宇宙世紀の企業
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宇宙世紀の企業(うちゅうせいきのきぎょう)では、ガンダムシリーズのうち宇宙世紀の作品に登場する架空企業について解説する。

未来の戦争を主軸とする作品の性格上、軍需産業が主体となる。
設定の経緯

リアルロボットアニメが確立してから制作された『機動戦士Ζガンダム』(1985年)以降と異なり、『機動戦士ガンダム』(1979年)の設定考証は大まかにしか創られておらず、主役であるロボット、モビルスーツ (MS) は「兵器」として描かれているものの、その開発・製造元までは設定されていなかった。しかし例外的に、MS用ではない銃器メーカーの一部は型番とともに設定され(劇中では言及されていない)、MS用部品メーカーの一部は『機動戦士ガンダム』放映時に設定画と共に公開された「透視図(いわゆる内部図解のこと)」に書かれていたものもある[1]。ただし、いずれも当初は明確に企業名とはされていなかった。

ムック『ガンダムセンチュリー』(1981年)において初めてジオニック社を始めとするジオン公国軍のMSおよびモビルアーマー (MA) の開発・製造メーカーが設定された(なお同誌はスタジオぬえのメンバー等が参加した同人誌『Gun Sight』を母体としているが、こちらにはまだメーカーの設定はない)。これら企業名の一部は後年になってゲームや映像作品の台詞の中などにも登場している。また同誌では対照的に地球連邦軍のMSの開発・製造メーカーは設定されておらず、すべて軍の官立工廠で開発されているように解説されている。

その後、制作スタッフの異なるメカニックデザイン企画『モビルスーツバリエーション』(1983年)でもこれらの設定を引き継ぎ、さらにMSが携行・内装する武器や、航空機などのメーカーが多数設定された。

OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』の外伝であるCDシネマ『ルンガ沖砲撃戦』(1992年)では、地球連邦軍MS用ビーム・ライフルの型式番号と共に、メーカーとしてブラッシュ社とボウワ社が設定された。これらの設定は初期のマスターグレード (MG) のプラモデル(1995年)の解説書などによってさらに広がりを見せ、MS用部品メーカーも数多く設定されている。

2000年代以降には、漫画『Developers』(2001年)や漫画『アッガイ博士』(2014年)など、MSメーカーやその関連企業を舞台にした外伝作品も発表されている。

『機動戦士Ζガンダム』では巨大な複合企業体であるアナハイム・エレクトロニクス (AE) 社が劇中に登場し、単なる企業に留まらず、劇中の各勢力に対して影響を及ぼす組織として描かれている。
ジオン公国系の企業
機動兵器関連(公国系)
ジオニック
ZEONIC

『ガンダムセンチュリー』で設定された。当初は英文表記のみ (ZIONIC) であったが、『MSV』で片仮名表記された[2]。その後、英文表記はジオン公国とともに変更された。OVA『機動戦士ガンダム MS IGLOO -1年戦争秘録-』第3話の台詞で企業名が語られ、公式の存在となった。

サイド3に本社を置く軍需複合メーカーで、初期はスペース・コロニー内で運用される戦車[3]、宇宙作業用ロボット[4]などの汎用民生重作業機器を手掛ける[5]。ジオン公国国防省が各兵器メーカーに対し命じた、ミノフスキー粒子散布下における新型高性能兵器の開発において人型のZI-XA3を提示、史上初のモビルスーツとして採用される。その後も試作を繰り返し、実戦用MSとしてザクIおよびザクIIを開発、公国軍の主力兵器となる[6]。ほかに陸戦用MSのグフや、公国軍最終量産型MSとなるゲルググが代表的な製品として挙げられる。さらに、火器開発部門では[7]プロトタイプザク用から[3]ザクII用に至る「ザク・マシンガン」も開発・製造している[7]

一年戦争終結直後、共和国制へ移行したジオンは同社をはじめ国家が保有する技術系企業の株式一斉売却に踏み切る[8]。売却先候補はAE社となるが、軍事技術の独占を危惧した連邦政府は同社の売却を交渉、結果価格は高騰し、双方とも出せるだけの資金を投入しても半分ずつしか売却できずに終わる[8]。この際、同社は互いの開発部門が将来ライバルとなることを見越して、それぞれに重複部分がないように分割したとされる[9]。ただし、技術者の中には終戦の混乱に乗じてアクシズに逃亡した者も多く、のちにネオ・ジオン軍の兵器開発に携わっている[10]。同社の売却によって莫大な資金を得た共和国はこれにより債務を精算し、もっとも早く復興を遂げている[8]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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