子供の遊戯
[Wikipedia|▼Menu]

『子供の遊戯』オランダ語: Kinderspelen
英語: Children's Games

作者ピーテル・ブリューゲル
製作年1560年[1]
種類油彩、パネル
寸法118 cm × 161 cm (46 in × 63 in)
所蔵美術史美術館ウィーン

『子供の遊戯』(こどものゆうぎ, : Kinderspelen, : Children's Games)は、16世紀フランドルの画家ピーテル・ブリューゲルにより1560年に描かれた油彩画。現在、ウィーン美術史美術館に収蔵・展示されている。
来歴

1594年、ネーデルラント総督エルンスト・フォン・エスターライヒがこの絵を収集した。カレル・ヴァン・マンデルが1604年にこの絵のことに言及している。
全体的描写

描かれている子供は、幼児から若者まで幅があり、後述のように様々な遊戯が細かく描き込まれている。およそ80種類の遊戯を認めることができる。ただ、画家の意図は、単に子供の遊戯を百科事典的に寄せ集めて示すことではなく、遊戯に打ち込む子供の真剣さと、一見それよりも重要な仕事に注ぐ大人の真剣さとを同列に並べることにあったと考えられる。の目から見れば、子供の遊戯も大人の仕事も重要さでは変わらないということである。逆にいえば、市役所とも思われる大きな建物が子供たちで占められていることは、市政を取り仕切っている大人たちが神の目から見れば子供同然だという暗喩とも考えられる。このような発想は当時の文学にも見られるもので、1530年に出版された匿名のフランドルの詩では、人類は馬鹿げた遊びに夢中になっている子供と同じだという表現がある[2]
細部

左下方から順に、次のような遊戯が描かれている。

番号部分拡大図遊戯参考
01
人形遊び左下方の室内。
02ミサ」ごっこ左下方の室内。小さな祭具が使われている。
03水鉄砲とフクロウ左手の建物。鳥に水を射っている。
04仮面遊び左手の建物2階。
05ブランコ左手の建物2階。
06柵登り中央左手の庭。
07逆立ち中央左手の庭。
08「結び目」遊び中央左手の庭。体を折り曲げてねじっている。
09でんぐり返し中央左手の庭。
10柵乗り中央左手。
11結婚式ごっこ中央。
12脚の列を通る中央左手。蹴り出される脚の間を通っている。
13目隠し遊び左手の建物の前。
14鳥と遊ぶ左手の建物の前(手前)。
14b小枝で作った帽子同上。
15シャボン玉同上。
16糸巻きのおもちゃ同上。くるみの殻でできた玩具。
17くるくる回るおもちゃ左下方。
17b動物に見立ててつないだおもちゃ左下方。
18ナックルボーンズ左下端。羊のかかとの骨を投げ上げ、キャッチする、古くからある遊び。ジャックスの原型。
19洗礼ごっこ左下方。洗礼式を済ませた赤ん坊を家に連れて帰る大人の行列をまねている。
20モラ中央やや左手。じゃんけんに似た拳遊び。
21ピニャータ中央やや右手。玩具やキャンディなどを詰めて飾り付けした張り子を叩いて割る遊び。目隠しをした子供が棒で割ろうとしている。
22竹馬中央やや右手。
23馬跳び中央やや右下方。互いの背中を跳び越える。
24試合(引っ張り合い)中央やや下方。
25教皇の椅子」中央下方。つないだ手に子供を乗せる。
26木馬中央下方。
27道端の糞を棒でつつく中央下方。
28太鼓中央下方。
29フープ回し中央下方。
30樽の穴の中に叫ぶ中央下方。
31鈴付きのフープ下方やや右手。
32樽乗り下方やや右手。
33帽子投げ中央右手。開いた脚の間から帽子を投げたり、誰が遠くまで飛ばせるかを競ったりする。
34レーズンパン男中央右手。人型のレーズンパンで、冠婚葬祭時やクリスマスの時に出される。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:25 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef