宮古湾(みやこわん)は岩手県中部の東側にある湾。目次
1 地勢
2 利用
2.1 水産業
2.2 レジャー
3 歴史
4 脚注
4.1 注釈
4.2 出典
5 参考文献
地勢 海域を定める岬の位置関係
宮古湾はリアス式海岸の三陸海岸に位置する海域の名称で、南西から北東に細長い湾となって太平洋と接続している[1]。
海域の定義は複数あり、環境省などでは南の重茂半島の先端にある閉伊崎と、北の姉ヶ崎を結ぶ線を湾口としており、湾口の幅は4.8km、面積は約24km2としている[2][3]。一方、『ブリタニカ国際大百科事典』などでは、閉伊崎と、姉ヶ崎よりも手前にある臼木山(臼木半島)の先端の館ヶ崎を結ぶ海域としており、この場合の湾口は約4kmである[4][5]。
湾の奥行きは約10kmあり、湾の最奥部で南から津軽石川が流入しているほか、湾の中央西側から閉伊川が注いでいる[5][6]。
湾内の水深は20mから60m[5]、環境省の定義による広い範囲を含めると最大水深約76mである[2]。海底は湾の奥部が砂になっているほかは泥質である[3]。
湾の西岸には宮古市の市街地が形成され、閉伊川の河口には宮古港がある[6]。その北側の臼木山(臼木半島)には「大沢海岸」によって囲われた小さな湾状の地形があり、浄土ヶ浜と呼ばれる景勝地(国の名勝)になっている[1][3]。湾の東岸は急峻な山地で、長さ12kmに及ぶ断層がみられる[6]。
利用 国の名勝になっている浄土ヶ浜
宮古市街地を流れる閉伊川が注いでいるが、水質は良好である。化学的酸素要求量(COD)は概ね1mg/lで推移し、海域A類型の環境基準値2mg/lをクリアしている[2][3]。 宮古湾の沖合はいわゆる潮目になっており、黒潮と親潮がぶつかる良好な漁場である。冷涼な気候のため、特に夏季は海霧が生じやすい[3]。河口付近で遠浅の砂地になっているのに対し、東の重茂半島側では急峻な岩場や岩礁が発達しており、湾内は多様な環境になっている[7]。また、北上山地を流れてくる閉伊川や津軽石川が上流から運んでくる栄養分によって海藻類や貝類が豊富で、養殖漁業にも適している[7][8]。 湾岸は藻場に富み、宮古港がある西岸の閉伊川河口付近はアマモ場[注 1]、東岸の岩崖にはガラモ場[注 2]が発達している[3]。 宮古港は特にサケの水揚げが多く[3]、本州内では1位(2013年)[10][11][注 3]。タラの水揚げも全国1位(2011年)[11]。養殖業としては、湾内でワカメ、コンブ、ノリ、ホタテ、カキなどの養殖が行われている[2][5]。アワビは水揚げ量では全国10位程度だが、卸売価格では全国2位(2011年)[11]。
水産業