学校の怪談_(映画)
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『学校の怪談』(がっこうのかいだん)は、日本の映画シリーズ。常光徹の小説『学校の怪談』(講談社)及び日本民話の会のコミック『学校の怪談シリーズ』(ポプラ社)が原作だが、内容はほぼオリジナルである。
概要

学校で起こる怪奇現象、いわゆる学校の怪談を題材とした作品。低年齢層を意識したホラー映画ではあるが、薄暗い学校を舞台とした恐怖演出は充分な迫力があり、大人でも楽しめる作りになっている。また、冒険ジュブナイル的な要素を含み、ノスタルジーを感じさせる作風から、年齢問わず人気の作品である[1][2]

「学校近辺を舞台とした怪談もの」という共通項はあるが、シリーズ毎の世界観の繋がりはほとんどなく、妖怪たちが出現する原因も様々である。野村宏伸西田尚美前田亜季米澤史織は2つ以上の作品に出演しているが、いずれも役柄は異なる。黒木瞳津川雅彦岸田今日子などの大物俳優が脇役で出演しているほか、演出家の野田秀樹が妖怪役で出演している。建て替えが進む古い木造校舎の映像記録としても貴重な存在となっている。夏公開の怪談映画であるが、作品内の季節設定は1・4作目は夏、2作目は春、3作目は秋と統一されていない。

企画はサンダンス・カンパニーの古澤利夫(藤崎貞利)[3]詳細は『それから』を参照)。東宝から古澤に企画が依頼されたもので、東宝が全額出資した[3]

全てのシリーズの予告編で流れる「うひひひひひ」の笑い声は声優田の中勇が担当。

2004年に全4作とメイキングなどの特典映像を収録したDVD5枚と4作品のパンフレットを縮小した冊子4冊を収納したランドセル型のDVD-BOXが発売された。2015年には東宝名作セレクションとして4作品がそれぞれ発売された[注釈 1]
『学校の怪談』(1995年)

学校の怪談
監督
平山秀幸
脚本奥寺佐渡子
出演者野村宏伸
音楽Fuji-Yama(諸藤彰彦
山崎茂之)
撮影柴崎幸三
編集川島章正
製作会社東宝 サンダンスカンパニー
配給東宝
公開 1995年7月8日[4]
上映時間100分[2]
製作国 日本
言語日本語
配給収入15億円[5]
(1995年度邦画4位)
次作学校の怪談2
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当時小学生の間で広がっていた学校の怪談ブームを受けて製作された[2]SFXデジタル合成などの最新技術を最小限に抑え、手作り感のある映像を目指し造られた[6]

1995年度日本アカデミー賞では脚本賞と美術賞にノミネートされた。
あらすじ

夏休みを翌日に控えた一学期終業式の日の夕方。小学2年生の美夏は絵の具箱を忘れた事に気付き、学校に取りに戻っていた。すると、意志を持ったかのように独りでに跳ねる不思議なサッカーボールを目にする。導かれるようにボールの後を追う美夏は、お化けが出ると子供たちの間で噂になっている旧校舎へと誘われていく。取り壊しが決まっていて立ち入り禁止にもかかわらず、ボールに釣られて中へ入ってしまった美夏は、トイレの中で怪奇現象に襲われ姿を消してしまう。

帰りが遅い美夏を心配した、5年生で姉の亜樹は、一人学校を訪れ、吸い寄せられるように旧校舎へ探しに行く。すると、イタズラのために人体骨格模型を運び出そうと忍び込んでいた同級生の研輔と将太に遭遇する。4年生で双子の兄の均、6年生で少し大人びた雰囲気の香織とも合流し人手が増えるも、転校してきたばかりでクラスメイトと馴染めていなかった亜樹は、研輔たちと口論となり単独で妹探しをする事に。

亜樹と別れ旧校舎から立ち去ろうとする研輔たちだったが、入って来た扉が開かなくなっており、他の方法を試すも脱出する事ができない。やがて、自分たちが旧校舎に閉じ込めらている事に気付くのだった。そして5人の前に次々と怪奇現象が襲いかかっていく。
キャスト

小向伸一 -
野村宏伸
亜樹、研輔、将太のクラス(5年3組)担任を務める、どこか頼りない先生[注釈 2]。28歳。生徒たちが旧校舎に閉じ込められている事を知り、捜索へ向かった。子供の頃は、喘息の発作をよく起こしたらしい。研輔の母・由美子とは幼馴染。小学生の頃にクマヒゲと面識があった。当初の設定では2にも同じ役柄で登場する予定だった。

篠田亜樹[4] - 遠山真澄
5年生。つい最近、東京から転校してきた。愛想がなく、強気な性格が災いしてクラスに馴染めずにいる。行方不明になった妹の美夏を探して旧校舎に入り事件に巻き込まれる。将太のイタズラにも我関せずを装っていたが、美夏には嬉々として聞かせる、友達がいない事を研輔に指摘されて落ち込むなど、本当に関心がないわけではない。ポプラ社版小説では妹の美夏と共に未登場である。

篠田美夏[4] - 米澤史織
2年生。亜樹の妹。姉の亜樹とは対照的な、明るく人懐っこい性格。また、誰もいない旧校舎のトイレで花子さんを呼ぶなど、好奇心旺盛で物怖じしない面がある。忘れ物を取りに学校へ戻ったところ、誘われるようにして旧校舎に迷い込み行方不明となる。終盤まで気絶していたため、作中の登場時間は少ない。

中村研輔[4] - 熱田一
5年生。亜樹とは反発する事が多く、口喧嘩が絶えない。ガキ大将タイプ。イタズラ道具を探しに旧校舎に侵入し、事件に巻き込まれる。集英社版小説では、亜樹に対する態度は好意の裏返しであり、事件を通じて惹かれあうようになる。

瀬川将太 - 塚田純一郎
5年生。研輔と仲が良く、よく行動を共にしている。サッカー少年。研輔に合わせて亜樹に対して冷淡に接するが、性根は気さくで心優しい。旧校舎で出会った香織に一目惚れする[注釈 3]

千葉均 - 町田耕平
4年生。双子の兄。自宅はコンビニエンスストアを経営している。気が弱く、弟の一が学校で嘔吐をしてしまった事から「ゲロ兄」という酷いあだ名を付けられている。悪霊を封じる魔法陣を使おうとしていたところ、事件に巻き込まれる。本人は自覚していないが実は超能力の持ち主で、鏡を使って双子の弟・一とテレパシーで会話できる場合がある。集英社版小説では名前が善男になっている。

千葉一 - 町田昇平
4年生。双子の弟。不登校で、親が経営するコンビニの商品によく手をつけている。かつて、兄の均が「ゲロ兄」と呼ばれるきっかけを作ってしまった。兄と同じく超能力の持ち主で、霊感が強い。均からテレパシーで情報を得ながら、校舎外で事件解決へと奮闘する。なお、演じた町田兄弟は、実際は弟役の昇平が兄で、兄役の耕平が弟である。集英社版小説では名前が光男になっている。ポプラ社版小説では未登場である。

小室香織 - 岡本綾
6年生。亜樹たちが旧校舎の中で出会う少女で、どこか不思議な雰囲気を纏う。将太に好意を寄せられており、別れ際にある思いを伝える。

中村由美子 - 杉山亜矢子
研輔の母で、地元のヤンキーたちをまとめるリーダー。早くに夫を亡くしている。伸一とは幼馴染で、病気の見舞いで自宅に顔を出す仲である。ヤンキーたちの力を借りながら、一と協力して魔法陣の完成を担う。ポプラ社版小説では未登場である。

クマヒゲ - 佐藤正宏
旧校舎内に突如現れる用務員。校内美化や公序良俗に厳しく、「廊下を走るわ」「物を散らかすわ」などと、よく愚痴をこぼしている。伸一が小学生の頃からの顔見知りだが、その頃と変わらぬ姿をしており、助けを求める子供たちの話を聞く様子がない。

校長先生 - 久保晶

均・一の母 - 広岡由里子

亜樹・美夏の母 - 水木薫

湯川先生 - 余貴美子
均・一の担任。

当直の先生 - 笹野高史
冒頭でメリーさんに襲われ亡くなる。

バイク屋社員 - 渡辺成紀

ヤンキー - 真日龍子、鈴木景子、岸田修治、嶋田豪

先生 - 伊藤留奈浦崎宏

口裂け女 - 佐藤勝栄


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