対爆スーツ
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信頼性について検証が求められています。確認のための情報源が必要です。(2021年3月)


独自研究が含まれているおそれがあります。(2021年3月)


正確性に疑問が呈されています。(2007年3月)


対爆スーツを装着し爆発物解体訓練を行う処理班

対爆スーツ(たいばくスーツ、: Bomb Suit, Bomb Disposal Suit, Explosive Ordinance Disposal, EOD)は、爆発物などの爆風、破片などから身体を防護する為に開発された特殊作業服 である。主に軍隊警察の爆発物処理作業者が着用する。防爆スーツ(ぼうばくスーツ)ともいう。日本の自衛隊では防爆衣(ぼうばくい)、警察では防爆防護服(ぼうばくぼうごふく)と呼んでいる。日本では、警察自衛隊爆発物処理作業にあたる者が着用し任務に当たる。目次

1 概要

2 種別・重量

3 身体防護性能

4 着用・仕様

5 日本での使用

6 登場作品

7 関連項目

8 外部リンク

概要

一般人は全くといっていいほど着用する機会はない。工業的に爆発の危険性がある場合には対爆スーツを着用するのではなく、爆発そのものが起きないように安全管理を行うことが基本だからである。

有機化学の実験などで、爆発危険性の高い実験を行う場合などに着用する対爆スーツも存在する。しかし、近年ではそのような実験は隔離されたドラフトチャンバー内で行うのが通例である。そのため、対爆スーツはあまり必要とされていない。発破作業や火薬学における実験においても、人員が爆風にさらされないように安全管理することが基本事項である。ヘルメット以上の装備を使用することはどこの国でも普通は無い。

大変に高価な装備である。そのため、カンボジアなど発展途上国地雷処理関係者などは戦闘用ヘルメットボディアーマー程度の軽装で間に合わせていることも多い。

@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}近年では、テロ対策から民間需要が激増し、売り上げが急激に伸びている。カナダのガバメンツ社では二年間で販売件数が急激に伸び、MK5対爆スーツを販売するためにアメリカで2005年に合資会社として製造メーカーから独立したフォースウエア社が立ち上げられている。加えて、安価な中国企業の製品が数多く出回っている。これは空港会社や警備会社などいままで必要としていなかった民間企業からの需要が激増したためである。実際問題として民間企業で有効活用できるのかどうか疑問はあるが、社会的な不安から御守り程度の意味合いで購入する企業が増えているためとも思われる。また、重役などが自衛のために会社に置いているとも言われている[独自研究?]。
種別・重量

アメリカ軍では2000年頃から従来のMK4をMK5へ更新しており、現在ではMK5が使用されている。

MK5の場合は最大装備で44.7kgの重量がある。

ヘルメット4.7kg

スーツ本体25kg

プレート15kg


V-50では合計31.4kg

クラスIIIAの防御力を持ち、555 m/s ? 630 m/sの爆風から保護することが出来る。換気用装置を持ちバッテリーは連続5時間の動作が可能である。

ヘルメット 3.6 kg

上半身 12.8 kg

下半身 15.0 kg


身体防護性能

基本的に装着者を爆傷から守ることを主眼において設計されている。頭部と胸部を守ることに重点を置いた構造であり、実際に爆発に晒されれば無傷というわけにはいかない。一般的に、爆発物解体作業を行う場合には指先を拘束するような分厚い手袋を着用できないため、手首から先がそのまま露出していることが普通であるため指を失うことになりやすい。

現実に防御できるのは555 m/s ? 630 m/sの爆風であり、4?5kgf/cm2ぐらいまでの入射爆風の圧力までである。20kgf/cm2を超える爆風に晒されれば死亡する確率が高い。100g以下のトリニトロトルエンぐらいなら10フィート(約3メートル)の距離で爆発しても命は助かる事がMIL規格NIJ規格で定められている。爆薬量が数十キロを超えるような爆発物に対しては気休め程度にしかならない。

人体が爆風に暴露した場合、まず最初に負傷するのがである。そのため、部は完全な気密構造になっており、呼吸するための空気はフィルターを通した換気装置で供給される。スーツにはこの換気装置のためのバッテリーが内蔵されており、5時間程度の連続動作が可能である。これは呼吸穴から衝撃波が進入しないようにするための処置である。また、爆薬が爆発すると大量の一酸化炭素一酸化窒素が発生するため、中毒しないための措置でもある。

次に損傷を受けるのは表皮と肺などの内臓であり、臓器が損傷して出血しないようにすることに重点を置いている。手足に関しては、ある程度までなら裂傷を起こさない程度には防護されている。

全体がクラスIII、頭部と胴体がクラスIIIA+の防弾性能を持ち爆弾の破片から身体を保護することが出来る。

耐火性は多少考慮されているものの、耐火服などに比べ明らかに劣る。そもそも、爆薬が爆発しても熱破壊はほとんど起きないため、爆弾相手に耐熱性はあまり意味を持たない。ガソリンなどの爆燃が予想される場合は対爆服よりも耐火服を使用すべきである。

全体に防水処理が施されている、これはケブラーは水に濡れると防御力が低下するためである。そのため通気性が非常に悪く、中東や南米などで活動する場合には下に冷却スーツを着用するようになっている。
着用・仕様

体全体を覆わない構造の防弾チョッキとは違い、また目的が危険物処理なので、当然ながら身体全部を覆う強力な防護構造となっている。つま先から頭部まで身体全てを覆う形で顔面部は耐熱・耐圧・耐風仕様のヘルメット型の覆いを被せ、爆音に耐えられるよう、防音壁で顔面頭部を覆ってある。さらに爆弾最前線で処理にあたる者には楯で防護し、爆発の衝撃を分散させて衝撃が一点集中しない工夫がなされる。身体に受けるダメージは無着用の場合と比較して100分の1以下まで軽減され、万が一、爆発物処理に失敗し至近距離数メートルで爆発が起こったとしても命だけは助かる。

ヘルメットには無線機が標準装備され、カメラや照明などを取り付けるためのコネクタと電源装置が付いている。
日本での使用

日本では警察において爆発物処理にあたる者が着用する。警察においては爆発物処理班が使用しているものが有名。実は爆弾関連の事件というのは意外に多く、処理する機会は頻繁にある。通常は爆発するおそれがあるので、液体窒素などで冷却や冷凍をして起爆装置を冬眠状態にして安全な場所に運んだ上で爆発させて処理させるので、爆破前に爆弾自体を手作業で解体することは最終手段である。しかし場合によってはその方法でしか処理不能の場合もあり、その際、万が一処理に失敗した場合を考え必ず着用した上で処理作業にあたらなければならないと規定されている。

陸上自衛隊不発弾処理隊および後方支援部隊が防爆衣1形および防爆衣2形を使用している。
登場作品
コール オブ デューティー モダン・ウォーフェアシリーズ
アメリカで有名なテレビゲーム。対爆スーツを装備した『ジャガーノート』という敵キャラクターが登場する。従来の用途通り爆弾による攻撃に耐え、多数の銃弾をも防ぐ装甲車並みの耐久力を持つ装備として描かれる。
メタルギアソリッド2
コナミの家庭用ゲーム。爆発物のスペシャリストで対爆スーツを着ている『ファットマン』という敵キャラクターが登場する。ただし、彼はメットを装備せず頭は露出している。
PAYDAY: The Heist』『PAYDAY 2
強盗となって様々なJobを遂行する協力型FPS。改造された対爆スーツと強力な銃火器を装備し、多数の銃弾や爆弾による攻撃を体に受けてもなかなか倒れない耐久力と、ショットガンやマシンガン、ミニガンなどによる強力な攻撃でプレイヤーを全滅させることもあるボス的存在の『Bulldozer(ブルドーザー)』という敵隊員が登場する。
関連項目

ボディアーマー

ハート・ロッカー

外部リンク

中国製対爆スーツのカタログ


更新日時:2021年3月23日(火)01:11
取得日時:2021/09/07 19:51


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