宇宙大怪獣ギララ
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宇宙大怪獣ギララ

監督二本松嘉瑞
脚本二本松嘉瑞
元持栄美
石田守良
製作総指揮中島渉
出演者和崎俊也
ペギー・ニール
フランツ・グルーベル
原田糸子
藤岡弘
音楽いずみたく
主題歌「ギララのロック」
「月と星のバラード」
撮影平瀬静雄
大越千虎
編集杉原よし
配給松竹
公開1967年(昭和42年)3月25日
上映時間88分
製作国 日本
言語日本語
製作費1億5000万円
次作ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発
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『宇宙大怪獣ギララ』(うちゅうだいかいじゅうギララ)は、松竹が製作し、1967年(昭和42年)3月25日に公開されたカラー怪獣映画作品。及び、この作品に登場する架空の怪獣

同時上映は『銀の長靴(ブーツ)』『科学の驚異 ミサイル大空を飛ぶ』。[要出典]
ストーリー

謎の発光体と遭遇したという連絡後、行方不明になった宇宙船の捜査のため、日本宇宙開発局・富士宇宙センター (FAFC) の新たな宇宙船「アストロボート」(AABガンマー号)が地球から宇宙へ向かう。月ステーション経由で帰路についたアストロボートは謎の発光体と遭遇し、謎の物質の噴霧を受ける。隊員の佐野とリーザにより、噴射ノズルに付着した物質から岩石のような発光体が採集されて地球へ持ち帰られるが、研究室に保管されたそれはカプセルから消え、研究室には発光体の白いかすと鳥のような3本指の足跡が残されていた。

翌日、FAFC宇宙基地周辺に怪獣が出現する。加藤博士たちによってギララと名づけられた怪獣は、徐々に東京方面へ移動して都心を蹂躙する。自衛隊の攻撃もまったく効果がなく、エネルギーを求めてギララは原子力発電所や水力発電所を破壊しつつ巨大化したうえ、巨大な火の玉となって空を飛び回り、エネルギーを吸収できる場所を求め続ける。

一方、白いかすに含まれる物質ギララニウムがすべてのエネルギー吸収と放射線を遮断することを突き止めた佐野たちは、ギララニウムが月の岩石に豊富に含まれることも知り、月に急行する。佐野たちは発光体の妨害やギララニウム自体から出される電磁波をかわしつつ地球に帰還するが、バーマン博士が建設した濃縮ウラン原子炉の核燃料を求め、FAFC宇宙基地にギララが出現する。破壊の爆風に巻き込まれたリーザが研究室のタンクに足を挟まれる窮地のなか、なおも基地に近づこうとするギララに対し、佐野と宮本は核燃料で基地外に誘導する作戦に打って出る。
概要

松竹が制作した唯一の怪獣映画[1]。本作以前の日本映画界では、円谷英二のもと、東宝で「ゴジラシリーズ」を含めた「怪獣映画」が年2本のペースで公開されていたが、予算と特撮を駆使した怪獣映画の参入は、各社及び腰であった。このなか、1965年(昭和40年)に大映が『大怪獣ガメラ』を制作して怪獣映画市場に参入、大ヒットとしていた。

1966年(昭和41年)初頭に、円谷監督の興した円谷特技プロダクションによって制作されたテレビ番組『ウルトラQ』(TBS)が放映されると、これをきっかけに子供たちの間で、空前の「怪獣ブーム」が起こった。同年3月には大映が前年の『大怪獣ガメラ』の続編として『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』を『大魔神』と二本立て公開。前作を上回る大ヒットとした。

1967年(昭和42年)に入って、怪獣ブームはますます過熱。テレビでは怪獣の登場する特撮番組が目白押しとなり、映画界では東宝の「ゴジラシリーズ」、大映の「ガメラシリーズ」が両社のドル箱となっていた。この一大社会現象を背景に、当時斜陽化しつつあった邦画界の中、日活・松竹もこれを好機ととらえ、競い合って特撮怪獣映画を製作する事態となった[1]。こうして日活が『大巨獣ガッパ』を製作し、これに対抗して松竹が製作し、大映の『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』に続き、日活の『大巨獣ガッパ』に先駆けて春休み興行に打って出たのがこの『宇宙大怪獣ギララ』である。

『映画時報』1966年11月号には「東映が劇映画と動画をミックスした『大忍術映画ワタリ』などを出し、これが当たったので日活や松竹まで特撮映画を企画し、来年(1967年)の春休みを当て込んで公開を準備している」と書かれており[2]、『ギララ』と『ガッパ』は、『ゴジラ』『ガメラ』ではなく、『ワタリ』が切っ掛けで製作されたものである[2]。『映画年鑑 1967年版』にも「怪獣ブーム」や「怪獣映画」といった記述は一切なく、それらは全て「特撮』「特撮映画」「特撮もの」と記述されている[3]。『映画時報』1966年11月号には「特撮映画ラッシュも今年の特徴に加えていい」と書かれており[2]、1966年?1967年当時の映画界では「怪獣ブーム」や「怪獣映画」という捉え方はせず、特撮を使う映画をひっくるめて特撮映画と呼んでいた。

政府もこの一大「怪獣ブーム」を背景に、海外に売れる怪獣映画による外貨獲得の狙いをもって制作融資を行った。本作は「社団法人・映画輸出振興協会」による輸出映画産業振興金融措置の融資を受けて、製作された映画である[4][1]。製作費は松竹によると1億5000万円(当時)。

松竹は本作について、次のように解説している[5]。(原文ママ。題名の「宇宙大怪獣」と「ギララ」の間には「・」が入る)松竹では、このほど、SF(サイエンス・フィクション)的要素を盛りこんだ初の本格的特撮映画「宇宙大怪獣・ギララ」(監督二本松嘉瑞・特撮監督池田博)の製作を開始しました。すでに数年前より、大船撮影所に特殊ステージを設け、フィルム合成、色彩テストなど慎重な準備をすすめてきたのが初めて結実したものです。


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