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やノートページでの議論にご協力ください。寒冬(かんとう)とは平年(1991 - 2020年の平均)に比べて気温の低い冬のことである。気象庁による3階級表現で12 - 2月の平均気温が「低い」に該当した場合の冬をいう(階級表現に関しては外部リンクも参照のこと)。厳冬(げんとう)とも呼ばれる。
なお平年値は10年ごと(西暦で1の位が1の年)に更新されるため、階級表現も更新される。そのため、当時の平年値では「並冬」であった冬が更新された平年値では「寒冬」となる場合もある。また、逆に「暖冬」が「並冬」または「寒冬」となる場合もありえる。2021年5月19日から使用されている新平年値は1991 - 2020年の平均となる。近年(1990年代以降)での全国的な寒冬は特に2月を中心に異常低温となった2012年(奄美沖縄を除く)や2018年、2022年など。史上最低の気温の低さとなった冬は1944 - 1945年。 日本では偏西風の蛇行や北極振動が負になって寒気が流れ込みやすい時に寒冬になるとされ、寒冬年は豪雪を伴うこともある。日本では、戦前において寒冬傾向が顕著であった(ただし、暖冬の年がないわけではない)。戦後においては比較的暖冬の年が多かった1948 - 1960年の間を除いては1986年頃まで寒冬となる年が多く、2年以上連続で寒冬になることも少なくなかった。しかし、1987年以降は暖冬傾向が顕著となっており、寒冬年は減少している。特に1990年代は当時の平年値(1961 - 1990年)で1996年を除き一貫して暖冬であった(ただし、現在は平年値が上昇したため、1994年や1995年は平年並みになっている)。2000年代に入ると北日本を中心に並冬や寒冬となる年もみられるようになり、特に北海道では2001年に顕著な寒冬となったものの全体的には暖冬傾向が続いている。しかし、2010年以降は暖冬傾向が弱まっていると見受けられ、同年以降に記録的な高温が続出している夏や秋とは対照的になっている。1987年以降の日本の暖冬傾向の原因として都市化や地球温暖化、地球規模の気候変動が関連すると考えられているが北極振動や太陽活動、大気潮汐などの関連性も指摘されている。またラニーニャ現象の発生年は日本列島では寒冬になりやすい傾向にあり1962 - 1963年や1973 - 1974年、1983 - 1984年、1996年、2005 - 2006年、2012 - 2014年、2021 - 2022年などはその代表例である。ただし、1976 - 1977年などエルニーニョ現象の発生年でも寒冬になることもあり、因果関係ははっきり解明されていない。 戦後においては日本列島全体が寒冬となることは少なく北冷西暖
寒冬の原因
また寒冬年は寒気の強さを反映して春も寒春傾向になりやすく新緑や桜の開花などが遅れることが多い。但し1949年、1993年、2010年など記録的な暖冬の年でも寒春になったこともあれば、1961年、1967年、1982年、1985年、2001年、2003年、2006年、2022年のように寒冬年でも暖春になったこともあるので、必ずしも冬の気温が春に直結するとは限らなく、2007年などを筆頭にむしろ大暖冬の年は並春や寒春になりやすい場合がある。寒冬といっても平均気温で扱っているため、毎回極端な最低気温が観測されるとは限らない。
近年の寒冬多発により、2000年代より平年値において冬季の平年値は暖冬だった2006 - 2007年、および2009年 - 2010年、2019 - 2020年を除き多くの地域で軒並み下降している。これによって、以前は寒冬とされていた冬が平年並みになったり、平年並みとされていた冬が寒冬として扱われることも決して少なくない。 地域平均気温の平年差が低い(1991 - 2020年の平年値による) 地域平均気温の平年差がかなり低い(1991 - 2020年の平年値による) 戦後直後の1950年代 - 1960年代で規模が大きい日本の寒冬は1953年、1957年、1967年、1968年など。1970年代に突入すると寒冷化(地球寒冷化)が進み、以前の20年間よりも気温が低い冬を多く出した結果となった。1970年代 - 1980年代は寒冬がとても多く、規模がかなり大きい寒冬は1970年、1974年、1975年、1977年、1981年、1984年、1986年と、1950年代 - 1960年代に比べてかなり多くなっている。現在の基準で、全国平均が平年以下(平年差が0.0°Cを下回る)となった寒冬は1970年、1971年、1974年、1975年、1976年(2月は除く)、1977年、1978年(前年12月は除く)、1980年(前年12月は除く)、1981年(北日本を除く)、1982年、1983年、1984年、1985年、1986年など、ほとんどが寒冬で、日本戦後有数の大寒冬も、多くが1970年代 - 1980年代である。
気象庁における基準
寒冬
北日本 -0.3°C以下
東日本 -0.4°C以下
西日本 -0.4°C以下
沖縄・奄美 -0.4°C以下
大寒冬
北日本 -1.2°C以下
東日本 -1.1°C以下
西日本 -1.0°C以下
沖縄・奄美 -0.8°C以下
社会への影響
過去の寒冬年は日本海側や内陸部を中心に豪雪による被害が発生することが多い。記録的な寒冬となった1962 - 1963年、1980 - 1981年、1983 - 1984年、1985 - 1986年、2005 - 2006年、2011 - 2012年、2012 - 2013年、2021 - 2022年の冬、1990年1月、1998年1月、2000年2月、2002年12月、2008年2月、2011年1月、2014年2月、2014年12月、2016年1月、2020年12月 - 2021年1月、2022年2月、2022年12月 - 2023年1月は豪雪災害が発生しており雪による人的・物的被害が増える傾向がある。近年では高齢化により、70歳以上の高齢者が巻き込まれる事故が増えている(例として平成18年豪雪の死者の大半が70歳以上の高齢者がほとんど)。
スキー場に関しては降雪量が増えることで営業にプラスになる一方、同時に雪崩などの危険も増すため営業中止となるところもある。
-4°C以下の極低温による水道管の凍結、破損が発生する恐れが高まる。
冬物衣料品の売り上げが好調となったり暖房の需要拡大により電力、灯油などの需要が増加するなどの経済効果がある。しかし豪雪地帯では雪の除雪費用、および暖房光熱費が増加し、財政の厳しい自治体では財政が圧迫されるなどの影響が出る。
春の訪れが遅れて、桜の開花や満開が遅くなる傾向がある(特に寒冬に続いて寒春になる場合、1970年・1984年・1996年・2011年・2012年などが該当する)。
近年の冬
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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