『安宅家の人々』(あたかけのひとびと)は、吉屋信子の家族愛と夫婦愛、女同士の友情を描いた小説。1951年に『毎日新聞』に連載されて、翌1952年に大映で映画化された。2008年には東海テレビ製作・フジテレビ系昼ドラでテレビドラマ化された。この作品で吉屋信子は第4回日本女流文学者賞を受賞している。1990年代には講談社の大衆文学館から文庫本が出版されていた(ISBN 4062620286、現在は絶版)。 主人公・久仁子は知的障害を持つ優しい夫・宗一を支えながら養豚所を切り盛りする。幸せな日々が続く安宅家だが、夫の弟・譲二が事業に失敗し安宅家に戻ると、譲二はあやしげな儲け話に宗一を誘い、譲二の妻は宗一を愛していると言い出し、久仁子にとって落ち着かない日々がやってきた…。 安宅家の人々 2008年2月、コスモコンテンツ 東海テレビ・フジテレビ系列で2008年1月7日から3月28日まで放送の昼のテレビドラマ。放送時間は、月曜から金曜の13:30 - 14:00(JST)。全60回。 バブル経済終焉の昭和63年のクリスマス、幼馴染同士の安宅ホテルグループ会長・宗右衛門の息子・宗一と使用人の娘・久仁子は結婚した。宗一には生まれつき知的障害があり、長い間伊豆の施設にいたのだが、母・綾子が心臓病で余命いくばくもないこともあり、久しぶりに東京の安宅家に戻ってきたばかりであった。翌年、久仁子夫妻は長年閉鎖していた宗右衛門と亡き妻・綾子の思い出である安宅高原ホテルを再開する。4年後、バブル崩壊とともに破産寸前の宗一の弟・譲二とその妻・雅子が安宅家に戻ってくる。名家の出身である雅子は夫・譲二の無謀な新事業計画やチンピラ達との関係を知り、次第に穢れのない心を持った宗一に惹かれてゆく。また、宗一もピアノや生け花を通し、雅子を初めて女性として愛するようになる。それを知った久仁子は雅子に激しく嫉妬し、次第に行動がヒステリックになって行ってしまう。一方、譲二は宗一から財産を引き出そうと色々と画策するが…。
あらすじ
映画 (1952年)
左から乙羽信子、船越英二
監督久松静児
脚本水木洋子
音楽古関裕而
撮影高橋通夫
配給大映
公開 1952年5月15日
上映時間116分
製作国 日本
言語日本語
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出演
安宅國子:田中絹代
安宅宗一:船越英二
安宅譲二:三橋達也
安宅雅子:乙羽信子
宇田川次枝:三條美紀
玉木雄二郎:山村聡
高橋:大泉滉
田邊:多々良純
宗一の従兄弟:小沢栄
おとく:本間文子
勇吉:菅邦彦
幸造:飛田喜佐夫
健作:宮嶋健之
獣医:見明凡太朗
テレビドラマ(2008年)
概要
それまでの愛憎ドロドロ路線とは離れた真実の愛を描く作品になるとしていた[2]。しかし、1月7日放送の『ハピふる』内で、安宅宗一役の内田滋が「今もらっている台本では、ドロドロって感じなんですが…」とコメントしており、第32、33回での放送では久仁子が嫉妬心に駆られた悪人として描かれるなど[3]、主人公の夫・宗一を取り巻く人々との愛憎劇も多く描かれている。
1月、2月上旬までの視聴率は平凡だったが、その後、視聴率は上昇を続け、3月20日には最高視聴率9.5%(関東地区)を記録している。
第2部以降は「セックス」という単語が台詞に組み込まれることが非常に多かった。
あらすじ
登場人物
安宅(旧姓:宇田川)久仁子 - 遠藤久美子、岡野真也(幼少)
宗一の妻。安宅家の使用人の娘として、妹の仁美と幼少期から宗一・譲二兄弟と一緒に育つ。宗一と話す時の一人称は「久仁子」である。成人し、婚約者・稔の弁護士事務所で働いていたが、宗右衛門と綾子の願いで幼なじみの宗一と結婚することを決意。結婚後、安宅高原ホテルの副支配人となり、懸命にホテル経営の仕事に打ち込むが、真面目で真っ直ぐ過ぎる性格が宗一の心を閉ざす原因に。宗一が雅子を愛していることを知り、雅子への嫉妬心を抑えられず恐ろしい行動に出てしまう。家を出た母・さきと再会し、最初は頑なに拒んでいたが、和解する。宗一をかばって脚に障害を負った譲二から、一生自分の世話をしろと言われた矢先、父・英雄から5年前に書いた宗一との婚姻届が提出されていなかったことを知らされる。宗一との決別を決意すると、雅子に宗一を託し、脚に障害を負った譲二の世話にあけくれるが、その頃宗一の子を妊娠していることに気づく。
安宅宗一 - 内田滋、大久保祥太郎(幼少)
安宅家の長男。知的障害があるため伊豆の養護施設で暮していたが、母・綾子が病気のため久々に家に戻る。