生の折々で体験することをすくい取った作品が多くなっている[8][9]。こうした身近な人たちを相次いで失いながら、10年かけて書き上げた一冊が2021年6月に出版された『神よ憐れみたまえ』である[10]
受賞歴

1989年 - 「妻の女友達」で第42回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)受賞[11]

1995年 - 『恋』で第114回直木賞受賞[12]

1998年 - 『欲望』で第5回島清恋愛文学賞受賞

2006年 - 『虹の彼方』で第19回柴田錬三郎賞受賞

2012年 - 『無花果の森』で第62回芸術選奨文部科学大臣賞(文学部門)受賞

2013年 - 『沈黙のひと』で第47回吉川英治文学賞受賞

2022年 - 第25回日本ミステリー文学大賞受賞

著作
小説
1980年代

第三水曜日の情事(1985年7月
角川文庫) - 主としてアメリカを舞台にした掌編(ショートショート)集。登場人物もすべて外国人で倒叙ものが多い。

収録作品:第三水曜日の情事 / マイアミの優雅な午後 / ヌーヌーのクリスマス / 覚えのない殺人 / 訪ねてきた女 / 無邪気なものまね / ボン・ボワイヤージュ / 目撃者の三つの目 / 十三人目の被害者 / 彼女を愛した俺と犬 / 幸せのサウンド・オブ・サイレンス / 女の約束 / 不運な忘れ物 / やさしく呪って… / 計画通りの埋葬 / 几帳面な性格 / 待ちわびた招待 / 気にくわない奴 / 知らなかった偶然 / 死体のそばの犬


あなたから逃れられない(1985年8月 集英社文庫

彼女が愛した男(1986年2月 カドカワノベルズ / 1988年1月 角川文庫)

蠍のいる森(1987年4月 集英社文庫)

仮面のマドンナ(1987年5月 角川文庫 / 2018年5月 角川文庫)

彼方の悪魔(1987年11月 C★NOVELS / 1991年2月 中公文庫 / 2021年6月 双葉文庫

見えない情事(1988年4月 中央公論社 / 1992年7月 中公文庫 / 2021年5月 双葉文庫)

収録作品:ディオリッシモ / 春日狂乱 / 寂しがる男 / 黒の天使 / 車影 / 真夏の夜の夢つむぎ / 見えない情事


墓地を見おろす家(1988年7月 角川文庫 / 1993年12月 角川ホラー文庫

プワゾンの匂う女(1988年7月 徳間書店 / 1991年8月 徳間文庫 / 1997年12月 光文社文庫

間違われた女(1988年9月 ノン・ポシェット / 2011年9月 祥伝社文庫【新装版】)

あなたに捧げる犯罪(1989年2月 双葉社 / 1992年1月 双葉文庫 / 2014年2月 双葉文庫【新装版】)

【改題】 妻の女友達(1995年4月 集英社文庫) - 表題作「妻の女友達」は、第42回日本推理作家協会賞を受賞。

収録作品:菩薩のような女 / 転落 / 男喰いの女 / 妻の女友達 / 間違った死に場所 / セ・フィニ 終焉


キスより優しい殺人(1989年5月 勁文社 / 1991年7月 ケイブンシャ文庫 / 1999年3月 徳間文庫)

収録作品:キスより優しい殺人 / 初めての男 / 洋菓子店殺人事件 / 絡み合った殺意 / 仮面の美女 / 短期は損気 / 奇妙な話 / 家族の風景 / 磯良 / キスはドライブの後に / レディス・メイト / 指輪 / 光あふれる樹 / 目には目を / 四度目の夏 ※「四度目の夏」は文庫のみ


死者はまどろむ(1989年6月 講談社ノベルス / 1993年8月 集英社文庫)

双面の天使(1989年7月 集英社文庫)

収録作品:共犯関係 / 眼 / 薔薇の木の下 / 双面の天使


窓辺の蛾(1989年11月 実業之日本社)

【改題】 追いつめられて(1993年1月 ノン・ポシェット / 2022年9月 祥伝社文庫【新装版】)

収録作品:窓辺の蛾 / 悪者は誰? / 追いつめられて / 泣かない女 / 隣りの女 / 予告された罠


殺意の爪(1989年4月 カッパ・ノベルス / 1993年6月 光文社文庫 / 1998年1月 徳間文庫)

闇のカルテット(1989年12月 双葉社 / 1992年9月 双葉文庫 / 2016年10月 双葉文庫【新装版】)

1990年代

やさしい夜の殺意(1990年4月 中央公論社 / 1993年11月
中公文庫 / 2020年12月 双葉文庫)

収録作品:やさしい夜の殺意 / それぞれの?末 / チルチルの丘 / 青いドレス / 未亡人は二度生まれる


無伴奏(1990年7月 集英社 / 1994年9月 集英社文庫 / 2005年3月 新潮文庫

柩の中の猫(1990年9月 白水社 物語の王国 / 1996年7月 新潮文庫 / 2004年11月 集英社文庫)

恐怖配達人(1990年12月 双葉社 / 1993年7月 双葉文庫 / 2012年8月 双葉文庫【新装版】)

収録作品:梁のある部屋 / 喪服を着る女 / 死体を運んだ男 / 老後の楽しみ / 団地 / 霧の夜


唐沢家の四本の百合(1991年9月 中央公論社 / 1995年9月 中公文庫 / 2001年8月 徳間文庫 / 2020年9月 双葉文庫)

会いたかった人(1991年10月 ノン・ポシェット)

収録作品:会いたかった人 / 結婚式の客 / 寄生虫 / 木陰の墓 / 運の問題 / 甘いキスの果て


懐かしい骨(1992年7月 双葉社 / 1994年12月 双葉文庫 / 2013年6月 双葉文庫【新装版】)

夜ごとの闇の奥底で(1993年1月 新潮社 新潮ミステリー倶楽部 / 1996年2月 新潮文庫)

ナルキッソスの鏡(1993年3月 集英社 / 1996年4月 集英社文庫) - 女装して暮らす美青年とマザコン中年女性の愛憎劇。

恐怖に関する四つの短編(1993年5月 実業之日本社)

【改題】倒錯の庭(1996年8月 集英社文庫)

収録作品:倒錯の庭 / 罪は罪を呼ぶ / 約束 / 暗闇に誰かがいる


危険な食卓(1994年1月 集英社 / 1997年4月 集英社文庫)

収録作品:囚われて / 同窓の女 / 路地裏の家 / 姥捨ての街 / 天使の棲む家 / 花火 / 鍵老人 / 危険な食卓


死に向かうアダージョ(1994年7月 双葉社 / 1997年10月 双葉文庫 / 2015年9月 双葉文庫【新装版】)

贅肉(1994年9月 中央公論社 / 1997年2月 中公文庫 / 2018年12月 双葉文庫)

収録作品:贅肉 / ねじれた偶像 / 一人芝居 / 誤解を生む法則 / どうにかなる


記憶の隠れ家(1995年2月 講談社 / 1998年1月 講談社文庫

収録作品:刺繍の家 / 獣の家 / 封印の家 / 花ざかりの家 / 緋色の家 / 野ざらしの家


怪しい隣人(1995年4月 集英社 / 1998年4月 集英社文庫)

収録作品:妻と未亡人 / 家鳴り / 終の道づれ / 寺田家の花嫁 / 本当のこと / 隣の他人


(1995年10月 早川書房 ハヤカワ・ミステリワールド / 1999年4月 ハヤカワ文庫JA / 2003年1月 新潮文庫)

水無月の墓(1996年1月 新潮社 / 1999年2月 新潮文庫 / 2017年9月 集英社文庫)

収録作品:足 / ぼんやり / 神かくし / 夜顔 / 流山寺 / 深雪 / 私の居る場所 / 水無月の墓


うわさ(1996年3月 光文社 / 1998年10月 光文社文庫)

収録作品:独楽の回転 / 災厄の犬 / ひぐらし荘の女主人 / うわさ


欲望(1997年7月 新潮社 / 2000年4月 新潮文庫)

美神(1997年10月 講談社 / 2000年5月 講談社文庫)

律子慕情(1998年1月 集英社 / 2000年11月 集英社文庫 / 2016年10月 集英社文庫)

蜜月(1998年9月 新潮社 新潮エンターテインメント倶楽部SS / 2001年4月 新潮文庫)

収録作品:花のエチュード / 交尾 / ただ一度の忘我 / 裸のウサギ / バイバイ / 夜のかすかな名残り


水の翼(1998年12月 幻冬舎 / 2002年2月 幻冬舎文庫 / 2004年5月 新潮文庫)

ひるの幻 よるの夢(1999年1月 文藝春秋 / 2002年4月 文春文庫

収録作品:夢のかたみ / 静かな妾宅 / 彼なりの美学 / 秋桜の家 / ひるの幻 よるの夢 / シャンプーボーイ


冬の伽藍(1999年6月 講談社 / 2002年6月 講談社文庫)


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