小川国夫
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小川 国夫
(おがわ くにお)
1956年撮影
誕生1927年12月21日
日本静岡県藤枝市
死没 (2008-04-08) 2008年4月8日(80歳没)
日本静岡県静岡市
職業小説家
言語日本語
国籍 日本
最終学歴東京大学文学部国文科中退
活動期間1953年 - 2008年
ジャンル小説
文学活動内向の世代
私小説
キリスト教文学
代表作『アポロンの島』(1957年)
『或る聖書』(1973年)
『青銅時代』(1974年)
『逸民』(1986年)
『ハシッシ・ギャング』(1998年)
主な受賞歴川端康成文学賞(1986年)
伊藤整文学賞(1994年)
読売文学賞(1999年)
日本芸術院賞(2000年)
旭日中綬章(2006年)
デビュー作『東海のほとり』(1953年)
影響を受けたもの

アーネスト・ヘミングウェイ
ウィリアム・フォークナー
志賀直哉
聖書
エミール・ラゲなど

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小川 国夫(おがわ くにお、1927年昭和2年)12月21日 - 2008年平成20年)4月8日)は、日本小説家静岡県藤枝市出身。大阪芸大教授。

20歳でカトリックに入信。仏留学中に地中海沿岸を巡った経験から書いた『アポロンの島』が島尾敏雄の推挽により注目を集め、「内向の世代」の代表作家と目された。堅固で簡潔な文体でもって、自然や人間存在の原形を描き出し、聖書の世界を描く物語やエッセイを数多く手がけた。日本芸術院会員。

三男の小川光生は、サッカーライター・翻訳家。
経歴

静岡県志太郡藤枝町長楽寺(現在の藤枝市本町)に小川富士太郎・まきの長男として生まれる。母まきの弟は竹内壽平。1933年、青島幼稚園に入園。1934年、青島小学校に入学。1938年、肺結核に腹膜炎を併発し入院、入院3ヶ月後に自宅療養となり、1941年に小学校に復学するまで、安静療養状態が続いた。この自宅療養の時期に相当量の読書をしたことが、その後の小川国夫に影響を与えることになった。1942年、旧制志太中学校(現・藤枝東高等学校)に入学、学徒勤労動員で用宗海岸にある小柳造船所に通う。このときの経験は、のちの作品に色濃く投影されることになる。1946年旧制静岡高等学校静岡大学の前身校の1つ)文科乙類に入学。この頃カトリック洗礼を受ける。洗礼名は、アウグスチノ。

1950年東京大学文学部国文科に入学。1953年、「東海のほとり」を『近代文学』に発表。その年の10月フランスへわたりパリソルボンヌ大学に3年間私費留学。1954年7月、グルノーブル大学へ移籍。スペイン北アフリカへ、単車ヴェスパで旅行する。同年12月、スイスへ旅行し、フライブルクの修道院に24日間滞在する。1955年7月、イタリアへ、同年9月ギリシアへそれぞれ40日間の単車ヴェスパにて旅行。10月下旬パリに出て滞在。1956年、3月からドイツ、オーストラリア、イギリスを旅行する。そして同年7月、フランス留学を終え帰国、東京都大田区新井宿に住むが、東京大学には復学せず、そのまま創作活動にはいる。

1957年、丹羽正、金子博等と共に同人雑誌『青銅時代』を創刊。第1号に「アポロンの島と八つの短編」を発表する。(1965年までに青銅時代は10号を発行する)1957年10月、ヨーロッパを放浪した体験を自伝風に描いた『アポロンの島』を私家版で刊行するがまったく売れず。その後も『青銅時代』・『近代文學』に作品を発表し続ける。1960年1月には、長男が誕生。同年4月、藤枝市に移り住む。1961年9月次男誕生。そして1965年6月、私家版『アポロンの島』を唯一買った島尾敏雄が突然藤枝の小川家を訪れ、そして同年9月5日の『朝日新聞』「1冊の本」欄で、私家版『アポロンの島』を島尾が激賞する。これが契機となり、1966年から商業雑誌に登場。1969年「ゲヘナ港」が芥川賞候補にされるが辞退する[1]。自身の経験から深めた主題として、自然や神と人間との関わりを描いており、非現実や抽象に基づくイメージを交えた内省的かつ簡勁な文体、郷里の静岡県(方言が作品中に多く用いられている)や地中海を原形とする小さい共同体を多く扱うことが特徴である。主としてキリスト教、地中海世界を描いたものが多いが、能楽にも深い関心があった。

1986年「逸民」で川端康成文学賞、1994年『悲しみの港』で伊藤整文学賞、1999年『ハシッシ・ギャング』で読売文学賞、2000年日本芸術院賞受賞、2005年日本芸術院会員、2006年旭日中綬章受章[2]。若い頃は友人で作家の丹羽正の影響もあり、賞嫌いとして知られていた(「賞で伸びる人間もいるが、伸びることができなくなる人間もいる。


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