宇宙ステーション補給機
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宇宙ステーション補給機
H-II Transfer Vehicle

国際宇宙ステーションに接近するHTV初号機
詳細
目的国際宇宙ステーションへ食糧や衣類、与圧及び非与圧問わず各種実験装置などの補給物資を送り届ける。
乗員無人
諸元
高さ9.6 m
直径4.4 m
ペイロード
(HTV-2以降)合計:最大約6.0 t
(与圧部:約5.2 t)
(非与圧部:約1.5 t)
能力
持続性最低30日間、最大60日間ISSと滞在可能
遠地点460 km
近地点350 km
軌道傾斜角51.6 度

宇宙ステーション補給機(うちゅうステーションほきゅうき、H-II Transfer Vehicle、略称:HTV)は、国際宇宙ステーション(ISS)へ食料・水などの物資や機材を届ける日本無人宇宙補給機。愛称はこうのとり[1](KOUNOTORI)。宇宙開発事業団(NASDA)と後継法人の宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発し、三菱重工業三菱電機IHIエアロスペースなどの大小100社程度の企業が製造に参加した。
概要

H-IIBロケットに搭載されて種子島宇宙センターから打ち上げられ、高度約400キロメートル上空の軌道上を周回する国際宇宙ステーション(ISS)へ食糧や衣類、各種実験装置などの最大6.2トンの補給物資を送り届ける[1]。その後、使わなくなった実験機器や使用後の衣類などを積み込み、大気圏に再突入させて断熱圧縮によって焼却する。ISSとの接続にはハーモニー付近に設置されたロボットアームで掴んでハーモニーの下部の共通結合機構(CBM)に結合させる方法が採られる。初号機以降、主要機器の国産化が進められたことにより3号機でHTVの開発は完了し、4号機以降は運用機として量産が行われている[2]。三菱重工業はプライムメーカーとして開発に携わり、全部で約350社の企業が開発に参画している[3][4]

2009年の技術実証機(1号機)から2020年の9号機まで全ての補給ミッションを完遂し、その役割を終えた。[5]
開発の経緯宇宙ステーションとドッキングするHTVの当時の予想図。

1988年、日本、カナダアメリカ合衆国、および欧州宇宙機関(ESA)加盟国の政府間で宇宙基地協力協定(IGA)が署名された[6]1993年ロシア連邦も加わり、1994年に現在の国際宇宙ステーション計画が誕生した[6]。こうした中で、1994年7月の宇宙ステーション計画の了解覚書協議において、アメリカ航空宇宙局(NASA)は宇宙ステーションへの輸送を、国際パートナーがスペースシャトルでの輸送経費を実費負担する方式から、各パートナーごとが輸送能力を提供することを原則とする方式への変更を提案した[6]

これを受け、日本の宇宙開発事業団(NASDA)は1995年に宇宙ステーション補給機の概念設計を開始し、1997年にHTV開発に着手した[6]1998年2月24日に署名された宇宙基地了解覚書(MOU)においては、日本が国際宇宙ステーションへの補給義務を負うことが国際的に約束された[6]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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