家政婦は見た!
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この項目では、市原悦子主演のテレビドラマについて説明しています。

米倉涼子主演のテレビドラマについては「ドラマスペシャル 家政婦は見た!」をご覧ください。

松嶋菜々子主演の水曜ドラマについては「家政婦のミタ」をご覧ください。

松岡昌宏主演の金曜ナイトドラマについては「家政夫のミタゾノ」をご覧ください。

家政婦は見た!
ジャンルテレビドラマ
原作松本清張
出演者市原悦子
野村昭子
製作
制作テレビ朝日
大映テレビ

放送
音声形式ステレオ放送
放送国・地域 日本

第1作 - 第26作
(土曜ワイド劇場)
プロデューサー関拓也(テレビ朝日)
塙淳一(テレビ朝日)
柳田博美(大映テレビ)
塙太志(大映テレビ)
木村康信(大映テレビ)
オープニング歴代オープニングを参照
エンディング歴代エンディングテーマを参照
放送期間1983年7月2日 - 2008年7月12日
放送時間放送時間の変遷を参照
放送枠土曜ワイド劇場
回数26

連続ドラマ
(木曜ドラマ)
プロデューサー塙淳一(テレビ朝日)
三輪祐見子(テレビ朝日)
柳田博美(大映テレビ)
中間正成(大映テレビ)
放送期間1997年10月9日 - 12月25日
放送時間木曜 21:00 - 21:54
放送枠木曜ドラマ
放送分54分
回数11
BS朝日
特記事項:
【連続ドラマ版】第1話と最終話は30分拡大(21:00 - 22:24)。
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『家政婦は見た!』(かせいふはみた)は、1983年から2008年までテレビ朝日系「土曜ワイド劇場」で放送されたテレビドラマシリーズである。全26回。大映テレビ制作。主演は市原悦子

1997年10月9日から12月25日には、全12話(特別編を含む)の連続ドラマ版が放送された。
概要

市原悦子演じる石崎秋子が「大沢家政婦紹介所」の家政婦として上流階級の華やかな暮らしぶりの家庭に派遣され、そこで繰り広げられる陰謀・騒動・醜聞を覗き見し、最後に自分が見聞した事柄を家族全員が集まる席で洗いざらいぶちまけて去っていくというのがおおまかなストーリーである。

秋子は刑事でも探偵でもなく市井の家政婦にすぎないことから、制作陣は「ドラマの形を借りた社会派ドキュメント」として差別化を図り、大映テレビ社員の集めた膨大な資料を元にして脚本が執筆された[1]。この結果、秋子が派遣される先の一家は放映当時の時事ネタ・スキャンダルをモデルにし、当時の世相に対する風刺とすることもあった[注 1]。脚本担当の柴英三郎は本作を「解決のないドラマ」であると述べ、「家政婦は暴くだけなんです。暴かれた相手は翌日からまた不敵な顔をして、元と同じ生活を送る。タイトルの通り、見るドラマで、裁くドラマではない」と語った[1]。プロデューサーの柳田博美は本作を「家政婦がリポーターを務めるワイドショー」と位置づけている[2]。こうした製作姿勢もあって、ミステリー作品の多い『土曜ワイド劇場』の放送作品でありながら、作中で殺人事件が起きることはない[注 2]

1984年放送の第2作は『土曜ワイド劇場』の歴代最高視聴率である30.9%を記録し、同枠の終了までに破られることはなかった[1]。1988年には、一連のシリーズが評価され、第25回ギャラクシー賞・25周年特別賞・ユーモア賞を受賞している[3]

ドラマの最後では、秋子が派遣先の暗部をぶちまけて契約を打ち切った後、自らも家政婦の領分を超えて派遣先に踏み入りすぎた報いを受け(病気や打撲などの負傷が多い)、次の派遣先の門前で「ごめんくださいませー」と叫ぶ(=次作への簡単な予告になっている)という一連の演出が恒例となっている[2]。ただし、連続ドラマ版では全編を通して報いと次の派遣先に行くシーンは描かれていない。
関連作品
松本清張の熱い空気(1983年版)「熱い空気」も参照

元々本シリーズは、松本清張の小説『熱い空気』を原作として、1983年7月2日に放映された『松本清張の熱い空気 家政婦は見た! 夫婦の秘密「焦げた」』(以降「第1作」と記述)をシリーズ化したものである。この第1作が非常に好評を博したことから、制作陣は清張サイドに『熱い空気』の続編を打診したが、清張は関与を拒んだ[1][4][注 3]。このため、第2作以降は副題の「家政婦は見た!」のみを引き継ぎ、主人公の名を変更した上で柴英三郎のオリジナル脚本で制作されることになった[1]

清張が続編の製作を許可していたかについては、制作陣と清張サイドで主張に食い違いがある[2]。番組プロデューサーの塙淳一によると、清張は「後はオリジナルで好きなように作っていいよ」と快諾したという[1]。その一方で、清張サイドで映像化事業を担当していた林悦子は、続編の製作をこちらが明確に拒否したにもかかわらずテレビ局側が勝手に『家政婦は見た!』を製作したのだと主張している(清張サイドでも対応が話し合われたが、清張の意向で無視することに決めたという)[2]

第1作では主人公の名前は「河野信子(こうののぶこ)」、勤め先は「協栄家政婦紹介所」であった。信子は派遣された上流家庭でその欺瞞ぶりを観察するだけでなく、その欺瞞ぶりを積極的に他の家族に知らせたり、子どもに悪事をそそのかしたりして、最終的に自分が勤めていた家庭を崩壊に導く悪女として描かれており、石崎秋子とはキャラクター付けに大きな違いがある。さらに、原作『熱い空気』の信子は陰険で孤独な社会的弱者として描かれているが、1983年版の信子はどこか身近で憎めないキャラクターに改変されており、この時点で既にキャラクター付けの違いが発生している[2]。なお、第1作時点で信子が己の行為の報いを受け、その結果受けた傷を抱えながら次の派遣先へ向かうシーンで終わることなど、後にシリーズ化された際のストーリーの一連の流れの原型が既に出来上がっている。
連続ドラマ版

1997年10月9日から12月25日まで毎週木曜21:00 - 21:54(第1話・最終話は30分拡大の21:00 - 22:24)に、「木曜ドラマ」枠で全11話が放送された。

土曜ワイド劇場版とキャストが一部異なるほか、大沢家政婦紹介所の立地も土曜ワイド劇場版での2階建ての一軒家からマンションの一室へ変更された。ストーリーも土曜ワイド劇場版のような上流階級の暴露話ではなく、秋子が人生経験の豊かな家政婦として一般家庭の問題を解決していくという筋書きに変わっている[2]

2009年から複数回BS朝日で再放送が行われたが、放送時間の制約から第1話・最終話は欠番となっていた。2019年3月1日からのBS朝日再放送では、これまで欠番扱いされていた第1話も放送枠を調整して放送された。最終話は欠番となった。
大沢家政婦紹介所ご一行様 石和温泉珍道中!

シリーズ開始20周年記念・第21作の番宣を兼ねた特番として、第21作の本放送当日である2003年2月22日にテレビ朝日系で放映された。「大沢家政婦紹介所の面々が石和温泉を観光する」という体裁を取った旅バラエティ番組で、市原・野村ら土曜ワイド劇場版のレギュラー出演陣の他、山田邦子都はるみがゲスト出演した[6][7][8][9]
家政婦は見た!Woooも見た!

日立製作所ハイビジョンテレビWoooの特設サイト「Wooo Special Site」のオリジナルコンテンツとして、2010年春から隔月で公開[10]。全3話。レギュラー出演者は土曜ワイド劇場版(第8作以降)と同じであり、坂田晃一によるテーマ曲も使用されている。
キャスト
大沢家政婦紹介所
石崎秋子(第1作『熱い空気』での名は河野信子)
演 -
市原悦子家政婦。1936年生まれ。千葉県九十九里浜出身。自分の子どもが事故で亡くなった後、夫が浮気をするようになり、離婚。日当5800円の家政婦で生計を立てるようになった。他人の家の秘密を覗く事が大好きで、その入れ込み方は、勤め先の家庭に出入りする怪しい人物を仕事を抜け出してまで尾行したり、勤め先の関係者を自費でこっそりと訪ね歩くほどである。この趣味は彼女が長年家政婦を続けている大きな理由の一つでもある[注 4]。離婚して以来長らく独り身で結婚はもうこりごりだと話す一方、「一人で生涯を終える気はない」とも語っており、実際に派遣先で出会った男性に度々恋をしている。しかし、紆余曲折の末すべて失恋に終わっており、結局シリーズ終了までに再婚することはなかった。『熱い空気』では河野信子という名前であり、「派遣先の家庭の幸福を壊すことが、三度の飯より好きな女」[11]という陰湿な人物として設定され、鼻持ちならない上流家庭の人々に反発し、その上辺だけの幸福を破壊していくことに快感を覚えていた(設定も夫の浮気が原因で離婚。母子家庭となり、その後子供を亡くしたということになっている)。しかしシリーズを重ねるにつれて、市原や柴の意向から正義感が強くなり、上流階級の欺瞞性や悪事に義憤を抱く・特に腹立たしい者には彼女流のやり方でお灸を据えるなど、庶民のヒーローのようなキャラクターへと変更されていった[2]演歌歌手の都はるみの大ファンで、ドラマの冒頭では必ず彼女のナンバーを口ずさむ他、三毛の野良猫を「はるみ(ちゃん)」と名づけて、猫嫌いのキヌヨに遠慮しながら飼っている[注 5]。第22作以降、家政婦として働く場面ではほぼ必ず眼鏡をかけるようになった。また、第25作では秋子そっくりの実業家・山口トミが登場した(市原の一人二役)。
大沢キヌヨ
演 -
野村昭子秋子が所属する大沢家政婦紹介所(第1作での名は「協栄家政婦紹介所」)[注 6]の所長。秋子たちからは「会長さん」と呼ばれている。この道30年 - 40年以上の大ベテランだが、現在はキヌヨ自身が働きに出ることはなく、所属する家政婦たちの日当の8% - 10%を手数料として徴収して生計を立てている。仕事に向かう秋子たちを、毎回「今日も元気で朗らかに!」と言って送り出すのが恒例である。秋子の良き理解者だが、大の猫嫌いのため、秋子の猫好きには閉口している。金に対して非常にがめつく、怪しい儲け話に乗って大損するなどよく金銭絡みのトラブルを起こし、それがきっかけで家政婦たちと大喧嘩することも少なくない(紹介所のお茶菓子も有料で煎餅は1枚50円、マッサージ料金は30分1000円。回によっては値段が違うこともある)。
倉田はつえ
演 - 石井富子(第1作 - 第7作)家政婦。
沢井とみ
演 - 野中マリ子(第1作・第4作 - 第7作)、緋多景子(第2作・第3作)家政婦。
村上しのぶ
演 - 西川ひかる[注 7](第1作 - 第7作)家政婦。
旗はたえ
演 - 今井和子(第8作 - 第26作)家政婦。
吉野よしの
演 - 山田スミ子(第8作 - 第26作)家政婦。
友田ともみ
演 - 白石まるみ[注 8][12](第8作 - 第26作)家政婦。シリーズ後期では、他の家政婦よりもストーリーの主軸に大きく関わって、秋子に次ぐ準主人公のような立ち回りをする回も見られた[注 9]
眞田さなえ
演 - 宮ア淑子(連続ドラマ)家政婦。
緑川みどり
演 - 松居直美(連続ドラマ)家政婦。
ゲスト

土曜ワイド劇場 / 連続ドラマ / 家政婦は見た!Woooも見た!
土曜ワイド劇場(1983年 - 2008年)
第1作「松本清張の熱い空気 家政婦は見た!夫婦の秘密“焦げた”」(1983年)


稲村春子(達也の妻) -
吉行和子

川原寿子(春子の妹) - 山口いづみ

川原則夫(寿子の夫) - 高岡健二[13]

大津(達也の弟子) - 中丸新将

稲村正一(稲村家の長男) - 佐野大輔

稲村健二郎(稲村家の次男) - 柴田一幸

稲村ツネ(達也の母) - 鈴木光枝

稲村達也(大学教授) - 柳生博

第2作「エリート家庭の浮気の秘密 みだれて…」(1984年)


門倉英明 (財務省主計官) - 高橋悦史

若松あかね (精神科医) - 金沢碧

田沢宏也 (壮之助の秘書) - 中島久之

門倉千代 (英明の母) - 荒木道子

門倉光彦 (英明の息子) - 蔵下輝美

門倉真紀 (英明の娘) - 磯崎亜紀子

警官 - 岡部正純

野村壮之助 (代議士・道子の父) - 山形勲

門倉道子 (英明の妻) - 梶芽衣子


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