子どもによるエナジードリンク摂取問題
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エナジードリンク

子どもによるエナジードリンク摂取問題(こどもによるエナジードリンクせっしゅもんだい)または未成年者によるエナジードリンク摂取問題(みせいねんしゃによるエナジードリンクせっしゅもんだい)では、未成年の者がエナジードリンクを摂取することによる影響と、未成年によるエナジードリンク購入の規制について述べる。
影響

日本の未成年者(子ども)を対象として調査された「性別・学校段階別にみたエナジードリンク摂取状況」[1]の調査では、男子小学生の45.5%、女子小学生の27.9%、男子中学生の58%、女子中学生の32.8%、男子高校生の67.6%、女子高校生の45.4%がエナジードリンクを摂取した経験があるという。

(日本)男子女子
小学生45.5%27.9%
中学生58%32.8%
高校生67.6%45.4%

エナジードリンクを購入・摂取しようと思ったきっかけとして「家族が飲んでいたから」「コンビニや自動販売機で売られていたから」「眠かったから」「美味しそうだから」が挙げられている[2]
心身に対する影響

エナジードリンクによる子どもの身体への影響は完全には把握されていない。成人/未成年に関わらず[3]、体重1キロあたり3mgまでのカフェイン摂取(すなわち体重40キロの場合は120mg)が正常に摂取できる限界とされている。エナジードリンクは、1本あたり113~142mgのカフェインが含まれているとされている[4]。この限界を超えるカフェインを一度に摂取したり、継続的に摂取すると不整脈により死亡する可能性がある[5]2015年欧州食品安全機関が、400mgを超えるカフェインの摂取は、心拍数の増加、高血圧不整脈、震え、神経過敏、不眠症パニック発作をはじめとする身体の不調のリスクがあるとした。また、長期飲用の中止後に統合失調症の様な症状が出現したとの報告が2021年にされた[6]
事例

アメリカ合衆国では、エナジードリンク[注釈 1]を摂取していた16歳の男性が死亡した事例がある[5]。また、14歳の女性が24時間以内に2本のエナジードリンク[注釈 2]を摂取したために不整脈で死亡し、遺族が製造会社を相手に提訴した事件がある[7]
規制の流れ

2014年リトアニアでエナジードリンクを未成年者(子ども)が購入することを禁止したことを皮切りに、2018年イギリスでも購入が禁止された[8][9]2023年には、スペインガリシア州で未成年者によるエナジードリンクの購入が禁止された[10]ロシアでは、およそ半数の州が未成年者へのエナジードリンクの販売を禁止した[11]
関連項目
成分・症状

カフェイン

高血圧

不整脈

不眠症

他の飲料等購入規制

二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律

二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律

注釈^ ラテ、炭酸飲料、エナジードリンクと立て続けにカフェインを摂取したことが原因とされている。
^ 2本で480mgのカフェインが含まれていた

脚注^ 野井ほか 2020, p. 169 表1.
^ 野井真吾, 千竃健人, 鹿野晶子, 田中良, 田邊弘祐, 山田直子, 渡辺晃「10?18歳の子どもにおけるエナジードリンクの摂取実態と摂取者の身体症状・生活状況の特徴」『学校保健研究』第62巻第3号、日本学校保健学会、2020年8月、166-177頁、.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}CRID 1390285697594707072、doi:10.20812/jpnjschhealth.62.3_166、ISSN 03869598。 
^ “Foodwatch.de:子供・青少年に対し Energy Drinks の販売禁止を求める(1/19) 。学習院大学文学部 ドイツ語圏文化学科”. de-gakushuin.jp (2015年1月21日). 2024年1月24日閲覧。
^ “エナジードリンクとカフェイン”. 千葉県医師会. 2024年1月25日閲覧。
^ a b 「「カフェイン飲料を一気に大量に飲み過ぎた」 健康な米16歳男子死亡で検死官」『BBCニュース』。2024年1月24日閲覧。
^ 恩田啓伍, 湯川尊行, 井上絵美子「1 エナジードリンク長期飲用の中止後に統合失調症様症状が出現したカフェイン誘発性精神病性障害の1例 (T.一般演題第21回新潟GHP研究会)」『新潟医学会雑誌』第135巻第8号、新潟医学会、2021年8月、175-175頁、CRID 1050011859812198272、hdl:10191/0002000679、ISSN 0029-0440。 
^ “カフェイン過剰摂取で少女死亡、遺族が栄養飲料製造会社を提訴”. www.afpbb.com (2012年10月22日). 2024年1月24日閲覧。
^ “リトアニア、未成年者へのエナジードリンク販売を禁止 世界初か”. www.afpbb.com (2014年11月2日). 2024年1月24日閲覧。


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