官製不況
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信頼性について検証が求められています。確認のための情報源が必要です。(2010年7月)


古い情報を更新する必要があります。(2022年7月)


雑多な内容を羅列した節があります。(2010年7月)


官製不況(かんせいふきょう)とは、公権力による経済政策や法律や行政規制等の作為、または不作為が、特定の業種または国全体の経済に悪影響を及ぼし、意図的に企業の業績の悪化や景気低迷、不況を生じさせること。「官」による不況。政策目的達成のための手段が問題になることが多い。近年では、消費者保護や法令順守の重視を目的とした法律や行政規制の改正等がきっかけとなっていることから、コンプライアンス不況」とも呼ばれる。
原因

政策目的達成へ性急な手段をとる、または効果的な手段をとらないことが挙げられる。背景には
ポピュリズムや、場の空気に支配されやすい国民性、また、根強いお上意識があるとの指摘もある。

日経ビジネス2008年5月12日号は、「政策がムードで決まっている」ことを原因としている。「詰まるところ、ムードに流されがちな政策決定過程には、その政策がもたらすプラス効果とマイナスの影響の冷静な分析が欠けているのだ。」「政党間のイデオロギー的な対立軸が失われ、『政策は風頼み』といわれて久しい。そういう環境では消費者保護のような政策は受けがいい」。そして、ムードの背景にあるのは「日本社会は周囲の人間との相対的な関係を重視する。唯一絶対神への信仰を持つ西洋と違い、『恥の文化』とも呼ばれる。政策が雰囲気で決まりがちなのは、そうした背景にも一端がある」としている[1]

コンプライアンス不況については、行政の姿勢が事前規制から事後規制に変わったことも指摘されている。
竹中平蔵慶應義塾大学教授は以下のように解釈する。「なぜいま、コンプライアンスや安全・安心を前面に出して、経済を悪化させるような過度の規制を課してしまうのか。次のような解釈が可能である。これまで各官庁は、関連する業界への天下りというシステムでOBの就職先を確保してきた。しかし民営化など行政改革が進み、かつ国民の監視が強まる中で、こうした天下り先は激減している。そこで、コンプライアンス、安全、消費者重視といった美名の下に規制を行い、またはその監視組織をつくることで、新たな天下り先を確保しようとしているのだ。つまり官庁は、『企業への天下り』に変わって『消費者への天下り(消費者に寄生した天下り)』という新たな仕組みを開発しつつある。これに伴って天下り費用の負担者も、企業から国民へと変化する。つまり経済が萎縮することによって結果的にその犠牲となるのは、消費者なのである。」[2]大前研一は、消費者保護、弱者保護のルールを作るメンバーの中に、「日本経済のパイを大きくしよう」とする者が1人もいないと指摘する。「政府は表向きの対策として、消費者保護、投資家保護、労働者保護、弱者保護などのルールをつくっていこうとしている。それ自体は結構なことだろうが、ここで注意したいのはルールをつくるプロジェクトメンバーに「日本の経済のパイを大きくしよう」という人は一人もいないことだ。福田内閣はもとより、役所にも、識者の中にもほとんどいない。そのためプロジェクトは「どうやって産業を伸ばすか」ではなく、「どうやって産業を規制していくか」という方向に向かっている。驚くべきことである。お役人にとって企業とは「放っておくと悪いことをするもの」なのだ。日本史の教科書で読んだ天保の改革寛政の改革をほうふつとするのはわたしだけだろうか(念のため書いておくと、この二つの改革はどちらも成功したとは言い難い)。どうもこの国のリーダーの頭の中は、江戸時代からさほど進歩していないらしい。」[3]

東京情報大学情報ビジネス学科主催の公開講座「日本経済低迷の原因として“行政不況”を考える」においては、十分な分析や予見可能性の欠如が理由として挙げられている。
堂下浩(東京情報大学准教授)は「結局、政治もメディアも現象だけにとらわれ、原因となる部分を十分に分析したうえで対策をとってこなかったため、想定外の副作用が出てしまった」ことを理由にあげている。また、大槻奈那(UBS証券株式調査部シニアアナリスト)は政策決定段階における「予見可能性」の欠如を挙げる。「マーケットが悪かったという要因もありますが、政治についていえば“予見可能性”というものがないという点が指摘できるかと思います。」「欧米だと、業界からロビー活動を行い、この問題にはどういう原因があり、どういうところを直せばいいかなどと立法府と一緒に法律を考えていくという方法をとるため、どんな法律ができるかを予想することが可能です。しかし日本には欧米流のロビー活動も少なく、業界側も新しい法律にどう対応すればいいかが予見できず、副作用が生じると政策ミスということになる」。石川和男(東京財団研究員)は「予見可能性」のある政策を得る方法として、「政治家や行政の人間が関係業界の声をたんねんに聞き、政策立案に反映するというメカニズムを再構築すること」を挙げる。「ここ2年ほどをみても、法律の立案過程において、関係する業界やマーケットの話を行政が全く聞かないという状況がずいぶんあります。阪神淡路大震災が起きたとき、神戸のLPガスタンクでごくわずかなガス漏れがあり、地元の新聞がこれを非常に大きく取り上げたことがきっかけで、国は全国の石油コンビナートに一斉調査を行うことを決めました。石油業界は猛反発をしましたが、国は彼らの意見をいっさい聞こうとしませんでした。」「同様に、建築基準法や貸金業法の改正に際しても、国は建設業界や貸金業界の意見をどれだけじっくりと聞いたのでしょうか。聞いてはいますが、ほとんどその声を反映してはいません。」[4]

マスコミの過熱報道が、「空気」を作り出し、コンプライアンス不況にいたる対応を結果的に促している、また報道姿勢がマッチポンプである、との指摘がある。
「『3K』と呼ばれる建築基準法、貸金業法、金融商品取引法の改正について、大きな影響力を及ぼしたのが新聞やテレビなどのマスコミではないかと思います。」「『いま起きているこの問題を何とかしなくてはいけない』という形でメディアが関わり、ひとつの空気を作っていく。ときにそれは、政治の空気というものを補完する作用を持つことがあります。」「たとえば衆議院解散の空気が出てきたときも、メディアがある種の解散風を煽るということはしばしばあることです。ただそのとき、本質的な検証なしに「まず解散ありき。それが国民の世論である」という伝え方をする“向き”があることも否定できません。とくにテレビの場合、映像によるインパクトには非常に大きなものがあります。」[5]「メディアの側には読者や視聴者に受け入れられることを是とする部分がかなりあることは否定できません。どのような企画にすれば、より多くの人に関心を持ってもらえるかということで、『赤信号みんなで渡れば怖くない』とでもいうような一斉報道はたしかに存在します。政治の側と業界側との双方がたんねんにコミュニケーションをとり、そこから議論をすくい上げていけばいいという意見も一方にはあるでしょうが、それをやりすぎると“癒着”といわれてしまう難しさもあります。」「我々としても、できるだけ広い視野から事実を伝えていこうと考えていますが、そうした政治家たちに容易に順応させられないよう防波堤を作りたいという意識が、逆に過剰報道的な面を生んでいるのでないかという気はしています。」[6]

バブル崩壊後に金融機関の破綻処理(はたんしょり)を行った、元大蔵省銀行局長の西村吉正は次のように述べる。「いずれにしても、バブル崩壊後の政策対応は、必ずしも意図的に『先延ばし』をしたというものではない。『先取り』する能力が無かったといわれればそのとおりである。ただ、大きな痛みを伴う政策を『先取り』するためには、身を挺しての政治的決断が不可欠である。たとえそれが日本の将来のために必要なことであったとしても、その当座には世の中の反発は極めて大きなものになる。実施後の影響の大きさに世論が動揺したときにも、耐えなければならない。その重荷を誰が担うのか。外圧に依存するのが誰も傷つかない楽な道であり、従来日本ではそれが一般的な手法になってきたのだが、今回の課題はあまりに大きく複雑であった。」[7]

対策

以下の対策が有効とする考えがある。「まず、「波及効果を可能な限り深く読む」ことが挙げられる。具体的には、同質な集団だけで討議するのではなく、異質な視点も取り込み、広範囲な対話を重視すること、すなわち、企画プロセスを対話型にすることが挙げられる。次に、「波及効果を可能な限り深く読む」だけではなく、
バタフライ効果複雑系等の考え方から、実社会という複雑系のシステムの中では、読んでも読みきれない部分があることを受け入れ、予想外の進展に備えたモニタリングの仕組み、及び状況に応じて柔軟な施策変更ができるように、意思決定の仕組みを整備しておく。「風から桶屋まで、対話を通じて『その先』の読みを深める。さらにそのうえで、蝶のはばたきによる不測の事態に備えて、必要とあらば『朝令暮改』も可能となる仕組みを作っておく」。 [8]

リバタリアニズム(自由意思論者)の立場から以下のような意見がある。「市場原理の失敗はしばしば指摘されるが、政府も失敗する。政府も市場も失敗するのならば、消費者に自由があるほうがよい。消費者は自ら判断し、政府は消費者が誤った判断をしないよう市場の選別機能を促す役割に徹すべき」との主張がなされる。例えば、耐震偽装問題については、「全ての建物の耐震性能を格付けする。値段はその格付けよって変わる。高くてもAランクの家が良いという人もいれば、Dランクだけど安くて広いから構わないという人がいる。選ぶのは個人の自由。もろすぎる建物は買い手がつかないから排除される。政府がやるべきことは、格付けが適切かどうかのチェックだけだ。」[9]

日経ビジネス2008年5月12日号の官製不況の特集(34頁から38頁)では、以下のように提唱している。「消費者保護が重要なことに議論の余地は無い。制度の隙間に落ちてしまった人の救済や、悪質業者の排除といった施策は必要。だが、保護が行きすぎて自由な企業活動を阻害すれば、コストになってすべての消費者に跳ね返る」「『消費者を守るべきだ』という空気に流されて規制強化が次々に決まり、それが官の肥大化と経済混乱を招いている構造。その連鎖を断ち切る手立てはないのか。」とした上で、不毛な官製不況から抜け出す3か条として「1 『お上に頼る』意識を捨てよ 2 政策をムードで決めるな 3 政府は消費者の自立支援を軸に据えよ」

具体例
1990年から1991年

1990年から1991年にかけての、不動産融資への総量規制地価税の新設、さらに日本銀行の金融引き締め政策。


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