うだ すすむ
宇田 進
宇田 進(うだ すすむ、1933年2月18日 - 2021年12月3日)は、日本の神学者、牧師、神学校教師、神学博士。元日本基督神学校教授。元ウェストミンスター神学校客員教授。福音派のカルヴァン主義神学者。日本基督教団出版局の『総説現代神学』で福音派神学執筆を担当するなど、福音派とは区別されるエキュメニカル派の神学界とも交流がある。 東京都生まれ。日本基督教団の教会で桑田秀延の『基督教神学概論』を読んでキリスト教と神学に接する[1]。 1954年に東京にあった日本基督神学校(現・東京基督神学校)に入学し、オーソドックスなカルヴァン主義の神学教育を受け、同時に日本長老教会に移籍する。1956年に日本基督神学校を卒業した後、母校で教鞭を取ながら久我山教会開拓伝道に従事する。1958年研修のためにアメリカ合衆国のセントルイスにあるアメリカ長老教会系の学校であるカベナント大学
経歴
1960年にフィラデルフィアにあるウェストミンスター神学校で大学院博士課程に在籍して、弁証学と組織神学を専攻する。そこで、コーネリウス・ヴァン・ティル、ジョン・マーレーの指導を受ける。同校の客員教授のレオン・モリスの講義も受講した。また、ニューヨークのユニオン神学校でも聴講して、英国のジョン・マッコーリー教授とイェール大学のジョン・スミス(英語版)教授の講義を受講した。1965年6月、ウェストミンスター神学校博士課程を修了し、神学博士を授与されて帰国する。
1965年11月16日、日本基督神学校に新設された、理事会の理事に就任する。また、1968年4月 日本基督神学校の教授会議長に就任する。1967年3月31日には代行理事会を解散して、宇田は教授会議長を退任する。
日本の福音主義神学の発展に尽力して、1970年、宇田と泉田昭、榊原康夫、村瀬俊夫ら6人で福音主義神学会の創立に関わり、同会の理事長を務める[2]。1974年、ローザンヌ会議のスピーカーを務める。
1979年から、1980年まで母校ウェストミンスター神学校客員教授を務め、キリスト教高等教育推進国際協議会の実行院長を務める。
また、東京基督教大学教授、東京基督神学校講師を務め神学教育に従事し、また牧師としても日本長老教会・西武柳沢キリスト教会牧師を開拓して、同教会の牧師を務め、聖書と精神医療研究会理事長などをも務めた。
人物像
元々、自由主義(リベラル)の教会出身で東京神学大学で学ぼうとしていたが、宣教師の勧めで福音的な神学校である日本基督神学校に進んだ。自由主義的な信仰と福音的な信仰の違いに悩んで、三回退学届けを書いたが、最終的には卒業した。
1974年にローザンヌ世界伝道会議でスピーカーをした。
ウェストミンスター神学校の恩師の神学者コーネリウス・ヴァン・ティルをキリストの次に尊敬している。
著書
『福音主義キリスト教とは何か 福音派教会のルーツをさぐる』いのちのことば社, 1984.3
『新聖書注解・コロサイ人への手紙』
『福音主義キリスト教と福音派』(1993)いのちのことば社 ISBN 4264014239
『総説現代福音主義神学』いのちのことば社, 2002.10
共編著
『ヘブル人への手紙・ヤコブの手紙』(新聖書講解シリーズ 有賀喜一共著. いのちのことば社, 1983.5
『新聖書辞典』泉田昭,服部嘉明, 舟喜信, 山口昇共編集. いのちのことば社, 1985
『ポスト・ローザンヌ これからの福音宣教を考える (共立モノグラフ 編. 東京キリスト教学園共立基督教研究所, 1987.1
『新キリスト教辞典』宇田進 [ほか]編. いのちのことば社出版部, 1991.9
『実用聖書注解』富井悠夫,宮村武夫共編 いのちのことば社, 1995.4