婚約
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「婚約者」はこの項目へ転送されています。マンゾーニの小説については「いいなづけ (マンゾーニの小説)」をご覧ください。
婚約写真。ライオネル・ローグとそのフィアンセ。1906年。ラディスラウス・ポストゥムスマドレーヌ・ド・フランスの婚約。フランスのSF小説 en:Corsaire Triplexの婚約場面の挿絵

婚約(こんやく、フランス語:fiancailles, 英語:engagement, betrothal)とは、結婚約束をすること[1]。婚約した相手をフランス語では「fiance(e) フィアンセ」と言い、日本語では「婚約者」と言う。
概説

婚約の発表の形態や方法には様々な様式があり、その文化的、法的な位置づけも様々である。結婚式が宗教的になされることが多いので、婚約もまた宗教的な面が見られることが多い。キリスト教圏イスラム教圏仏教圏では、結婚や婚約の仕方は大きく異なることが多い。ただし近年では各国とも、生活の欧米化にともなって、キリスト教圏の影響が大きい。欧米の伝統的な理解では、婚約は契約であり、婚約後に履行を拒むことは契約違反と見做される。しかし、離婚の増加や婚姻に関する考え方や慣習が変化する中で、婚約破棄を契約違反とは見做さない法理や判例も現れており、アメリカでは婚約違反訴訟を廃止している州も多い[2]

婚約から結婚までの間の期間を婚約期間といい、かつては居住環境の構築や、必要となる知識やスキルを習得するなど、結婚後の生活を立ち上げるための準備期間と考えられていたが、結婚への準備が簡素化した現代では、その婚姻を本当に自分は欲しているかどうかを再検討するための猶予期間と捉えられる場合も多い[2]
世界における婚約
ローマ・カトリック

ローマ・カトリックにおいては、歴史的にはbetrothal婚約は、結婚と同程度に拘束力の強い、形式を伴った契約だと見なされていたもので、それを解除するには正式に離縁の手続きを経る必要があった[3]。婚約をした男女は、たとえ結婚式をまだ挙げていなくても、また肉体的関係を持っていなくても、夫と妻であると法的にも認められた。人々に公にする形での「婚約期間」という概念は、1215年の第4ラテラン公会議インノケンティウス3世が指揮したもの)によって導入された。「結婚することになる者たちは、教会で司祭によって人々の前で公に名を告げられるべきである。そうすることによって正統性のある障害[4]がある場合は、それがやがて明らかになるからである  ⇒Medieval Sourcebook: Twelfth Ecumenical Council: Lateran IV 1215」。このような、教会による公の告示は、banns of marriageとして知られている。地区(教区)によっては、このようなbannsを声にして読みあげることが、結婚式の一部になっている場合もある。
正教会

正教会では、婚約は伝統的に、教会堂の拝廊で行われ、男女が結婚の第一段階に入ったことを示す。神品(聖職者)が婚約者たちにキスをし、蝋燭に火をともし、彼らにそれを持たせる。連祷および参加者全員による祈祷の後、「花嫁の指輪」を花婿の右手の指にはめ、「花婿の指輪」を花嫁の指にはめる。聖職者または花婿付き添いの男がそれを3回繰り返し、それを終えた後、最後の祈りをささげる。もともとは、婚約の式は、婚約の発表と同時に行われていたが、近年では結婚式の直前に行われる傾向がある。正教会では指輪の交換は結婚式では行われず、あえて言えば婚約式の中でだけ行われる。伝統的には「花婿の指輪」は金で、「花嫁の指輪」は銀である。
欧米圏

多くの欧米圏(オーストラリア南アメリカを含む)では、婚約パーティーを開くことも多い。婚約パーティーは くだけた雰囲気で行われることが大半で、ゲストからの贈り物も求められない(ただし自主的に持参する人もいる)。またしばしば婚約指輪を交換する。
アフリカ圏

アフリカ圏では、婚約指輪を交換するという伝統的な慣習は特にない。
アジア

近代になって、生活が欧米化するにつれて、風習もだんだん欧米化していくようだが、昔ながらの伝統的な慣習に従うことも多い。

中国は地方によりいろいろな習慣があり、1978年の改革開放以来、経済発展が早い中国南方では西洋文化が導入され、婚約、結婚式なども欧米化していく傾向がある。一方で内地においては伝統習慣が強く、伝統的な式が執り行われる場合が多い。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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