審判員_(サッカー)
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主審(中央:マテウ・ラオス)と副審(左:ロベルト・ディーアス、右:パウ・セルブリアン)

サッカーにおける審判員(しんぱんいん)は、サッカー競技の審判を行う者である。
概要

通常のゲームにおいては主審1人、副審2人で行われることが多い。これ以外に競技会規定に基づいて任命される第4の審判員、追加副審、ビデオ審判員を配置する場合がある。
主審
笛を吹く主審(マラン・ディエディウ)競技規則を施行し、競技規則の範囲におけるすべての権限を有する。ルールの原文である英語表記ではReferee (レフェリー)となる。フィールド内を原則的には仮想対角線上付近を移動する。8人制サッカー競技では、主審のみで行われる場合もある。(ただし交代要員兼記録員の予備審判員は設定可能)。
副審(AR)
フィールドのタッチライン外側(主審が原則的には移動しない側の仮想対角)半分(ゴールラインからハーフウェーライン)のサイドに各1名配置され、主審を援助する。ルールの原文である英語表記ではAssistant referee(アシスタント・レフェリー)となる。8人制サッカー競技では、副審は置かれない事もある。かつては線審と呼ばれ[1]、現在でも正式名称以外では線審の呼称が用いられる場合もあり、こちらの方が未だ一般的な国も多い。
第4の審判員
選手交代の手続きを管理しボードを掲げたりアディショナルタイムをボードで掲げる。ルールの原文である英語表記ではFourth official(フォース・オフィシャル)となる。または3名の審判(主審1、副審2)が職務続行不可能な場合にその代わりを務める。このうち第4の審判員がどの役割を務めるかは事前の協議、大会規則に依る。
第5の審判員
ワールドカップ・ドイツ大会の大会規則で採用されたが、現在まで競技規則には正式な審判員として盛り込まれていない。同大会では、第4の審判員を補佐するほか、副審が職務続行不可能な場合にその代わりを務めるとされた。ルールの原文である英語表記ではFifth official(フィフス・オフィシャル)となる。現在の競技規則では職務を続行することができなくなった副審または第4の審判員と交代するためのリザーブ副審が規定されている。
追加副審(AAR)
ゴールラインを見る追加副審現行の2名体制で進行する以外に大会によっては副審4人制(または審判5人制、または審判6人制という)を導入していることがある。2012年7月5日にスイスチューリッヒのFIFA本部で行われたサッカーのルールを決める唯一の機関である国際サッカー評議会(IFAB)特別会議で、世界で初めてゴール機械判定技術(ゴールライン・テクノロジー。略称GLT)採用が決定されたが(GLTは設置費用だけでも1600万程度?2548万円程度の費用が必要であり、その費用は大会主催者が負担することになる為、GLTを採用するかどうかは大会主催者が決定する)、同時に、2011-12シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ及びUEFAヨーロッパリーグ2012年欧州選手権で試験導入されたゴール脇に1人ずつ置く追加審判採用も決定した[2]。追加審判に関しては、2013/2014年版サッカー競技規則から記載される[3]。詳細は「ビデオ判定#サッカー」を参照タッチライン外側でジャッジする従来の副審2名と違い、追加審判は両ゴール裏に配置されペナルティエリアでの反則を重点的にジャッジする。以前から世代別の大会では試験的に導入していたこともあるが、2009年に新たに始まったUEFAヨーロッパリーグ(旧・UEFAカップ)で初めて年代を問わない大会で導入された。一部ではGoal Referee(ゴール・レフェリー)と呼ばれ、各国のサッカーファンの間でGoalferee(s)(ゴルフェリー)という俗称がある。「追加副審」のルールの原文である英語表記ではAdditional Assistant Referee(アディッショナル・アシスタント・レフェリー)となる。
ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)
試合をチェックするビデオ・アシスタント・レフェリー詳細は「ビデオ・アシスタント・レフェリー」を参照2018年3月にIFABによって正式なルール導入が認められた。必要な訓練を受けたトップレベルの(元)主審だけが務めることができ、得点の有無(ラインを割っていたか否かのみではなく、それまでの一連のプレーも対象)、ペナルティーキックの有無、一発レッドカードに相当する行為かどうか(2度目の警告を含めたイエローカード相当の行為は対象外)、間違った選手に対しての退場処分、警告処分であったかどうか、をビデオ判定を行い、「確実かつ明白な誤審」もしくは「重大な見逃し」の疑いがある場合にのみ主審にそれを助言する。判定を決定するのは主審でありVARに決定権はない。ビデオ・アシスタント、ビデオ審判、ビデオ副審とも呼ばれる。
ルール上の規定

国際サッカー評議会(IFAB)が定めたサッカーのルールである「サッカー競技規則」(Laws of the Game)では第5条に「主審」の、第6条に「その他の審判員」の規定がある。「その他の審判員」のうち、リザーブ副審を除く「フィールドにいる審判員」は全ての判定において等しく主審に助言することができ、ビデオ・アシスタント・レフェリーは助言できる状況が4つに制限されている。
主審アドバンテージを指示する主審(マーク・ガイガー

競技規則を施行。

その他の審判員と協力して試合をコントロールする。

試合で使用する全てのボールがその規定を満たしている事を確認する。

競技者の用具がその規定に合致している事を確認する。

タイムキーパーを務め試合の記録をとる。

競技規則のあらゆる違反に対して、主審の判断により試合を停止、中断、打ち切る権限を持つ。

外部から妨害があった場合、主審の判断により試合を停止、中断、打ち切る権限を持つ。

競技者が負傷した際に、これを重傷と判断した場合は、試合を停止して競技者をフィールドの外に退出させる。負傷した競技者はプレーが再開された後に試合に復帰できる。

競技者が負傷した場合に、これを軽症と判断した場合は、プレーを継続させる。

出血した競技者をフィールドから離れさせる。出血した競技者は、止血が主審に確認された後、主審の合図で試合に復帰できる。

アドバンテージを適用する。


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