家なき子_(アニメ)
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この項目では、日本テレビ系列で放送されていたテレビアニメについて説明しています。フジテレビ系列で放送されていたテレビアニメについては「家なき子レミ」をご覧ください。
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家なき子
ジャンル児童文学
アニメ
原作エクトール・マロー
総監督出崎統
脚本山崎晴哉伊東恒久、杉江慧子
音楽渡辺岳夫
製作東京ムービー新社
放送局日本テレビ系列
放送期間1977年10月2日 - 1978年10月1日
話数全51話
テンプレート - ノート
プロジェクトアニメ
ポータルアニメ

『家なき子』(いえなきこ)は、エクトール・アンリ・マロ[注釈 1]同名児童文学作品を原作にした、東京ムービー新社製作のテレビアニメである。1977年10月2日から1978年10月1日まで日本テレビおよびその系列局で放送された。
概要

日本テレビ開局25周年を記念した本作は、初の試みとなる立体映像「ステレオクローム方式」を用いた立体アニメーションとして制作された[1][注釈 2]。それ以前の立体映像では特殊なメガネをかけないと映像が不鮮明だったのだが、この方式はメガネがなくても普通に視聴することができ、メガネがあればより立体感のある映像[注釈 3]になる[1]。視神経の伝達誤差(プルフリッヒ効果)を利用したもので、立体感の感じ方には個人差がある[1]。この立体映像は、背景が常に動いていなければ効果が得られないため、その背景として異様なほど大量に流れる雲がそのほとんどを占めた。このような作法は、のちの3D映像3Dテレビ放送の先駆けとも言える。マーチャンダイジングはもちろん「立体メガネ」がメインアイテムとなった。日本テレビによると最低50万個の販売を見込んでいたようである。このため、1本当たりの制作費は「ゴールデンタイムの一時間番組」に相当した。

同じ原作を元に、2018年に制作されたフランス映画『家なき子 希望の歌声(フランス語版)』(日本公開は2020年)の監督を務めたアントワーヌ・ブロシエ(フランス語版)は、本作について「プロットだけじゃなく細部のアートディレクションまで、日本のアニメが最も原作に忠実な解釈をしている」と評している[2]
あらすじ

南フランスの農村シャバノン。捨て子だった少年レミは、怪我で出稼ぎから帰ってきた養父ジェロームにより、旅芸人ビタリスに売られてしまう。優しい養母と別れて哀しむレミだったが、ビタリスの深い人間性と仲間の動物たちとの絆によって成長していく。
登場人物
主要キャラクター
バルブラン家

フランス中央部の中央山塊の山間にあるシャバノン村に暮らす農家。夫妻とその子・レミの3人家族。
レミ・バルブラン
声 -
菅谷政子バルブラン家の子。優しい母の手により育てられた素直な少年だが、実は赤ん坊の頃にパリのブルトーニュ通りに置き去りにされていた捨て子であり、出稼ぎ中であったバルブラン家の夫・ジェロームに拾われ夫妻の子として育てられることとなった。それから8年の後、怪我により性格の荒んだジェロームによって捨て子であることを知らされ、旅芸人ビタリスに売られる。その後は一座の座員としてフランス中を旅することとなり、ビタリスの不慮の死の後は周囲の人々の力を借りながら座長として新一座を率いた。売られた当初はビタリスに対して畏怖の念を抱いていたが、一座で身に付けるべき芸や読み書き計算を教えられながら接して行くうちに、ビタリスの高潔な生き方に尊敬の念を持つようになる。実はイギリスの貴族・ミリガン家当主の第一子であり本名はリチャードという。家督ののっとりを狙う叔父により誘拐され悪人ドリスコルの手で捨てられたのであった。誘拐から11年後、ジェロームから知らされた両親の情報によりイギリスに渡るが、それはドリスコルの一味が張った罠であり身柄を拘束されてしまう。しかし一味の持つ情報から自身がミリガン家の者であるのを知ることとなり、一味がロンドン警視庁に逮捕された際に一味の仲間の嫌疑を掛けられるも護送中に逃走。多くの人々の助力により再びフランスに戻ると、所用のためスイスへ向かった実母・ミリガン夫人の後を追うこととなった。夫人らとの再会の後しばらくはミリガン家で暮らしていたが、親の庇護の元で暮らす日々に疑問を抱き、一座の仲間と共に3度目の旅に出る。それから10年の後、ミリガン家に戻ったレミは法律家となり、リーズ・アキャンを妻として迎えた。
バルブランママ
声 - 鈴木弘子バルブラン家の夫人でファーストネームは不明。レミの育ての母であり、赤ん坊だったレミを8歳まで実の子同様に愛情深く育て上げた。レミがミリガン家の子と分かった後は、母子の再会に力を尽くす。その後もシャバノン村で1人で暮らしていた[注釈 4]
ジェローム・バルブラン
声 - 青野武バルブラン家の夫。パリに出稼ぎに行っていた際、ブルトーニュ通りで捨て子(後のレミ)を拾い自らの家に引き取るなど元々は優しく穏やかな人物だったようだが、出稼ぎ仕事中の怪我で足に障害を負い、仕事を追われたうえ雇い主を相手とした裁判に負けたために生活が荒み、性格も短気でヒステリックなものに一変した。敗訴の後に帰宅した際にレミがいたことに激昂し孤児院へ引き渡そうとするが妻の反対にあって断念。しかし、その後にたまたま村に滞在していた旅芸人ビタリスに40フランで売り渡した。それから約3年後、レミの両親が我が子を探しているとの情報を知りビタリス一座を探して再びパリに出向くも、酒で体調を崩した末に街頭で馬車に撥ねられ腹に重傷を負う。その夜、ようやく再会したレミに「イギリスへ渡れ」と言い残し息を引き取った。
ルーセット
バルブラン家で飼われていた牝牛。バルブラン家の周辺には同年代の子供がいないレミにとっては単なる家畜ではなくかけがえのない友達であったが、ジェロームの裁判費用の捻出のため売られていく。
ルーセット(2代目)
旅の途中にシャバノン村に立ち寄ることを決めたレミが、マチヤの発案により旅芸で貯めた資金を元にユッセルの町で買い入れた上等の牝牛。後に仔牛を生んだ。
リーズ
2代目ルーセットが生んだ雌の仔牛。名前はリーズ・アキャンにちなんで付けられた。
セニョール・ビタリス一座

旅芸人ビタリスの率いる一座でフランス中を旅して回っている。レミが座員となるまではビタリス以外の座員はすべて動物であった。
セニョール・ビタリス
声 -
近藤洋介一座の座長を務める初老の男で “ビタリス” は芸名。新たな座員となった幼いレミに芸だけではなく読み書きや計算をも教えるなどして、厳しく温かく育て上げる。高潔で威厳のある人物で、その生き方は後のレミの生き方の指針となった。レミが座員となって2年目の冬、不測の事件により3匹の座員を失い興行の道が絶たれ、一座の再興資金を得るためパリで仕事を得ようとするが叶わず、パリ郊外のグラスイェール村近くで吹雪に迷い、真夜中に偶然たどり着いたアキャン家の前でレミを守るように凍死する。亡骸は身元不明の旅芸人として村の墓地に葬られたが、後に本名が墓碑銘に刻まれることとなった。その名はオペラ歌手カルロ・バルザーニであった。
カルロ・バルザーニ
かつて、イタリアのオペラ界において人々の尊敬を集めた世界的に高名なオペラ歌手。「王侯貴族でさえその身を自由にすることはできない」と謳われた人物である。体調不良のまま臨んだあるステージをしくじったことを深く恥じ、周囲の反対を押し切ってオペラ界を退いた。その後、人知れず旅芸人ビタリスとして苦難の旅に身を投じる。
ジョリクール
一座の座員のアフリカ生まれの小型の猿で、ビタリスの言によると人間で言えば25?26歳の青年。一座の芸を支える言わば花形である。軍服のような衣装を着ており、いくつかの芝居の主役を演じる。冬の雪山越えの最中にひいた風邪をこじらせて肺炎となるが、レミたちの心配を押し切って興行に参加。得意の出し物「将軍の死」を演じ切り、その終幕とともに死んでいった。
カピ
一座の座員の白毛の中型犬。聡明で一座の動物たちのリーダー格を務め、レミの親友でもある。また、興行にあっては「時間当て」を始めとする数々の芸をこなす。座員たちが次々と命を落とす中、最後までレミと旅をともにした。
ゼルビーノ
一座の座員の黒毛の中型犬。やや気性が荒く、気に入らないことがあるとビタリスにすら逆らおうとする。得意の芸は「玉乗り」。冬の雪山越え中に狼の罠にはまり、夜営した山小屋から誘き出されて命を落とした。
ドルチェ
一座の座員の白毛の小型犬。一座でただ一頭の雌の動物であり、出し物の芝居ではお姫様役などを担当する。ゼルビーノと伴に狼の罠にはまり命を落とした。
新ビタリス一座

アキャン家の離散後に再び旅芸の道に戻ったレミが結成した一座で、またの名を“レミ&カピ+マチヤ一座”[注釈 5]、略して“レミ一座”。当初の座員はレミとカピのみであったが、その後にマチヤが、次いで2代目ジョリクールが加わることとなる。
マチヤ
声 - 小原乃梨子レミがパリの街で出会ったバイオリン弾きの少年で、セカンドネームは不明。当初はレミと反目していたがやがて親友となった。元々はイタリア人であり、5歳の頃に母と死に別れたためパリの芸人の元締・ガロフォリ親方の下で大道芸人として働いていた。パリを旅立つレミと一度は別れたが後にガロフォリの下を出奔、再び出会ったレミの新ビタリス一座に加わった。レミがミリガン家に戻った後は自身もミリガン家の養子として迎えられるが、しだいに自分の置かれた立場に疑問を抱くようになり、再びレミたちと旅芸の道に戻る。音楽に関しては天性の才能を持ち、音楽家ジョルジュ・エスピナッスをして「君は音楽そのものだ」と言わしめた。中でもバイオリンの演奏は天才的にうまく、長じて「バイオリンのショパン」と謳われる高名な演奏家となった。
ジョリクール(2代目)
あるサーカス団に飼われていた猿。団員の言うことを一切聴かず厄介者扱いされていたが、なぜかレミたちを気に入り、サーカス団を脱走して勝手に一座に居ついてしまう。先代ジョリクールに瓜二つの容姿で芸もなかなか達者であったため2代目ジョリクールとして座員となった。得意の芸は、風船につかまって宙を漂う「空飛ぶジョリクール」。一座の中では誰よりも偉そうに振舞っているが、カピだけは苦手らしい。
ミリガン家


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