宇治_(伊勢市)
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宇治地区
うじ
日本
地方東海地方近畿地方
都道府県三重県
自治体伊勢市
世帯数1,932世帯
総人口3,864人( ⇒住民基本台帳、2013年3月31日)
隣接地区伊勢市四郷地区、山田地区、宮本地区、沼木地区
鳥羽市加茂地区、志摩市磯部地区、度会郡南伊勢町南勢地区
特記事項:伊勢市役所本庁管内
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現在の宇治

宇治(うじ)は三重県伊勢市地名である。伊勢神宮内宮鳥居前町として発達してきた地域であり、三重県最大の観光都市伊勢[1]を支えている。
概要

伊勢市街地南東五十鈴川の両岸に位置する平地と、内宮と外宮の中間にある古市丘陵からなり、伊勢志摩を代表する観光地を形成している。狭義には五十鈴川の両岸の平地に広がる内宮の門前町のみを宇治(または進修[2])と称し、古市丘陵は古市として別個に扱う。

『伊勢市史』によると「宇治」の範囲は以下の地区である。

地域名1955年3月以降の地名1868年12月 - 1955年3月までの地名1868年12月以前の地名
狭義の「宇治」(進修)宇治館町館町
宇治今在家町今在家町
宇治中之切町中ノ切町
宇治浦田町・宇治浦田一 - 三丁目浦田町
古市(間の山・古市丘陵・修道)桜木町上中之地蔵町
中之町下中之地蔵町
古市町
久世戸町

歴史内宮の森

日本書紀』によると垂仁天皇26年(紀元前4年)に倭姫命が宇治に巡行した際、天照大神が「この地に留まりたい」としたため磯宮として創設されたのが皇大神宮の始まりとされる。また考古学的には水流の緩やかな五十鈴川のほとりであったことから、弥生時代頃から人々が定住し始めたと見られている。また古墳時代のものと思われる道具が数多く出土している。

645年大化の改新以降に磯宮は皇大神宮に改称され、皇室の祖先神として位置付けられるようになった。それ以降、荒木田氏が代々内宮の禰宜を世襲することとなった。

中世に入ると朝廷からの資金が滞るようになったことから、荘園開発[3]に力を入れるようになる。また伊勢国司北畠氏を味方に付けることに成功し、御師の活躍もあり、外宮を擁する山田よりも優位に立つことができた。

南北朝時代には国司の北畠氏が南朝方についたことから、宇治も南朝の支配下に置かれた。室町時代には度会家行伊勢神道を興し、外宮の方が内宮よりも格が上であると主張を始める。これ以降、宇治と山田の地位が逆転するようになっていった。

この背景には地理的特性[4]も影響している。山田側はこの地理的優位性を利用して、宇治へと繋がる道を封鎖するなどして参宮客が宇治に流れるのを阻止するという強硬策に打って出た。これに対し、宇治は山田の町や神宮に火を放つなどして応戦、以降激しい対立関係となる。

山田との対立の中で宇治六郷と総称されるが形成されるようになり、それらを統括する宇治会合年寄(うじかいごうとしより)も組織された。これは明治維新以後の近代国家成立までの間、宇治の自治組織として機能された。

江戸時代にはお蔭参りの流行により大いに賑わった。そのような中で外宮と内宮の中間に位置する間の山(古市丘陵)に精進落としの町古市が成立するようになり、宇治に属することとなった。(なお、古市に関してはこちらを参照。)そうした中、山田奉行所慶長8年(1603年)に設置され、その管理下に置かれた[5]

明治時代になると伊勢神宮が国家神道の頂点とされ、皇祖神を祀る内宮を擁する宇治は国威発揚の場となった。1889年(明治22年)には長い間対立してきた山田とともに宇治山田町(うじやまだちょう)になり、1906年(明治39年)に市制を施行した。市役所等の政治の権限は山田に移り、明治以降は伊勢の文化の中心地として成長していった。

この時代には山田との連絡が強化され、国道1号(現在は国道23号及び御幸道路)や神都線路面電車)が整備された。一方、江戸時代まで参詣道の花形であった古市街道は主要道から外され、古市の町は衰退した。

1946年(昭和21年)11月20日戦後初の国立公園である伊勢志摩国立公園が誕生し、宇治も指定される。以降、国家神道から離れた観光地として賑わうこととなる。
現況

山田が衰退していく中で宇治は観光地としての活路を見出だし、「日本の心の故郷」はなお健在である。赤福の子会社である有限会社伊勢福が運営する内宮のおかげ横丁は江戸時代のお伊勢さんを再現したテーマパークのような存在であり、隣接するおはらい町と共に人気観光地となっている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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