嫦娥1号
嫦娥1号のCG
所属中国国家航天局
公式ページ ⇒CLEP
国際標識番号2007-051A
嫦娥1号(じょうがいちごう/Chang'e I)は、中華人民共和国初の月周回衛星。中国の神話の中の人物嫦娥から命名された。嫦娥1号は、高度約200キロメートルのところを1年間にわたって周回し、科学的な探査を行った。探査機の運搬ロケットには長征3A型が使用され、2007年10月24日18時5分に四川省の西昌衛星発射センターから打ち上げられた。衛星の総重量は2,350 kg。大きさは2000mm×1720mm×2200mm。太陽電池パネルを展開すると全長18m。嫦娥一号は中国嫦娥計画の最初の段階のプロジェクトである。2004年1月の開始以来、このプロジェクトには14億元が費やされた。 嫦娥一号の4つの主要探査[1][2]: 4つの主要探査以外に 後期 嫦娥1号は全部で130kgの機器を搭載している。そのうち8台の主要機器が含まれる[4]。 補助機器 嫦娥一号の位置測量のための設備
探査内容
月面の3次元映像の取得CCD立体カメラとレーザ高度計を用いて月全体の立体地図を制作する。月の地質構造の変化の研究に役に立つ。将来月着陸地点の選択のために有用な参考データとなる。
月面に存在する元素の分布の調査(アルミニウム、カルシウムなどを含めた元素14種類)。また画像分光器を利用して造岩鉱物(カンラン石、輝石、斜長石など)の月面における量と分布の調査。
月の表土(レゴリス)の厚さの調査(ヘリウム3存在量の確認)
月と地球の間の環境の調査(太陽高エネルギー粒子測定器と太陽風粒子測定器を利用して太陽風のデータの記録、また太陽活動が月と地球の間の環境に与える影響を観測)
月面の地形や構造の把握
クレーターの密度や分布、大きさや形などの調査
月の進化における初期段階の調査、及び月の構造の進化の調査
月到達までの道のりで軌道変更の回数を減らすことができたため、嫦娥一号は1年余りの運用に十分な燃料を節約できた。計画運用期間が終わった時、さらに高精度な月面画像の獲得のため、衛星の軌道を100kmに調整できるかもしれない。また嫦娥一号を月にぶつける計画もある。[3]
2009年3月1日、嫦娥1号は計画の最終段階として15時36分より減速を開始、16時13分に月面の豊かの海に落下した。
搭載機器
CCD立体カメラ月面の立体映像の撮影に用いる。解像度は120m。
レーザ高度計月面の三次元画像生成の補助に用いる。月面の光を反射しない地区(例えば両極)では、地形図作成の主要な機器となる。解像度は1m。
画像分光器月面の光波の分布を調べる
ガンマ線分光器月表面の14種類の元素(チタン、ウラン、トリウム、カリウム、酸素、鉄、ケイ素、マンガン、クロム、ゲルマニウム、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、ナトリウム)の調査に用いる。
X線分光器ケイ素、アルミニウム、マグネシウムの分布を調べる
マイクロ波測定器月の表土の厚さ及び、月の裏面の輝度、温度と月両極の地上の情報を取得する(月周回衛星では世界初の試みとなる)
太陽高エネルギー粒子測定器衛星周囲の高エネルギー帯電粒子のエネルギーを測定する。
太陽風粒子測定器(低エネルギーイオン測定器)地球から月、及び月付近の空間の環境を測定する。嫦娥一号で最も早く運用を開始した機器の一つ。
大容量メモリー48GB。各種機器が出力したデータを一時的に保存。
スターセンサー、紫外線センサー衛星の位置測定に使用
地上設備
遠望型衛星追跡艦衛星の観測及びコントロール
上海余山の25m口径電波望遠鏡
ウルムチ南山の25m口径電波望遠鏡
北京市密雲県の50m口径電波望遠鏡
雲南省昆明市鳳凰山の40m口径電波望遠鏡
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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