『子連れ狼』(こづれおおかみ)は、小池一夫・小島剛夕の漫画『子連れ狼』を原作とする萬屋錦之介主演のテレビ時代劇。1973年から1976年にかけて、2回の中断をはさみ全3部・合計79話が日本テレビ系列で放送された。 既に若山富三郎主演で映画化されていたが、これと並行する形で制作が決定した。この事について配給元の東宝、若山と日本テレビとの間でひと悶着あったが、結局、制作元で映像化権を持っていた勝プロダクションは日本テレビに売却。替わりに勝プロ制作、若山主演の作品(『唖侍鬼一法眼』)を用意する事などで、テレビ放映に漕ぎつけたという。 この番組は、原作の段階で既に高い人気を誇っていたが、第1部・第2部で主人公・拝一刀の息子・大五郎を演じた、西川和孝の演技(特に大五郎が一刀に「ちゃん」と呼び掛けるシーン)が評判を呼んだ。 第3部での大五郎役の交代は第2部終了から約1年半経過したことで西川が成長し大五郎の年齢設定に合わなくなったため、佐藤たくみがオーディションで後任に選出された。 若山版の映画同様、萬屋版も欧米各国で放映され、日本の武士道がわかる教材にもなり、大人気を博した。 若山版が物語の途中で打ち切られたのに対して、萬屋版は原作の最終回まで全エピソードが映像化された。
概要
主な登場人物
拝一刀 - 萬屋錦之介
大五郎 - 西川和孝(第1部・第2部)、佐藤たくみ(第3部)
柳生烈堂 - 高橋幸治(第1部)、西村晃(第2部)、佐藤慶(第3部)
阿部頼母 - 金田龍之介(第3部のみ)
公方 - 江原真二郎(第3部のみ)
ナレーター- 小林清志(第1部・第2部)、内藤武敏(第3部)
主題歌
ててご橋 / バーブ佐竹(第1部・第2部)
「ててごとははごと…」で始まる。歌詞は原作三十三話「一石橋」から。
第2部と同時期に同局で放送された特撮番組『スーパーロボット マッハバロン』第23話で、拝一刀に扮した花倉刑事(深江章喜)の登場場面で挿入歌として使用された。
子連れ狼 / 橋幸夫(第3部)
「しとしとぴっちゃん…」で始まる。歌詞は原作二十二話「別れ霜」から。本作より早く、映画版の挿入歌として作られた。のちに、北大路欣也版でも劇中で使われた。後年「テレビ探偵団」など懐かしのテレビの懐古番組で本作が取り上げられる度に、この曲をバックに第1部・第2部の映像がチョイスされていた。
第一部
スタッフ
企画:東条あきら(スタジオシップ)、梅谷茂
プロデューサー:長富忠裕(日本テレビ)、中岡潔治(中村プロ)、山本又一朗(スタジオシップ)
音楽:渡辺岳夫(選曲:鈴木清司)
主題歌:「ててご橋」 作詞:小池一雄、作曲:渡辺岳夫、歌:バーブ佐竹、コロムビアゆりかご会[1](コロムビア)
撮影:鈴木清
タイトル演出:実相寺昭雄
監督補:戸田幸雄
プロデューサー補:永野保徳 (ユニオン映画)
殺陣:尾型伸之介
ナレーター:小林清志
製作:ユニオン映画、スタジオシップ