家庭内暴力
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家庭内暴力(かていないぼうりょく)は、家庭内で起こる、家族に対する暴力的な行為や言動のことである。

広義には、夫、妻、子供、祖父、祖母など、家族間の暴力・暴言(また、そこからおこる物品・建造物の破壊・破損など)をさす[1]。狭義には、両親、まれには祖父母に向けられる、子供や孫からの暴力・危害・虐待・暴言・罵詈雑言(および家庭内の物品・建造物などの破壊・破損の行為)をいう[1]。広義の意味で用いるか、狭義の意味で用いるかは、文献によって異なっており安定しない[注釈 1]

警察が家庭内暴力に介入するときはその後の対処の都合もあり、児童に振るわれる暴力を「児童虐待」(児童を児童相談所を通じて保護施設に預けることになる)、配偶者間の暴力は「ドメスティックバイオレンス」(被害者支援団体を通じて保護施設へ誘導する)と使い分けている[2]目次

1 広義

2 狭義

3 脚注

3.1 注釈

3.2 出典


4 関連項目

5 外部リンク

広義

広義には、あくまで家庭内の暴力全般のことを指す(ドメスティックバイオレンス)。夫、妻、子供、祖父、祖母など、家族間の暴力・暴言(また、そこからおこる物品・建造物の破壊・破損など)を指す[1]
親の子に対する暴力、

夫婦間の暴力、

子の親(など)

に対する暴力などがある[3]

つまり、広義の家庭内暴力には、児童虐待も、夫婦間暴力も、親(や祖父母)に対する暴力も、いずれも含まれる。
狭義

日本語としては1970年前後に現れた用語である[4]。特に、20歳未満の子が同居する親などに対して継続的に振るう「逆向きの[注釈 2]」暴力[5][2]

青少年が反社会的行為として、家庭内のみならず家庭外で暴力を振るったり、物を破損する非行は、第二次世界大戦前からあった[1]。おとなしく従順にみえる子供が、突然、家族とくに親に暴力を振るう家庭内暴力は、日本では1960年(昭和35年)ころから顕著に現れてきた[1]

暴力の内容は、相手に怪我を負わせるものから、暴言を主とするもの、家具や家財を破壊するなどケースにより異なるものの[2]、家庭外では全く発揮されないという特徴がある[4]。暴力の背景は、社会に対する不適応感(挫折感)から来るストレス[2]、親からの過干渉に対する反発[6]、自立の試み[6]など様々であり、統合失調症のような精神障害が原因であることは少ない[2]

近年では警察で把握しているだけで約1200件(2009年)にのぼり、件数としては横ばいが続いていた[5][7]。しかし、2010年以降に急増し始め[8]、1181件(2009年)、1484件(2010年)、1470件(2011年)、1625件(2012年)、1806件(2013年)、2091件(2014年)、2531件(2015年)に達している。

家庭内暴力はドメスティックバイオレンスともども、密室で発生するため実態の把握が難しい[9]。相談先としては警察児童相談所教育機関などが挙げられ[2]精神障害を原因とする場合は児童精神科医が挙げられる[6]
脚注
注釈^ 『ブリタニカ国際大百科事典』では「夫婦間や親子間など,家庭内の親密な関係性にある人の間においてふるわれる暴力。」と広義の意味で説明し、『ニッポニカ』では、後者の意味(狭義)に用いられることが多い[1]、としている。
^ 親からの体罰児童虐待に対して「逆向き」という意味。

出典^ a b c d e f “家庭内暴力”. 日本大百科全書. 小学館. 2016年4月22日閲覧。
^ a b c d e f “家庭内暴力についての話”. 北海道警察. 2016年4月22日閲覧。
^ マイペディア[要ページ番号]
^ a b “かていないぼうりょく【家庭内暴力】”. 世界大百科事典 第2版. 平凡社. 2016年4月22日閲覧。
^ a b “家庭内暴力”. 朝日新聞掲載「キーワード」. 朝日新聞社. 2016年4月22日閲覧。
^ a b c “かていないぼうりょく”. 家庭医学館. 小学館. 2016年4月22日閲覧。
^ “ ⇒第4節 家庭と学校における非行”. 犯罪白書. 法務省 (2013年). 2016年4月22日閲覧。
^"平成27年中における少年の補導及び保護の概況"警察庁(2016年)2016年12月16日閲覧。
^ “家庭内暴力”. ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典. 2016年4月22日閲覧。

関連項目

ドメスティック・バイオレンス (DV)

機能不全家族

外部リンク

配偶者からの暴力被害者支援情報
- 内閣府 男女共同参画局

DV・児童虐待対策 - 政府広報オンライン

『家庭内暴力』 - コトバンク

『ドメスティック・バイオレンス』 - コトバンク










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