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やノートページでの議論にご協力ください。この項目では、交通機関の運行計画を表す線図及び運行状況について説明しています。情報を2次元幾何学モデルで表した表現については「ダイアグラム」をご覧ください。
国鉄山陰本線列車運行圖表(1949年9月15日改正、部分)
公共交通機関におけるダイヤグラム(英語: Time?distance diagram〈時間距離線図〉 あるいは Service planning diagram)とは、列車[1]やバス[2]・航空機[3]などの便の運行・運航計画を表現した線図(ダイアグラム)である。運行図表ともいう。列車などの所要時間・停留時間や行き違いが一目でわかる。
日本では、各便がいつ出発・到着するかを記した時刻表を含めてダイヤと略称することが多く、定刻を変更することをダイヤ改正と呼ぶ[4]。
ダイヤの新規作成や改正は、安全確保と乗客の利便性・運行・運航効率などを勘案して行われる。専門知識を要する膨大な作業量となるため、人工知能(AI)や疑似量子コンピューターを援用する技術開発も行われている[2][1]。 鉄道においては、列車の運行計画・スケジュールのことを「列車計画」あるいは「列車運行計画」などと呼び、それを図表に表したもののことを「列車運行図表」(トレイン・ダイヤグラム)という。ダイヤグラムはこの列車運行図表のことを指す言葉であったが、列車運行計画自体をダイヤと呼ぶようになり、列車運行図表のことは区別してダイヤ図などと呼ばれるようになっている。線の形がダイヤに見えるからダイヤと呼ばれているという説は誤りである。 日本では列車の運行計画だけでなくリアルタイムの運行管理においても列車ダイヤグラムの画面を操作する方式が一般的であるが、イギリスなどで用いられている運行管理システムの画面は線路や列車を模式化した画面を操作するものが一般的で列車ダイヤグラムを使って操作する方式はあまり用いられていない[5]。 列車交換部分ハコダイヤの例 一般に鉄道のダイヤグラムは、時間を横軸、距離を縦軸にとり、停車場名を縦軸上に配置したグラフ状の形態(ダイヤ図)である。逆に距離を横軸に、時間を縦軸にとったダイヤ図も用いられることがあるが[注 1]、基本的な考え方は同じである。以下、時間を横軸にとった形態を前提に説明する。 下りの起点駅が一番上に配置され、ここを原点として距離は下向きに、時間は右向きに増加する。そして一つの列車は一本の線(スジ)で表現される。従って始発駅を出発した列車、すなわち下り列車は右肩下がり、反対に上り列車は右肩上がりの折れ線を描く。できるだけスジが直線となるよう、駅は通常、駅間の距離ではなく所要時間に基づいて配置される。線の傾きは列車の速度を表し、速い列車ほど線の傾きは大きくなり、水平線(傾き0)は停車を表す。 単線区間においては駅間で上下列車の交換ができないので、駅間でスジが交差することはない。複線区間であれば上下列車の交換はどこでもできるので、駅間でスジが交差することがあるが、追い抜きはやはり待避設備のある駅に限られる。こうした待避関係はダイヤグラム上で図示すると一目瞭然となる。このため、単線区間と複線区間の配置などもダイヤの脇の方に併記されている。このほか、電化区間や自動列車保安装置など、列車の運行に影響を与える情報が併記されている。 一般に公表される時刻表は1分単位であるが、ダイヤの上ではもっと細かい単位で計画が立てられている。この目的で、スジの駅線との交点には秒単位での発着時刻を表現する記号が付けられており、鉄道会社内部ではこの記号のことを「ヒゲ」「ポツ」などと呼んでいる。この記号の使い方や時間単位は鉄道会社によって異なっている。 ダイヤ図には列車スジの以外に列車番号・着発番線のほか、入出区や、連結・解放などの作業や、停車場の特徴、および列車の種類を示す記号などが記されている。 なお、上の形態に対して車両の運用や乗務員の乗務スケジュール(行路)を示すために作成される「ハコダイヤ」、構内作業計画を行うための構内作業ダイヤと呼ばれるものがあるが、スケジュールや計画を鉄道の運行図表になぞらえた、あくまでも俗称であり、区別のために通常のダイヤグラムを「山型」と呼ぶ場合がある。ハコダイヤに関しては「運用」を参照。 周期的なダイヤを作成することがある。このように作られたダイヤを「パターンダイヤ」と呼び、その周期がn分であるとき、時間の間隔を取ってn分サイクルまたはn分パターン(またはn分ヘッド)のようにいう。nは多くの場合、4,5,6,10,12,15,20,30といった60の約数である[注 2]。60の約数にすることで毎時の発車時刻が同じになり、利用者にとっては記憶しやすいダイヤとなる。これによって、利便性の向上や、利用客の増加といった効果を期待することができる。また単線区間や待避がある路線においては常に同じ駅で列車交換・待避を行なうため、交換・待避駅の削減や副本線を使用する時間の限定などの効率的な運用が可能となる。フリークエントサービスを指す場合、高度に周期的なダイヤを設定することを指す場合が多い(日本語の「頻繁運転」と同義。なお「頻繁」の英訳語が「frequent」である)。 鉄道の場合、原則として駅、信号場ないし信号機相互間(閉塞区間)当りに1列車しか進入できないことから、設定可能な時間あたりの列車の運転本数(線路容量)には自ずと限界がある。その場合、速度の異なる列車が混在すると、設定可能な列車本数が減少してしまう。そのため、全ての列車の速度を列車種別や停車駅に関わらず一定にして追越しを行わず、運行する列車の本数を極限まで増やし(線路容量を最大限まで活用し)、輸送力を確保することが行われる。この時、ダイヤグラム上には列車を表す線が平行に描かれることから「平行ダイヤ」と称される。混雑率の激しい線区では列車種別を単一に設定することによって混雑率が平準化されて列車の遅延を最小限に抑えられるといった利点もある(東急田園都市線における事例 なお、千鳥停車を併用し、速度向上を兼ねて停車駅を複数の駅に分散する形で速達列車を運行する場合(例:西武池袋線の急行と通勤急行)や交互発着を併用して運転本数を極限まで増やす場合(中央線快速の各駅)がある。 上記の平行ダイヤの類例として、単線区間において列車交換可能な駅や信号場のほとんどで交換し、最大限に列車を設定することがある。この場合、ダイヤグラム上では網の目のように列車を表す線が描かれていることからネット(網)にたとえて「ネットダイヤ」と称される。現在、日本国内でネットダイヤを形成している線区として東武野田線、江ノ島電鉄線、湘南モノレール江の島線、名鉄三河線、名鉄竹鼻線・羽島線、伊豆箱根鉄道大雄山線、近鉄田原本線、近鉄生駒線(東山駅 - 王寺駅間)、近鉄長野線(富田林駅 - 河内長野駅間)などが代表例として挙げられる。 大都市圏など曜日により移動の周期が異なる場合、その周期に合わせたダイヤグラムを組むことがある。こういった場合、平日と、土曜日や日曜日・祝日などの休日とで構成が異なるダイヤグラムを組む場合が多い(土曜日ダイヤがあるバス路線も一部あるが、鉄道では和田岬線、アストラムラインである)。土曜・休日は、平日に比べて朝夕通勤時間帯のラッシュが激しくないため、土休日ダイヤは平日ダイヤと比べて朝及び夕方 - 夜間の本数が減少している場合が多い。特に土休日ダイヤの夕方は日中とほぼ同じダイヤを組んでいることが多い[注 3]。かつて週休2日制が一般化する前は土曜日も平日ダイヤで運行している路線が多くあったが、週休2日制の進展に伴い土曜日ダイヤに分割された後、現在では休日と合わせて土休日ダイヤで運行していることがほとんどである[注 4]。昼間は平日と土曜・休日で同一のダイヤとするケースが多いが、中には路線の実情に合わせて本数を増減させている例もある[注 5]。最終列車については、平日よりも土曜・休日の方が早い事例も多く見られる。また主として旅行に使われる特急・急行列車などの優等列車は土休日のほうが多く設定されることが多く、観光や行楽としての役割の高い蒸気機関車(SL)やトロッコ列車、ジョイフルトレインに関してはお盆などの長期休暇中を除き、平日に運行されることはほとんどない。一方で種別名に「通勤○○」とつく種別の列車はその名の通り、ラッシュ時の輸送力増強として設定されているため、平日ダイヤのみの設定となっている。 繁忙期となる季節がある路線では、その時期に別のダイヤが組まれることがある。季節ダイヤは、ダイヤ改正時にあらかじめ考慮に入れてあることが多い。約1か月以上にわたる大規模なものとしては外房線・内房線や小田急江ノ島線、京浜急行電鉄でかつて海水浴シーズンに行われた「海水浴ダイヤ」「夏ダイヤ」、京王電鉄(京王線)の「シーズンダイヤ」、名古屋鉄道の「初詣ダイヤ」、京阪電気鉄道の「休日特別ダイヤ」「春の特別ダイヤ」「秋の特別ダイヤ」などがあったが、現在ではいずれも消滅している。 現在も行われている季節ダイヤとしては、京阪電気鉄道の正月ダイヤ、花見シーズンにおける樽見鉄道の桜ダイヤ、秩父夜祭に合わせた西武鉄道や秩父鉄道の夜祭ダイヤなどがある。また愛知高速交通東部丘陵線(通称:リニモ)では沿線大学の開講期間と休業期間で利用状況が大きく異なることから、2013年3月16日より大学開講期間(4 - 7・10 - 1月)を第1ダイヤ、それ以外の期間を第2ダイヤとして平日に限って季節ダイヤを導入している。京阪本線の初詣ダイヤでは、定期ダイヤでは朝以外設定されていない「急行」が日中に10分ヘッドで運転されるなど、通常のダイヤとは全くパターンが異なる。初詣ダイヤは、西日本鉄道(天神大牟田線・太宰府線)、阪急電鉄(宝塚本線)、名古屋市営地下鉄(東山線・名城線・名港線)・京成電鉄(本線・金町線)・京浜急行電鉄(大師線)、東武鉄道(大師線)、近畿日本鉄道の特急・急行、JR西日本奈良線・桜井線(万葉まほろば線)などでも行われている。また、毎年大晦日から元旦にかけて各社で実施される終夜運転も、季節ダイヤの例と言える。 何らかの理由により、季節ダイヤとは別に旅客需要の増大や減退が見込まれる場合、運行本数を通常の繁忙期よりも増加もしくは閑散期より減少させた特別なダイヤが用いられることがある。 2020年には新型コロナウイルス感染症が蔓延していることを受け、運行本数を大幅に減少させた「特別ダイヤ」が多くの鉄道事業者で見られた[6]。 ダイヤの規模を測定するためには、設定されている列車本数を数える方法が最も単純であるが、この方法では長距離列車と近距離列車が区別されない。このため、列車の走行距離を全て合計した列車キロでダイヤの規模が表される。一方、1本の列車の編成の長短により必要な車両数に影響が出るので、列車キロにさらに使用する車両数を掛けて車両キロも算出され、これが使用する車両数を検討する根拠となる。 列車キロ・車両キロでは距離を合計しているのに対して、運転される時間を合計して計算したものはトレインアワー、カーアワーと呼ばれる。トレインアワーは、乗務員の拘束時間が計算できるため、必要となる乗務員数を検討する根拠となっている。
鉄道ダイヤの理論
ダイヤ図
形態
パターンダイヤ詳細は「パターンダイヤ」を参照
平行ダイヤ
ネットダイヤ
曜日ダイヤ
季節ダイヤ
特別ダイヤ
ダイヤの規模を測定する指標
各国の鉄道ダイヤ
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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