安部公房
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安部 公房
(あべ こうぼう)
キネマ旬報』1967年1月正月特別号より。
誕生安部 公房(あべ きみふさ)
1924年3月7日
日本東京府北豊島郡滝野川町
(現在の東京都北区西ケ原
死没 (1993-01-22) 1993年1月22日(68歳没)
日本東京都多摩市
墓地上川霊園
職業小説家
劇作家
演出家
言語日本語
国籍 日本
教育学士医学
最終学歴東京大学医学部卒業
活動期間1948年 - 1993年
ジャンル小説
戯曲
文学活動第二次戦後派
シュルレアリスム
代表作『』(1951年)
『けものたちは故郷をめざす』(1957年)
第四間氷期』(1959年)
砂の女』(1962年)
他人の顔』(1964年)
燃えつきた地図』(1967年)
友達』(1967年、戯曲)
箱男』(1973年)
密会』(1977年)
方舟さくら丸』(1984年)
主な受賞歴戦後文学賞 (1950年)
芥川龍之介賞(1951年)
岸田演劇賞(1958年)
読売文学賞(1963年・1975年)
谷崎潤一郎賞(1967年)
フランス最優秀外国文学賞 (1968年)
芸術選奨(1972年)
デビュー作『終りし道の標べに』(1948年)
配偶者安部 真知子(安部 真知)(1947年 - 1993年)
子供安部 ねり(長女)
影響を受けたもの

フランツ・カフカ
フョードル・ドストエフスキー
エドガー・アラン・ポー
ジャン=ポール・サルトル
マルティン・ハイデガー
ライナー・マリア・リルケ
ガブリエル・ガルシア=マルケス
ルイス・キャロル
石川淳
花田清輝

影響を与えたもの

小島秀夫
星野智幸
円城塔
中上健次

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安部 公房(あべ こうぼう、1924年大正13年〉3月7日 - 1993年平成5年〉1月22日)は、日本小説家劇作家演出家東京府北豊島郡(現在の東京都北区)出身。本名は安部 公房(あべ きみふさ)[1][注釈 1]。「ノーベル文学賞に最も近い人物」とノーベル委員会から評価を得ていた中、脳内出血により急死した[2]昭和中期から平成初期にかけて活躍した現代日本文学を代表する作家の一人である。
概要餃子を調理している安部公房(1954年

東京府で生まれ、満洲で少年期を過ごす。高校時代からリルケハイデッガーに傾倒していたが、戦後の復興期にさまざまな芸術運動に積極的に参加し、ルポルタージュの方法を身につけるなど作品の幅を広げ、三島由紀夫らとともに第二次戦後派の作家とされた。作品は海外でも高く評価され、世界30数か国で翻訳出版されている。

主要作品は、小説に『壁 - S・カルマ氏の犯罪』 (芥川賞受賞)、『砂の女』 (読売文学賞受賞)、『他人の顔』『燃えつきた地図』『箱男』『密会』など、戯曲に『幽霊はここにいる』『友達』『棒になった男』『緑色のストッキング』などがある。演劇集団「安部公房スタジオ」を立ちあげて俳優の養成にとりくみ、自身の演出による舞台でも国際的な評価を受けた。晩年はノーベル文学賞の有力候補と目された[3]。ノーベル文学賞委員会のペール・ベストベリー委員長は読売新聞のインタビューで、「急死しなければ、ノーベル文学賞を受けていたでしょう。」と述べている[2]
生涯
生後まもなく満洲へ

北海道開拓民の両親をもつ[注釈 2]安部浅吉と井村よりみの二男二女の長男として、1924年 (大正13年) 3月7日、東京府北豊島郡滝野川町 (現東京都北区西ケ原) に生まれる。 本籍地は北海道上川郡東鷹栖町 (現旭川市)。1923年 (大正12年)、満洲医科大学 (現中国医科大学) の医師であった浅吉は勤務先の奉天市から一時出向していた東京でよりみと結婚。翌年、よりみは公房を妊娠中に唯一の小説『スフィンクスは笑う』 (異端社)[注釈 3]を上梓するが、以後は一切の筆を折った。

1925年 (大正14年)、生後8ヵ月の安部公房は家族と共に満洲に渡り、奉天の日本人地区で幼少期を過ごした。小学校での実験的な英才教育「五族協和」の理念は、後に安部の作品や思想へ大きな影響を及ぼした。1937年 (昭和12年) 4月、旧制奉天第二中学校に入学。奉天の実家にあった新潮社の世界文学全集や第一書房の近代劇全集などを読み、特にエドガー・アラン・ポーの作品に感銘を受ける。1940年 (昭和15年)、中学校を4年で飛び級して卒業。日本に帰国し旧制成城高等学校 (現成城大学) 理科乙類に入学。ドイツ語教師の阿部六郎 (阿部次郎の実弟) からの影響で戯曲や実存主義文学を耽読する。在学中、高木貞治の『解析概論』を愛読し、成城始まって以来の数学の天才と称された[4]

同年冬に、軍事教練の影響で風邪をこじらせ肺浸潤を発症。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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