小京都(しょうきょうと)とは、古い町並みや風情が京都に似ている、日本各地にある街の愛称・別称である。
概要花の御所(室町時代)
明治以降の開発や災害、太平洋戦争下の空襲を免れて、江戸時代以前のたたずまいが残る街が日本各地にある。このうち、景観などが京都に似ている地区が小京都と呼ばれる。起源のひとつとして、各地の守護大名が室町幕府のある京都を模倣したまちづくり(都うつし)をしたことに遡ることができる[1][2]。
全国京都会議全国京都会議の事務局が入居する京都朝日会館
小京都とも呼ばれる地域のある自治体が集まる団体として全国京都会議が存在する。
ただし、古い街並みでなく、京都との歴史的つながりで加入している自治体もある[3]。一方で、全国京都会議に加盟していなくても、観光宣伝目的や自然発生的な自称・他称の小京都は多い。
全国京都会議は京都市を含む26市町により、1985年(昭和60年)に結成された[4]。1988年(昭和63年)の第4回総会で加盟基準が次の3つの条件に1つ以上あてはまることと定められた。
京都に似た自然と景観
京都との歴史的なつながり
伝統的な産業や芸能があること
総会での承認を経て加盟となり、事務局への届けにより退会となる[5]。
2021年4月時点で加盟する自治体は40市町であり、事務局は京都市観光協会内にある。ピーク時の1999年度には56市町が加盟していたが、2018年度までに63市町が入会し、再入会を除いて19市町が退会した。過去に全国京都会議に加盟していた自治体は後述の通りである。退会理由としては財政難や観光客誘致へのメリットが乏しいことのほか、歴史的に城下町として発展した歴史などに鑑みて「小京都」としてではない独自性をアピールすることを挙げる自治体も複数ある。 全国京都会議でポスターを作製しているので、鉄道駅等で目にする機会も多い。
全国京都会議加盟自治体
東北地方
秋田県
角館町(現・仙北市角館地区) - 「羽州の小京都」と称される。
湯沢市 - 「羽後の小京都」と称される。
宮城県
岩出山町(現・大崎市岩出山地区) - 「奥州の小京都」「伊達な小京都」と称される。
柴田郡:村田町 - 「陸前の小京都」「宮城の小京都」と称される。
福島県
東白川郡:棚倉町 - 「石背の小京都」「岩代の小京都」と称される。
角館の武家屋敷通(秋田県仙北市)
小野小町の故郷にある小町堂(秋田県湯沢市)
岩出山の街を流れる内川(宮城県大崎市)
店蔵の並ぶ街並み(宮城県柴田郡村田町)
棚倉城跡と水濠(福島県東白川郡棚倉町)
関東地方
茨城県
古河市 - 「坂東の小京都」「関東の小京都」と称される
栃木県
栃木市(「小江戸」とも)
足利市 -「東の小京都」と称される。(「東の京都」「坂東の京都」とも)
佐野市 - 「下野の小京都」と称される。
埼玉県
比企郡:小川町 -「武蔵の小京都」と称される。
比企郡:嵐山町 - 京都の嵐山(あらしやま)に風景が似ていることから「武蔵嵐山」と呼ばれている。
御所沼と古河公方館跡にある古河総合公園
巴川沿いに続く蔵屋敷(栃木県栃木市)
足利学校(栃木県足利市)
赤見温泉出流原弁天池(栃木県佐野市)
小川和紙(埼玉県比企郡小川町)
武蔵嵐山(埼玉県比企郡嵐山町)
中部地方
新潟県
加茂市 -「北越の小京都」「越後の小京都」と称される。
富山県
城端町(現・南砺市城端地区) -「越中の小京都」と称される。
岐阜県
八幡町(現・郡上市八幡地区)-「奥美濃の小京都」と称される。
静岡県
周智郡:森町 -「遠州の小京都」と称される。
愛知県
西尾市 -「三河の小京都」と称される。
江川沿岸の古い町並み(新潟県加茂市)
井波の街並み(富山県南砺市)
やなか水の小路(岐阜県郡上市)
遠州一宮の小国神社(静岡県周智郡森町)
西尾市歴史公園(愛知県西尾市)