学習漫画
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学習漫画(がくしゅうまんが)とは、日本における漫画のジャンルの一つ。
概要

歴史テクノロジー経済など人々が学習する内容を文章表現ではなく漫画にすることで、読者が理解し易くしたものである。「漫(まん)」の字を現在小学校では学習しないため、実際の書籍では「学習まんが」と表記されることも多い。

児童生徒向けのもの(即ち児童書)が主であったが、近年は大人向けのもの(実用書)も増えている。

学習漫画は「学習する」という性質上、制作委員会などを結成して内容の構成や方向性を決め、架空の人物・組織が登場することなどはあってもその目的を損なう加筆・脚色は許されない。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}委員会[要説明]には取り上げるテーマに精通した大学教授や知識人が監修をするケースがほとんどである。

脚色を加えつつも源氏物語原典を忠実に再現した大和和紀の『あさきゆめみし』、横山光輝の『三国志』といった一部の歴史漫画には漫画としての価値が高い[疑問点ノート]ものとして認められるものもある。また、厳密には学習漫画(児童書)ではないが、漫画のストーリーに基づいた資格取得参考書住宅新報社の「マンガでわかる資格試験シリーズ」等)や大学受験参考書なども発刊されている。元々学習漫画に近い制作背景を持つ擬人化キャラクター漫画『Axis powers ヘタリア』や『はたらく細胞』があり、両作品とも日本財団主催のプロジェクト「これも学習マンガだ!?世界発見プロジェクト?」に選定されている[1]

アメリカ軍では、第二次世界大戦期からに高等教育を受けておらず社会経験が少ない新兵向けの副読本として、任務中の注意点や生活規範などを解説した漫画(PS)が多数企画され、ウィル・アイズナーなどのコミック作家が請け負っていた。
代表的な学習漫画

単行本化されているもの。タイトル後に著者(作画担当者)名が無い作品は基本的に巻毎に異なる作家が担当(オムニバス形式)。

基本的に、集英社は「学習漫画」、小学館は「学習まんが」、学研は「学研まんが」、角川書店は「まんが学習」の商標を用いているが、登録商標ではない。講談社はシリーズによって用いる名称が異なっている。
日本史

学習漫画 日本の歴史 第一期 (集英社)1968年 全12巻 絶版

監修:和歌森太郎 作画:カゴ直利ほか


学研まんが 日本の歴史(学研)1975年 全17巻(初版は全16巻)紙書籍版は絶版だが電子書籍版は販売中

監修:樋口清之 作画:伊東章夫堀江卓田中正雄ムロタニツネ象ほか


学習まんが 少年少女 日本の歴史 (小学館)1981年 全22巻(初版は全20巻)

監修:児玉幸多(1?19巻)、荒川章二(20?21巻) 解説:金谷俊一郎(22巻)

作画:あおむら純(1?21巻)、森本一樹(22巻)

編集担当:柏原順太[2]八巻孝夫ほか[3]

80年代のまんが日本史ブームの発端となる。2018年時点でシリーズ累計2000万部以上を発行する[4]


学習漫画 日本の歴史 第二期 (集英社)1982年 全18巻 絶版

監修:笠原一男 作画久松文雄芝城太郎ほか


まんが日本の歴史大月書店)1986年 全12巻

監修:加藤文三ほか 作画:向中野義雄


新まんが日本史(学校図書)1988年 全3巻

監修:鳥海靖 作画:巴里夫


まんがで学習 年表日本の歴史(あかね書房)1988年 全5巻

監修:平野英雄 作画:カゴ直利ムロタニツネ象田中正雄ほか


マンガ日本の歴史 (中央公論新社中央公論社)1989年

作:石ノ森章太郎 (ハードカバー版:全48巻+現代篇全7巻=55巻、中公文庫版・石ノ森章太郎萬画大全集版:全55巻) 

子供向けが主流だったそれまでの学習漫画と異なり、一般層向けに日本の歴史を漫画で精巧に描いた。シリーズ累計で800万部以上を売り上げ、80年代のまんが日本史ブームの集大成となった。

各巻ごとに担当スタッフが明記されており、例を挙げると南北朝時代編の18・19巻では原案を村井章介・脚本を仲倉重郎 が手掛けている[5]。また40巻以降ではシュガー佐藤が作画協力をしている。

発行順は縄文時代末期?明治時代初期編、旧石器・縄文時代編、明治中期?昭和時代の終わりまでを描いた「現代篇」となっている。

また石ノ森は本作終了後、同じ中央公論社が手掛けた『マンガ日本の古典』シリーズで『古事記』上巻を漫画化している(マンガ日本の古典1『古事記』 1996年)。


ドラえもんの学習シリーズ ドラえもんの社会科おもしろ攻略 日本の歴史がわかる 1994年 全2巻

指導:日能研


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