家庭の電化(かていのでんか)は、家庭用電気機械器具を導入することにより家事の省力化や、娯楽・快適性を高めること。本項にては日本家庭における電化について記述する。 以下は、国産品の発売年が分かるものについては発売年を参考に分けた。従って、普及率が高くなるのはもっと後である。 日本全国に電気が普及したのは、戦後である。例えば栃木県那須の農村集落に初めて電気が引かれたのは、1951年である[1]。戦後の1950年頃まで、日本の一般家庭に普及していた電気器具は、照明とラジオ、扇風機、アイロンくらいでそれ以外の電気製品はほとんどなく、この時点では欧米の先進国に大きく遅れをとっていた。その当時は、家事も手作業による事がほとんどであった。 家電製品は戦前から登場していたものの、本格的な普及は戦後となる。 1950年代中頃(昭和30年)以前は家庭電化製品と呼ばれていた。また、高度成長時代には、三種の神器と呼ばれた白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫はあこがれの的であった。 一般家庭に本格的に電気製品が普及し始めるのは、1960年代の高度経済成長期に入ってからである。この頃から、急速に電気製品が普及し始めた。高度成長に伴う所得の増加は、家電の普及率を高めた。また、家電の普及は、家庭での消費電力を増加させた。1966年に日本初の商業用原子力発電所が東海発電所で稼働する。1960年代後半には家具調テレビをはじめとした、木目調・花柄家電が流行した。 当時の日本の電機メーカーの高い技術力により、世界でも他に例を見ないほど機能が急速に充実していき、それらも家庭に普及し、日本は世界トップクラスの家電大国となった。 1973年に起こったオイルショックを機に、省エネルギー化が進む。また、技術進歩によりマイコンを組み込み電子制御された家電が登場する。
歴史
1960年以前
白熱電球(1890年、白熱舎(現:東芝)
電気あんか
電気アイロン(1915年、芝浦製作所(現:東芝))
扇風機(1916年、芝浦製作所(現:東芝))
ラジオ(1924年、芝浦製作所(現:東芝))
電気釜(1924年)
電気洗濯機(1930年、芝浦製作所(現:東芝))(後の三種の神器)
電気冷蔵庫(1930年、芝浦製作所(現:東芝))(後の三種の神器)
電気蓄音機 (1931年、日本ビクター)
電気掃除機(1931年、芝浦製作所(現:東芝))
電気ミシン(1931年)
電気毛布(1950年)
トースター(1950年)
ドライヤー(1950年)
テープレコーダー(1950年、東京通信工業、現在のソニー)
エア・コンディショナー(クーラー)(1935年、東洋キャリア、現在の東芝キヤリア)
白黒テレビ受像機(1953年、シャープ)(後の三種の神器)
トランジスタラジオ(1955年、東京通信工業)
電気炊飯器(自動式。1955年、東芝)
電気こたつ(1955年、東芝)
1960年代
インターホン(1960年、松下電器産業(現:パナソニック))
食器洗い機(1960年、松下電器産業)
トランジスタテレビ (携帯型テレビ)(1960年、ソニー)
カラーテレビ受像機(1960年、松下電器産業)
空気清浄機(1963年)
ラジカセ(1963年、日立製作所)
電卓(1964年、シャープ)
電子レンジ(1965年、松下電器産業)
プッシュホン(1969年、電電公社)
1970年代
省エネルギー家電
節電形蛍光灯
省エネルギーテレビ受像機
省エネルギー冷蔵庫
ワードプロセッサ(1973年、東芝)
家庭用ファクシミリ(1973年、松下電器産業)
ビデオテープレコーダ(1975年、ソニー)
家庭用ビデオカメラ(1976年、日立製作所)
全自動洗濯機(1977年、シャープ)
石油ファンヒーター (1978年、三菱電機)
パーソナルコンピュータ(1979年、日本電気)
電子辞書(1979年、シャープ)
ヘッドフォンステレオ(1979年、ソニー)
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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