射影平面
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出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。(2016年6月)
平行な線路は無限遠にある消失点で交わる。

数学における射影平面(しゃえいへいめん、: projective plane)とは、初等的な平面の概念を拡張する幾何学的な構成のことである。通常の平面においては、二直線は典型的には一つの交点を持つが、特定の直線の組(平行線)は交点を持たない。一方、射影平面においては、通常の平面に「無限遠点」が追加され、平行線は無限遠点で交点を持つ。従って、射影平面では任意の相異なる二直線がただ一点において交わる。

射影平面の定義としてよく用いられるものが二種類ある。ひとつは線型代数学から来るもので、この場合の射影平面は、適当な古典群(英語版)に対する等質空間として与えられる。この場合の重要な例として、実射影平面(英語版)[1][2] RP2 および複素射影平面(英語版) CP2 が挙げられる。もうひとつは、もっと一般の公理的幾何学(英語版)および有限幾何学の立場により与えられる定義である。これは平面幾何学接続的性質の研究に適している。

射影平面の概念は、もっと高次元の射影空間の概念に一般化される。射影平面は二次元の射影空間である。
線型代数学的な定義

線型代数学的には、射影平面は「三次元空間内の原点を通る直線全体の成す集合」として与えられる。射影平面上の直線は三次元空間内の原点を通る平面から生じる。きちんと述べれば、以下のようになる[3]

K を任意の可除環(斜体)とし、 K 3 を K の元の三つ組 x = (x 0, x 1, x 2) 全体の成す集合(直積集合)とする。K 3 の零ベクトルでない任意の点 x に対し、原点と x を通る K 3 内の「直線」とは、 K 3 の部分集合 { k x : k ∈ K } {\displaystyle \{kx:k\in K\}}

のことである。同様に K 3 の線型独立な点 x, y (つまり kx + ly = 0 ならば必ず k = l = 0)に対し、原点と x, y を通る「平面」とは、 K 3 の部分集合 { k x + l y : k , l ∈ K } {\displaystyle \{kx+ly:k,l\in K\}}

のことであり、この平面は無数の直線を含む。

可除環 K 上の射影平面 KP2 とは、K 3 の原点を通る直線全体の成す集合をいう。KP2 の部分集合 L が、射影平面 KP2 内の(射影)直線であるとは、K 3 における平面で、それが含む直線全体の成す集合が KP2 においてちょうど L と一致するものが存在するときにいう。

少し異なる定義の仕方もあって、射影平面というのは集合 K 3 ∖ {(0, 0, 0)} を x ∼ k x , k ∈ K {\displaystyle x\sim kx,\quad k\in K}

で与えられる同値関係で割ったものである、ということもできる。この場合も射影平面内の直線は先ほどとまったく同じように定義できる。K が位相空間ならば KP2 にも(直積位相部分空間の位相商位相を通じて)内在的な位相が入る。

KP2 における座標系 (x 0, x 1, x 2) は斉次座標系 (homogeneous coordinates) と呼ばれる。各三つ組 (x 0, x 1, x 2) は KP2 の点を矛盾無く表すが、三つ組 (0, 0, 0) だけは例外で KP2 のどの点にも対応しない。K が有限体でない限り KP2 の各点に対応する三つ組は無数に存在しうる。


K として
実数体 R を取れば、実射影平面 RP2 が生じる。これは位相幾何学において、向きを持たない実二次元の多様体の基本的な例を与えるものである[4]


K として複素数体 C を取れば、複素射影平面 CP2 が生じる。これは複素二次元の閉多様体であり、従って向きを持つ実四次元の多様体である。他の上の射影平面ともども代数幾何学の基本的な例を与える[5]


四元射影平面もまた別な意義を持つ対象である。ケーリー平面は八元数環上の射影平面と考えられるが、八元数環が斜体を成さないため、きちんとした構成を十分に記述することはできない[3]


K として位数 p n の有限体を取れば、p 2n + p n + 1 個の点を持つ射影平面が得られる。後述するファノ平面は p n = 2 とした場合にあたる。

通常平面との関係平面 F22 上の平行な直線に対して無限遠点を付け加えると、すべての相異なる直線が一点で必ず交わるファノ平面(英語版) PG(2, 2) = F2P2 が得られる。

体 K 上の通常の平面 K 2 は射影平面 KP2 へ写像 ( x 1 , x 2 ) ↦ ( 1 , x 1 , x 2 ) {\displaystyle (x_{1},x_{2})\mapsto (1,x_{1},x_{2})}

によって埋め込まれる。この写像の像の補集合は (0, x 1, x 2) なる形の点全体の成す集合であり、このような埋め込みが与えられているという観点によって、補集合の点は無限遠点を表している。無限遠点の全体は KP2 における直線を成す(つまり、この直線は K 3 における平面 { k ( 0 , 0 , 1 ) + l ( 0 , 1 , 0 ) : k , l ∈ K } {\displaystyle \{k(0,0,1)+l(0,1,0):k,l\in K\}}

から生じる)。直観的には、無限遠点というのは平行線の交わる所としての「余分な」点であり、点 (0, x 1, x 2) というのは傾きが x 2/x 1 であるような直線すべての交点に対応する。例えば、通常の平面 K 2 における二直線 a = { ( x 1 , 0 ) : x 1 ∈ K } , b = { ( x 1 , 1 ) : x 1 ∈ K } {\displaystyle {\begin{aligned}a&=\{(x_{1},0):x_{1}\in K\},\\b&=\{(x_{1},1):x_{1}\in K\}\end{aligned}}}

を考えれば、これらの傾きはともに 0 であってこれらは交わらない。これらを先ほどの埋め込みによって KP2 の部分集合と見なせば、これらは KP2 における直線とはならないが、それぞれに点 (0, 1, 0) を加えた a ¯ = { ( 1 , x 1 , 0 ) : x 1 ∈ K } ∪ { ( 0 , 1 , 0 ) } b ¯ = { ( 1 , x 1 , 1 ) : x 1 ∈ K } ∪ { ( 0 , 1 , 0 ) } {\displaystyle {\begin{aligned}{\bar {a}}=\{(1,x_{1},0):x_{1}\in K\}\cup \{(0,1,0)\}\\{\bar {b}}=\{(1,x_{1},1):x_{1}\in K\}\cup \{(0,1,0)\}\end{aligned}}}

は KP2 における直線となる。a は K3 における平面 { k ( 1 , 0 , 0 ) + l ( 0 , 1 , 0 ) : k , l ∈ K } {\displaystyle \{k(1,0,0)+l(0,1,0):k,l\in K\}}

から生じ、b は平面 { k ( 1 , 0 , 1 ) + l ( 0 , 1 , 0 ) : k , l ∈ K } {\displaystyle \{k(1,0,1)+l(0,1,0):k,l\in K\}}

から生じる。これらの射影直線 a, b は点 (0, 1, 0) において交わる。実は、K 2 における傾き 0 の直線はすべて、この方法で射影化したとき、KP2 の点 (0, 1, 0) において交わる。

先ほど与えた平面 K 2 の射影平面 KP2 への埋め込みは一意ではなく、それぞれの埋め込みごとにその無限遠点となる点は変わってくる。例えば、埋め込み ( x 1 , x 2 ) ↦ ( x 2 , 1 , x 1 ) {\displaystyle (x_{1},x_{2})\mapsto (x_{2},1,x_{1})}


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