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雲形(うんけい)とは、雲をその形状により分類したものである。雲級(うんきゅう)ともいう。
世界気象機関発行の『国際雲図帳』では雲をその大まかな形から10の「類」に分類しており、これを十種雲形(十種雲級)と呼ぶ。それぞれの類は、形の特徴や雲塊の組成などからさらに「種」に分類される。また、雲塊の配列、雲の透明度による細分類は「変種」と呼ばれる。さらに、部分的な特徴や、付随する雲がある場合には「副変種」として記される。また、地形などによって発生する雲は、十種雲形には含まれていない。
分類の適用や排他性(重複分類の有無)は以下の通り。 国際雲図帳2017年版による分類表 (一部日本語訳未確定のものは英文で記載)[注 1][7][8]基本形種変種部分的に特徴のある雲(副変種)付随して現れる雲(副変種) 「巻」――空の高いところにできる雲。 「高」――中層にできる雲。 「層」――のっぺり平らにひろがる雲。 「積」――もこもこしていて、空高くのびてゆく雲。 「乱」――雨を降らせる雲[9]。
絶えず変化し無数の形がある雲を、観測される典型的な形により分類したものが類・種・変種の体系。典型から典型へと変化する途中の中間的な雲はよく観察されるが、分類体系と大きく異なるわけではなくすぐに形を変えてしまうため、特に明記していない。非典型的なものを除いて、ほとんどの雲は類(十種雲形)に分類できる[1][2]。
それぞれの類の雲は、ほとんどがいずれかの種に分類できる。基本的にひとつの種に分類する。ただし、2種以上に重複して分類する場合もある。また、どの種にも分類できないものもあって、その場合は種を示さない(類のみで表す)[2][3]。
種に重ねて、変種の分類が適用できる場合がある。一部を除き2変種以上に重複して分類できる場合がある。すべての雲がいずれかの変種に該当するわけではない[4]。
副変種は、一部の雲に現れることがある特徴や付随する雲を分類したもの[5][6]。
類・種・変種の体系とは別に、特殊な起源の雲Special clouds、成層圏以上の雲Upper atmospheric cloudsの分類も示されている[1]。
雲形分類表
上層雲巻雲
(Ci)毛状雲
鉤状雲
濃密雲
塔状雲
房状雲もつれ雲
放射状雲
肋骨雲
二重雲乳房雲
fluctus[訳 1]―
巻積雲
(Cc)層状雲
レンズ雲
塔状雲
房状雲波状雲
蜂の巣状雲尾流雲
乳房雲
cavum[訳 2]―
巻層雲
(Cs)毛状雲
霧状雲二重雲
波状雲――
中層雲高積雲
(Ac)層状雲
レンズ雲
塔状雲
房状雲
volutus[訳 3]半透明雲
隙間雲
不透明雲
二重雲
波状雲
放射状雲
蜂の巣状雲尾流雲
乳房雲
cavum[訳 2]
fluctus[訳 1]
asperitas[訳 4]―
高層雲
(As)―半透明雲
不透明雲
二重雲
波状雲
放射状雲尾流雲
降水雲
乳房雲ちぎれ雲
乱層雲
(Ns)――降水雲
尾流雲ちぎれ雲
下層雲層積雲
(Sc)層状雲
レンズ雲
塔状雲
房状雲
volutus[訳 3]半透明雲
隙間雲
不透明雲
二重雲
波状雲
放射状雲
蜂の巣状雲尾流雲
乳房雲
降水雲
fluctus[訳 1]
asperitas[訳 4]
cavum[訳 2]―
層雲
(St)霧状雲
断片雲不透明雲
半透明雲
波状雲降水雲
fluctus[訳 1]―
積雲
(Cu)扁平雲
並雲
雄大雲
断片雲放射状雲尾流雲
降水雲
アーチ雲
fluctus[訳 1]
漏斗雲頭巾雲
ベール雲
ちぎれ雲
積乱雲
(Cb)無毛雲
多毛雲―降水雲
尾流雲
かなとこ雲
乳房雲
アーチ雲
murus[訳 5]
cauda[訳 6]
漏斗雲ちぎれ雲
頭巾雲
ベール雲
flumen[訳 7]
10基本形の分布高度の目安
種の分類
毛状雲
毛状雲(fibratus、略号:fib.)は、細い筋状の雲の中で、先端がまっすぐなものをいう。巻雲、巻層雲に現れる。
鉤状雲
鉤状雲(uncinus、略号:unc.)は、細い筋状の雲の中で、先端が釣り針状に曲がっているものをいう。巻雲に現れる。
房状雲
房状雲(floccus、略号:flo.)は、巻雲・巻積雲・高積雲・層積雲に現れる種で、巻雲では雲の先が丸くなっているもの、巻積雲・高積雲では雲片が丸いものをいう[10]。
濃密雲
濃密雲(spissatus、略号:spi.)は、厚く濃密な巻雲のこと。
塔状雲
塔状雲(castellanus、略号:cas.)は、上方へ塔のように伸びた雲をいう。巻雲、巻積雲、高積雲、層積雲に現れる。上昇気流が生じていることを示す雲種で、雨の前触れであることが多い。
層状雲
層状雲(stratiformis、略号:str.)は、空の大部分を層状に覆う雲をいう。巻積雲、高積雲、層積雲に現れる。
レンズ雲
レンズ雲(左上の雲)レンズ雲(lenticularis、略号:len.)は、輪郭がレンズ型にはっきりしている雲をいう。巻積雲、層積雲に現れる。山の近くや風の影響でできる雲で、風が吹きはじめる前兆であることも多い。シェイクスピアは「定まらないような雲、それは風に吹かれ飛雲増大する」と評している。
霧状雲
霧状雲(nebulosus、略号:neb.)は、霧のようにかすんでいて輪郭の定まらない雲をいう。巻層雲、層雲に現れる。