宗教人類学
ペルー出土の古代の擬人化像
基本概念
来世
アニミズム
オーギュリー
宗教の起源(しゅうきょうのきげん)とは、古代において人類が宗教観や原始宗教を最初に持った時点・事象のことである。これは精神的起源と社会的起源に分類でき[1]、それぞれの宗教が持つ固有の逸話的な起源である様々な創世神話とは区別される。
宗教の起源を解明する取り組みでは、人類の進化の過程で現われる宗教的行動から多くの情報が得られる。人間が初めて宗教的になった時期は明確ではないが宗教的行為の信頼できる証拠は中期旧石器時代(5-30万年前)から見つかっている。古代エジプトとメソポタミアで宗教は成文化され宗教史が始まる。
本記事では人類の知能向上に伴ってはじめて宗教感が生じた時点から宗教史が始まるまでの間に関して、可能な限り多様な視点からの論説を示す。 宗教的行為は様々な形で世界各地で見られるが、宗教は世界の全ての集団で見られるヒューマン・ユニバーサルな現象である。次のような行為はしばしば共通してみられる: 現在生存している人類に最も近い親類はチンパンジーとボノボである。彼らと人類は400万から600万年前に生きていた祖先を共有している。したがって、チンパンジーとボノボはこの共通祖先のもっとも良い代理者と見なすことができる。ただし宗教の進化的発達の理解に霊長類学を用いることには幾分論争がある[2]。バーバラ・キングは彼らは全く宗教的ではないが、宗教の進化に必要だったいくつかの特徴を持っていると主張している。その特徴とは高い知性、例えば象徴的なコミュニケーション能力、社会規範の感覚、「自己」の認識、連続性の概念などである[3][4][5]。 フランス・ドゥ・ヴァールとバーバラ・キングは二人とも人間の道徳心が霊長類に見られる社会性から発達したと考えている。道徳は人間に固有の形質であるが、霊長類、イルカ、クジラのような多くの社会性動物が原始的な道徳的振る舞いを見せることは良く知られている。マイケル・シャーマーによると次のような特徴が人間と他の社会性生物(特に大型類人猿)に共通してみられるとされる。愛情と絆、協力と相互援助、共感と感情移入、直接および間接的な互恵関係、利他主義と互恵的利他主義、対立の解消と仲裁、欺瞞と欺瞞の認識、共同体の概念を持ち、他者が自分をどう思うかを気にかけ、共同体の社会的ルールの反応を認識する[6]。 ドゥ・ヴァールは、全ての社会的動物は価値ある集団生活のために自己の振る舞いを抑制するか変えなければならなかったと主張する。原始的な道徳感情は、個体の自己本位主義を抑制し、より協力的な集団を構築する方法として霊長類の社会で進化した。しかし個体の行動や心理が集団の利益を増大させるために働くと安易に考えることはできない。社会性生物にとって集団とは、それを作り維持することが目的ではなく、繁殖成功の手段である。いかなる社会的生物であっても利他的グループの一員であることのメリットは、独り者であることのメリットを上回らなければならない。例えばグループの結束の欠如は、構成員が部外者から攻撃を受けやすい状況を招くかも知れない。グループの一部であることは食物を見つける可能性を増大させるかも知れない。これは大きく危険な獲物を倒すために集団で狩りをする動物では明らかである。
宗教
超越的存在、超自然現象、ヌミノースといった概念があり、通常は幽霊、悪魔と神のような存在や、魔法や占いのような行為が含まれる。
ほとんど常に音楽や踊りを伴った儀式、式典
道徳、善のような社会的規範の指示
神話、宗教的真理 、教義
霊長類の行動
道徳の進化詳細は「道徳」および「道徳の進化」を参照