宮簀媛
[Wikipedia|▼Menu]

宮簀媛(みやずひめ、生没年不詳)は、古墳時代豪族尾張国造の女性。日本武尊の最後の配偶者であり、熱田神宮の創祀に関わる重要人物と伝えられるが子は無く、記紀ともに系譜には記されず、物語にのみ現れる。
概要

日本書紀』では宮簀媛、『古事記』では美夜受比売。

『日本書紀』によれば、日本武尊は東征の帰途、尾張へ入り尾張氏の娘宮簀媛を娶って滞在した。やがて近江国伊吹山に荒ぶる神がいると聞いて、草薙剣を媛の家に残し素手で退治に出かけた。しかし、山道で神が大蛇に化して出現したのを無視したところ、神は氷を降らせて尊を迷わした。このため尊は失神し、山下の泉でようやく正気を取り戻したが、病の身となっていた。そして尊は尾張へ戻るが、媛の家には寄らず、そのまま伊勢国に向かったという。『古事記』にも同様の話を記載するが、倭建命は比売の月の障りをおして交わったという。またその結婚は東国へ向かう途中に尾張を通った時に約束がしてあったとする。『尾張国風土記』逸文の熱田社由来および『熱田大神宮縁起』には、日本武尊が尾張らの遠祖である宮酢媛命を娶って宿泊した時、剣が神々しく光り輝いたため、宮酢媛命にその剣を奉斎することを命じ、そこで建てたのが熱田神宮であるとされる。
伝承

尾張国の地誌『尾張名所図会』によると、ヤマトタケルが東征で尾張の「布曝女町(及び松?社)」(又は曾福女町、そぶくめまち:江戸時代まで熱田神宮の八剣宮の南東に存在したとされる、松?社と呼ばれる神社とそこの町名の呼称)の場所を通りかかった時、美しい女性(宮簀媛)が1人で川辺で布を晒していた。その時ヤマトタケルと初めて出会い、声を掛けられ、氷上の里への道を聞かれたが、宮簀媛は耳が聞こえない振りをしたという。『名古屋市史』では「布曝女」の由来は宮簀媛が裁縫をした場所とし、江戸時代の高力猿猴庵の随筆では宮簀媛が布をさらした場所としている。また、尾張藩が完成させた地誌『尾張志』ではヤマトタケルの東征の最中、宮簀媛は門戸を閉じて、誰の声も聞かずに、ヤマトタケルの帰りを祈願したとも言われる。

奈良県天理市にある出雲建雄神社の縁起には祭神草薙剣荒魂)が 「吾は尾張氏の女(巫女)が祭る神である。云々」と託宣されており、これは宮簀媛の事である。

福岡県鞍手郡鞍手町中山にある八剣神社はヤマトタケルが熊襲討伐の西征の時、訪れた事がある、ゆかりの地でもある事から、ヤマトタケルの妃である宮簀媛も祀っている。
系譜

尾張国造乎止与命(オトヨ)の娘。父の乎止与命は天火明命(アメノホアカリ)または綿積豊玉彦命(ワタツミトヨタマヒコ)の子孫。建稲種命の妹。
脚注
関連項目

熱田神宮

天叢雲剣

氷上姉子神社

断夫山古墳

尾張戸神社










日本神話
開闢神話

天地開闢

国産み

神産み

神器発祥神話

誓約

天岩戸

八岐大蛇

出雲神話

因幡の白兎

大国主

国造り

国引き

国譲り

日向神話

天孫降臨

山幸彦と海幸彦

(神武東征)

その他

食物起源

中世日本紀



天神七代

三貴子

日向三代

地神五代


日本の神の一覧

神話上の土地

高天原

オノゴロ島

葦原中国

根の国

黄泉

常世

龍宮

神話上の武器

天沼矛

天逆鉾

天之尾羽張

天羽々斬

天叢雲剣

天之麻迦古弓

天羽々矢

神度剣

布都御魂

十束剣


神典

日本書紀

古事記

風土記

古語拾遺


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:9036 Bytes
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef