実用英語技能検定
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実用英語技能検定
英名 The EIKEN Test in Practical English Proficiency

略称英検・英語検定・EIKEN・STEP
実施国 日本
資格種類民間資格[注 1]
分野語学
試験形式筆記・面接・CBT
認定団体日本英語検定協会
後援文部科学省
認定開始年月日1963年(昭和38年)[1]
等級・称号1級 - 5級
公式サイトhttps://www.eiken.or.jp/
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英検のロゴ

実用英語技能検定(じつようえいごぎのうけんてい、: EIKEN test[2])は、公益財団法人日本英語検定協会 (Eiken Foundation of Japan[1][3]) が実施する日本英語語学検定である。略称通称は英語検定または英検[4]

協会は実用英語技能検定の他に英検Jr.(旧・児童英検)・英検IBA・IELTS・TEAP・BULATSなどを合わせて「英検」ブランドと総称している[5]
試験

2016年1月までの1次試験に関しては、1次試験の解答方法は4肢選択を基本としており、2004年度から2015年度までの準1級の英作文は電子メールの返信という形式で100ワード前後、および1級ではエッセイ形式で200ワード前後の英作文が含まれていた。そして、1級から3級までの1次試験合格者は、2次試験として面接委員との英語による英語面接試験が実施される。また4級及び5級は、2016年度より希望者のみの録音型スピーキングテストを受けることができるようになった[6][7][8]

級レベル[9]日本の学校教育[10]CEFR[11]
1級広く社会生活で求められる英語大学卒業程度C1
準1級社会生活で求められる英語大学中級程度B2
2級社会生活に必要な英語高校卒業程度B1
準2級プラス[12]身近な社会生活に必要な英語高校中級程度A2+
準2級日常生活に必要な英語高校中級程度A2
3級身近な英語の理解と使用中学卒業程度A1
4級簡単な英語の理解と表現中学中級程度N/A
5級初歩的な英語の理解と表現中学初級程度N/A

5級(中学初級程度)・4級(中学中級程度)・3級(中学卒業程度)・準2級(高校中級程度)・2級(高校卒業程度)・準1級(大学中級程度)・1級(大学卒業程度)が設定されている[13]。なお隣接した級であれば、2つの級の試験を同一試験日に受けることのできる「ダブル受験」制度がある[14]

5級および4級は1次試験のみで合否の判定が行われる。3級 - 1級では2次試験があり、1次試験で合格基準を満たした受検者は2次試験を受検することができる。ただし、2016年度から4級及び5級においてもスピーキング・テストが導入され、4級及び5級は1次試験の合否にかかわらず全ての受験者がスピーキング・テストを受験することが可能であり、筆記試験とスピーキング・テストの合否は別個に判定される[15][16][17]

英検1級は非常に難関な資格として知られており、国家資格を除く民間資格の中ではアクチュアリーと並び最難関の試験とされる[誰?]。TOEICで900点以上獲得できる人でも合格するのは難しく、英語教師中学校高等学校)でも英検1級に合格できる実力を有する者はとても少ないとされる。ちなみに全国の公立中学校および高等学校を対象とした平成30年度の調査[18]によると、英検準1級以上またはTOEIC730点以上の資格を有する英語教師の割合は、中学校教員で36.2%、高校教員で68.2%であった。それどころか、英語ネイティブスピーカーから見ても英検1級はなかなか難しい試験であると言われている(日本人が大学入試センター試験国語の問題を解く感覚に近い)[19]

2025年度より、準2級と2級のギャップを埋めることを目的に、両級間に新たな級を設ける予定であると発表され[20]、その後名称を準2級プラス(Grade Pre-2 Plus)とすることが公表された[21]
一次試験

一次試験では各級とも筆記試験に引き続きリスニングテストが行われる[22]。5級・4級の解答はマークシート方式で行い、3級・準2級・2級・準1級、および1級ではマークシート方式、および英作文問題が記述式となっている。

2004年度の第1回の試験より、準2級・2級ではリスニングが20問から30問に、筆記が50問から45問になった[23]

英作文が加わったため、試験時間が長くなった。

2016年1月までの英作文の問題は、準1級では100語程度で電子メールの返信を執筆する問題であり、1級では200語前後で政治や社会問題などに関する指定されたトピックに関して指定されたキーワードを用いて記述する[24]。筆記試験とリスニングテストを総合した評価が各級の合格基準を満たす場合に一次試験合格となる。

また、日曜日に実施された直近3回分の試験問題、リスニング問題の音声・解答・英作文解答例が、実用英語技能検定の公式ウェブサイトに掲載される(2017年3月現在)[25]

一次試験では試験後に問題冊子を持ち帰ることができる[26]

そして、一次試験の解答は試験の翌日に実用英語技能検定の公式ウェブサイト上で公開される[27]。その後、2015年度までは一次試験の合格最低点が公表され、各々の受験者の合否や得点がインターネット上の個人のアカウント上で発表される。

また、一次試験の問題文は1級と準1級は英語で記載され、2級 - 5級は2015年10月に実施された2015年2回までは日本語で記載されていたが、2016年1月に実施された2015年3回からは日本語・英語・朝鮮語・中国語・スペイン語・ポルトガル語のいずれかの言語で記載されるようになった[28]
二次試験

日程にはA日程とB日程とC日程があり、協会から届いた一次試験成績表の右上にある二次試験受験票の日程になる。日程を選ぶことは出来ない。

二次試験は日本人又は外国人の面接委員との個別
面接であり、1級では面接委員2人、準1級以下では面接委員1名と自由会話、スピーチ、Q&Aを行う[29]

二次試験では、コミュニケーションを図ろうとする態度(「アティチュード」)が1997年度の試験より採点内容に含まれている[30]

二次試験の結果が合格であれば総合合格となり、後に合格証書・合格証明書・二次試験の詳細な試験結果などが郵送される。

一次試験のみ合格し二次試験に不合格又は欠席した場合、以後1年間は再受験の際に申請すれば一次試験が免除される[31]

二次試験では問題文を持ち帰ることが出来ない[29]。また、試験中の録画・録音・撮影やメモを取ることも禁止されている[29]

二次試験は本会場のみ。

@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}各回の問題内容は旺文社の過去問題集などで公開されている。[要出典]

障害者向け措置

英検の中で1級 - 4級の都道府県庁所在地の本会場試験と、2級 - 5級の準会場試験とで受験者の申請に基づいて障害者に関する特別措置を講じている[32]。2007年の調査によると、英検の視覚障害者向けのリスニングは音声指示のみで行われ、選択肢や設問を読む必要のある視覚障害者向けセンター試験英語リスニング試験より受験者にとって易しい[33]。二次試験の場合、A日程になった。英検S-CBT試験の開始に伴い、障害者向け特別措置のための英検S-Interview試験が開発された。
英検S-Interview

障害などでCBT試験では対応困難な受験者向けに英検S-Interview試験が年3回行われている。本試験は困難な事情(障害種別・障害程度等)に応じた配慮がメニュー化されている。出題回答方式は原則として従来型英検に準じ、配慮によって適宜変更が加えられる。従来型英検と異なり、1次試験の点数による足切りは行われず、受験者全員が2次試験(スピーキング)を受験することができる。当初は1次試験(リスニング・リーディング・ライティング)の受験も必須であったが、2021年度第2回試験より従来型英検同様に1次試験免除資格の有効期間内であれば本試験でも1次免除が行われるようになった。
2016年度第1回検定からの変更点

2016年度第1回検定より、以下の点が変更となる。

2級の一次試験に英作文の記述問題が導入された
[34][35]。1級の英作文のワード数が200ワード前後から200乃至240ワード前後へと増加し、問題文においてあらかじめ記載されていた6つのキーワードのうち3つを選択するという形式が廃止された。そして、準1級の英作文に関しては、ワード数は100ワード前後から120乃至150ワード前後へと増加し、従来の電子メールの返信という形式からエッセイ形式へと変更された。

2017年度第1回より準2級と3級においてもライティングが導入される。(QUESTIONに答える形式)


2016年度から、4級と5級にスピーキングテストが導入された。[35]。ただし、これは一次試験の結果に関係なく受検でき、また級の認定には影響を与えない。[36]4または5級スピーキングテスト合格となる。級認定ではない。

2024年度第1回検定からの変更点

2024年度第1回検定より、以下の点が変更となることが発表された。[37]
一次試験

1級、準1級、2級のライティングでは2023年度以前までの1題から2題に問題数が増加され、要約問題が新たに追加される。

準2級、3級ではライティングでは2023年度以前までの1題から2題に問題数が増加され、Eメール問題が新たに追加される。

上記の問題数増加に伴い、リーディングの設問数が削減される。

二次試験

準1級のNO.4の問題に、話題導入文が追加される。

英検S-CBT

正式名称:英検2020 1 day S-CBT

英検CBTと同様に、1日で4技能すべてを受験可能な方式。

問題内容はコンピュータ画面上に表示されるが、リーディングテスト、リスニングテスト、ライティングテストは解答用紙にマークまたは記述する、PBT方式となる。2021年度第1回からはライティングテストの方式が筆記とPC画面上へのタイピングから選択可能となった。[38]

スピーキングテストはヘッドセットを装着し解答を録音する吹込み式となる。どの技能も問題形式・難易度は通常の英検(紙媒体)と同一である。

英検CBTとの違いとして解答をマウス・キーボードで解答するものがCBT、解答用紙への鉛筆での記述がS-CBTという区別がなされていたが、2021年度第1回より回答方式をライティングは選択制・リスニングとリーディングはマウスとキーボードでの回答方式としたうえでS-CBT方式に一本化されている。

合格した場合は通常の英検と同じ資格が得られ、合格証書・合格証明書も同じものが発行される。
過去に実施された形式
英検CBT

準1級・2級・準2級・3級が、2019年10月現在、決められた試験日に16都道府県の会場でコンピューターを使って受けられる。1日で4技能すべてを受験可能であった[39]

問題形式・難易度は通常の英検(紙媒体)と同一である[40]

CBTで合格した場合、通常の英検と同じ資格が得られ、合格証書・合格証明書も同じものが発行された[39]

2021年度第1回試験より後述の英検S-CBT試験に統合された[41]
採点

1級 - 5級の7つの級における合否で評価され、2015年度からCSEスコアも併記される[42]

読むこと・聞くこと・話すこと・書くことの4つの技能について、各級ごとの合格者の自信の度合いを表す「英検Can-doリスト」がまとめられている[43]
CSEスコア

英語の技能ごとの能力を絶対指数で示したCSEスコアが2015年度第1回試験の成績表から併記されるようになった[44]。又、2016年度第1回試験からはこのCSEスコアで合否が判定されるようになった。[45]

2024年2月現在、5級と4級ではリーディング・リスニングの2技能を、3級より上ではライティングを加えた4技能を評価する[46]

各級での合格の基準となるCSEスコアは以下の通りである[46][47]。なお、なお5級と4級についてはリーディングとリスニングの一次試験の合否に関係なくスピーキングテストを受験できるため、以下のスコア一覧では参考として()表記でそれらのスコアを示す。また同じ級であればどの技能も満点は同じである。

リーディング

リスニング

ライティング スピーキング
1級2028602
準1級1792512
2級1520460
準2級プラス[48]1402427
準2級1322406
3級1103353
4級622(324)
5級419(266)

英検バンド

合格ラインに対してどの程度の実力だったのかを示す指標。


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