射出座席
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出典検索?: "射出座席" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2022年9月)
キャノピーを突き破ってマネキンを射出する試験の様子。F-15のキャノピー用に開発中のシーン

射出座席 (しゃしゅつざせき) は、軍用機から非常時に脱出 (ベイルアウト、英: bailout) するための装置。作動させると、搭乗者は座席ごとロケットモータなどによって機外へと射ち出され、パラシュートで降下する。主に戦闘機など小型の軍用機に装備されている。射出時には搭乗者には通常12G - 14G程度(1960年代から1970年代のソビエトの射出座席は20G - 22Gで人間の耐久限界を超えていた。)の加速度が掛かるため、訓練経験がないと脊椎損傷の危険がある。
歴史マーチンベーカー社の射出座席

航空機が開発された初期の頃から第二次世界大戦の頃までは、航空機の速度は比較的低速であり、脱出はそれほど困難ではなかった。そのため、射出座席はほとんど使用されず、脱出はパラシュートを搭乗前にあらかじめ装備しておき、脱出時は自力でコックピットから飛び降りる方式がほとんどであった[1]。しかし、このような脱出方法だとコックピットから飛び出した後に自機の尾翼にぶつかる可能性があり、実際にその様な事故が多発したため[2]、第二次大戦中のドイツの一部の航空機(He 219Do 335He 162など)には圧縮空気で打ち出すタイプの射出座席が装備されていた。世界初の射出座席搭載機は、ドイツのHe 280 V1である。

射出座席を本格的に実用化したのは、イギリスマーチンベーカー・エアクラフト社で、第二次大戦中から開発を行っていた。マーチンベーカー社が開発をしていた射出座席は、ドイツが採用していた圧縮空気より力のある火薬式のものだった。マーチンベーカー社は現在でも射出座席の代表的メーカーのひとつである。

射出座席が一般的に使用されるようになったのは、航空機がレシプロ機からジェット機になり急激に高速化した第二次大戦後である。空気抵抗速度の2乗に比例するため、速度が2倍になった場合、体が受ける抵抗は4倍にもなる。そうなると機体から自力で脱出するのは非常に困難であるため、射出座席が装備されるようになった。
パイロットの安全性1970年7月2日に、A-4Eスカイホークがブレーキが故障でUSSシャングリラに着艦した後、A-4Eスカイホークから緊急脱出し、パイロットはヘリコプターで回収された[3]空母着陸に失敗した後、A-6イントルーダーから脱出するパイロット

射出座席の目的はパイロットの生還である。パイロットは通常、12G - 14G程の加速度を経験する。欧米の射出座席はパイロットにかかる負荷が軽い。1960年代から70年代のソビエトの射出座席技術は20G - 22Gもあった(SM-1およびKM-1砲身タイプの射出座席付き)。椎骨圧迫骨折の危険性がある。

超音速での放出は、早い段階で生存不可能であるとされていた。チンパンジーを被験者としたフーシュ計画(チェロキー (ロケット)(英語版))を含む広範なテストが実施され、実行可能であると判断された[4]

1993年7月24日のロイヤル・インターナショナル・エア・タトゥー(英語版)で、2機のMiG-29戦闘機が空中衝突後にパイロットが射出され、K-36 (射出座席)の能力が実証された[5]

反転飛行時のACES IIシートの最小射出高度は、150KIASで地上約140フィート (43 m)。ロシアのK-36DMは、100フィート (30 m) AGLの反転飛行からの最小射出高度を持っている。航空機には、NPP ズヴェズダK-36DM射出座席が装備されており、パイロットがКО-15保護具を着用している場合、時速0? 1,400キロメートル毎時 (870 mph) の対気速度および高度0?25 km (16 mi または 約82,000 ft)で射出可能。K-36DM射出座席は、ドラッグシュートと、パイロットの脚の間に上昇してパイロットの周りの空気を偏向させる小さなシールドを備えている[6]

パイロットは、水中への投棄を余儀なくされた後、水中からの脱出に成功した例は数えるほどしかない。アメリカ海軍とインド海軍[7]のパイロットがこの偉業を成し遂げたという証拠の文書が存在する[8][9]
構造一人用のいかだでサバイバル訓練を受けるF-35のパイロットB-58から射出座席を放出する地上でのテストB-58の脱出カプセル。シールドが可動する構造が見える

大きく分けて、座席を直接射出する方式と、与圧された操縦席全体を機体から切り離すモジュール式脱出装置の二種類がある。

座席をそのまま射出する方式は、機体を大きく改造する必要が無く運用コストも低いが、音速以上の速度や高高度では脱出が難しいため、音速機や高高度爆撃機などではモジュール式が採用されることがある。F-111B-1A(試作機)の様に、コックピットがそのまま脱出カプセルとなって着陸後の漂流に耐えるものや、風圧やキャノピーの破片から防護するシールドだけの簡易型などがある。

公式に音速以上での射出をサポートしている例として、ロシアSu-27MiG-31Tu-160などに装備されている、ズヴェズダ製のK-36Dが存在する。また、XB-70の脱出カプセルは、空中衝突事故で実際に使用されたことがある。

脱出後に救出されるまでの間に搭乗者が生存できるよう、射出座席には一人用の膨張式いかだ非常食、護身用拳銃、防水シールの施されたアルミケースに入ったサバイバルキット(マッチなど火熾し用具、釣り具、ワイヤー、応急手当用医薬品と絆創膏救難機が上空に来た際に信号を送る方位磁石、折り畳みナイフなど。ケースは方位磁石への影響を避けるために非鉄金属製である)、救出部隊との連絡用トランシーバーなどが同梱されている。冷戦時代にはこれらに加えて、アメリカ合衆国U-2偵察機パイロットのように、捕虜になった時に備えての自殺毒薬まで持たされていた例もある。モジュール式の場合は、さらに多く物品を積むことができるため、より長い時間救援を待つことができる。

パイロットは飛行機を操縦する前に、備品を使用したサバイバル技術を学ぶ訓練を受ける。

モジュール式脱出装置は、射出できる環境条件や生存性などで有利な点も多いが、重量や機構の複雑さから運用コストが大きい。また、音速以上の速度での脱出はほとんど起きないことも判明したため、2010年末に退役したオーストラリア空軍F-111Cを最後に、モジュール式の正式採用例はない。


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