レーダー・イメージング衛星
(トパズ)の典型的な諸元
( USA-215 (NROL-41) )
FIAプログラムにおける最初の実用レーダー・イメージング衛星(トパズ衛星)と考えられているUSA-215の打上げ
主製造業者ロッキード・マーティン
衛星バストパズ (Topaz)
将来画像アーキテクチャー(Future Imagery Architecture、FIA)とは、米国の国家偵察局が計画していた、新世代の光学画像およびレーダー・イメージングによる偵察衛星プログラムである。米ボーイング社連合が主契約者となって1999年に開発プログラムは開始されたが、光学画像衛星部分については開発遅延と予算超過のた、2005年にドナルド・カー国家偵察局長によって終了が宣告され、同年9月にジョン・ネグロポンテ国家情報長官によって、正式に終了が宣言された。本プロジェクトはニューヨーク・タイムズ紙によって「過去50年間のアメリカ偵察衛星プロジェクトの中で最も華々しく、そして多額のカネがかかった失敗プロジェクト」と評されている[1]。
光学画像衛星部分のキャンセルにかかわらず、トパズ(Topaz)として知られるレーダー・イメージング衛星部分については計画は継続され、2018年1月までに5基のトパズ・レーダー衛星が軌道に投入されている。 計画当初に使用されていた発展型KH-11光学型偵察衛星やラクロスSARレーダー偵察衛星の代わりの新型衛星の開発を目的としていた。両シリーズは2010年代に使用を終え、この開発計画から生まれる新しい偵察衛星が任務を引き継ぐ予定であった。これは2013年からあわせて12機を打ち上げる予定であった。光学偵察装置とレーダー偵察装置を1つの衛星に搭載する両用型偵察衛星とされていたが、コスト高を理由に、大型反射望遠鏡を積まずにSARレーダーだけで済ませるか、赤外線画像衛星のみになるか、もしくは空軍が開発中の宇宙レーダー衛星と統合される可能性もあった[2]。 正確な範囲や計画の目的は極秘にされていたが、2001年に国家偵察局の責任者が語ったところでは、このプロジェクトは同じようなそしてより軽い衛星を製作することに主眼を置いていた[3]。 開発契約は1999年末に米ボーイング社連合との間で結ばれ、およそ250億米ドルにおよぶ予算が20年間に渡って支払われる見込みであった[4]が、予算超過と完成遅延のため、2005年9月に契約は米ロッキード社に切り替えられた[5]。ロッキードは旧来の衛星を発展させた上で衛星の生産を再開するよう要請され、2009年に最初の衛星の生産が予定されていた[1]。 衛星製造の関係者達はこの衛星を完成させて地球衛星軌道に載せるのはかなり困難であると考えていた。規模でいえば1940年代のマンハッタン計画を例えに出すほど、この計画は大きな予算と多くの従事者をかかえているといわれた[3]。 2012年に、NROは最新技術で作成されたが使用されることはなかった2基の宇宙望遠鏡(伝聞情報によれば、FIAのためのものと言われている)を、天文学的用途でNASAに寄贈した[6]。 FIAプログラムにおける最初の実用レーダー・イメージング衛星(トパズ衛星)と考えられているUSA-215または別名NROL-41
目次
1 概要
2 レーダー衛星の打上げ
2.1 打上げ記録
3 後継プログラム
4 出典
5 外部リンク
6 関連項目
概要
レーダー衛星の打上げ 最初のトパズ衛星と考えられているUSA-215がカシオペア座を通過中