宇治山田駅
駅舎(2018年4月)
うじやまだ
Ujiyamada
宇治山田駅(うじやまだえき)は、三重県伊勢市岩渕二丁目にある、近畿日本鉄道(近鉄)の駅である。駅番号はM74。 1931年の参宮急行電鉄(のちの近鉄大阪線・山田線)全通に際し、宇治山田市(現・伊勢市)の新たな玄関口となる伊勢神宮最寄りのターミナル駅として、前年に開かれた「御遷宮奉祝神都博覧会」の会場跡地に開設された[1]。 駅名は開業当時の市名にちなむ[2]。「宇治」と「山田」の合成地名であり、山田とは当駅界隈を含む伊勢神宮外宮の門前町、宇治とは伊勢神宮内宮の門前町(最寄駅は隣の五十鈴川駅)を指す。 当時から長距離列車の始終着駅として賑わい、また構内に貴賓室があり、天皇や内閣総理大臣の伊勢神宮参拝[注 1]の際の乗降駅となっている[4]。 駅長が置かれ、山田線櫛田駅 - 当駅間ならびに鳥羽線当駅 - 五十鈴川駅間の各駅を管理している[5]。 当駅構内に近畿日本鉄道の親会社である近鉄グループホールディングス伊勢志摩支社が置かれている。[1] 山田線と鳥羽線の2路線の接続点。 直通運転を主体としており、大阪・京都・名古屋方面と五十鈴川・賢島方面の間で特急・快速急行・急行が通る。普通列車も基本的に山田線伊勢中川駅 - (鳥羽線) - 志摩線賢島駅間の運転である。 参宮急行電鉄(参急)によって現在の近鉄大阪線・山田線にあたる大阪から伊勢神宮への参拝ルートが開かれた時、当初はこの駅の工事の遅れから隣の鉄道省山田駅(今の伊勢市駅)を暫定ターミナルとした。同社の桜井 - 山田間開業から3ヶ月たってようやく宇治山田のターミナル駅が完成し、全通に至った[6]。開業から5日後には、この駅で参急線の全通披露会と参急の親会社で直通運転を行っていた大阪電気軌道(大軌)の創立20周年祝賀会が催されている[6]。 当時としては壮大であった高架ターミナル駅(詳細は#駅構造を参照)は伊勢のみならず大阪人の羨望も集め、「伊勢では電車も高天原に着く」と洒落て呼ばれた。当時、大阪上本町 - 宇治山田間の所要時間は2時間半、運賃は2円39銭であった[1]。 開業時より半櫛形ホームで、3・4番線は将来の延伸を考慮したものになっていた。この時点では鳥羽線の建設計画はなかったものの、皇大神宮(内宮)までの延伸を計画していた。しかしこれは「余りにも恐れ多い」という理由で着工に至らず、結局ここから先へ線路が延伸されたのは開業から38年後の鳥羽線開業時であった。
概要
乗り入れ路線
歴史
年表
1931年(昭和6年)3月17日:参宮急行電鉄(参急)の山田(現在の伊勢市) - 宇治山田間開通に伴い、終着駅として開業[7][8]。
1941年(昭和16年)3月15日:大阪電気軌道(大軌)が参宮急行電鉄を合併、関西急行鉄道(関急)が発足[7][8]。線路名称の改定により山田線所属駅となる[9]。
1944年(昭和19年)6月1日:関急が南海鉄道(現在の南海電気鉄道の前身)と合併、近畿日本鉄道(近日→近鉄)の駅となる[7][8]。