妖虫
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ポータル 文学

『妖虫』(ようちゅう)は、江戸川乱歩作の長編スリラー探偵小説である。発表は1933年から1934年。本格的な謎解きよりも耽美・怪奇色が濃い。ここで言う「妖虫」は、昆虫ではなく赤いサソリ[1] の事である。
あらすじ.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。あらすじの書き方を参考にして、物語全体の流れが理解できるように(ネタバレも含めて)、著作権侵害しないようご自身の言葉で加筆を行なってください。(2014年11月)(使い方

大学生相川守はある晩、レストランで妹の珠子とその家庭教師殿村京子の三人で会食中、殿村が読唇術[2] で向かいの席の「青眼鏡の男」と相棒の秘密の会話を盗み読む。彼らは、明晩行われる犯罪の打ち合わせをしていたのだった。殿村からそれを聞き、次の日の深夜に会話にあった空家を訪ねた守は、そこで5日前に行方不明となった有名な美人女優春川月子が無残に殺される現場を目の当たりにする事となる。その賊は「赤サソリ」と名乗る兇悪な犯罪者であり、現場には「悪魔の紋章」として、赤いサソリの絵が描かれていた。警察での取り調べが済み、帰路についた守は、例の青眼鏡の男を見つけ、尾行するが、逆に拳銃で脅される。青眼鏡の男は「赤サソリ」の主犯格であり、美しい娘を惨殺するのが目的らしいのだ。「赤サソリ」の次の標的は、何と東京屈指の美少女学生として評判の、守の妹の珠子であった。

相川家では、「赤サソリ」の予告を裏付けるように珠子の身辺に青眼鏡の賊の手が伸び、家の中からサソリの絵や死骸が次々に出て来て人々を震え上がらせる。警察は頼りにならないと見た守は、名探偵三笠竜介の助力を求めようとするのだが、賊の巧みな罠にかかり、守ばかりか三笠までもが落とし穴に閉じ込められてしまう。そして、偽者の三笠が相川家から珠子を連れ出し、餌食にしかかったところを、間一髪で三笠と守が青眼鏡の裏をかいて彼女の救出に成功しかけた。ところが、三笠は正体不明の伏兵に刺され、珠子は再び拉致されてしまう。そして、銀座の有名店でマネキン人形代わりに珠子の遺骸が飾られた。

教え子を惨殺されて失意の殿村京子は相川家を去り、相川家とも親しかった桜井家の美しい娘である品子の家庭教師となるが、何と「赤サソリ」の魔手は、今度は美人ヴァイオリニストとしても知られる品子に伸びて来た。珠子の時と同じように、人々を脅かして楽しむようにサソリの絵や死骸が出て来る。そして、警官に成りすました賊はやすやすと品子を誘拐してしまったのである。守は負傷して入院中の三笠探偵を訪ねるが、彼は衰弱しており、賊の手で毒殺されかけたとの事であった。守は絶望しそうになるが、実はそれは、敵を欺くための巧みな計略であったのだ。三笠はすでに傷も癒え、ひそかに病院を抜け出して捜査を続けていたのである。彼は元気な様子を見せて、今度こそ命をかけてでも品子を助け、事件を解決する、と断言して守を安心させた。

しかし、品子の行方は皆目わからぬまま、「赤サソリ」が指定した殺害時間は刻々と迫る。三笠探偵は、どうやってこの難事件を解決しようと言うのか?そして「赤サソリ」の、青眼鏡の男の正体は?
解説

1933年(昭和8年)、雑誌『キング』の12月号から翌1934年(昭和9年)の10月号まで連載され[3]、この年の12月に新潮社から単行本化された。乱歩作品の常連探偵「明智小五郎」とは別の私立探偵「三笠竜介」が登場する作品である。

作者江戸川乱歩は、本作前年の1932年(昭和7年)の3月から二度目の休筆を行い、翌年1933年(昭和8年)の11月まで経営していた下宿屋「緑館」の売却、自宅転居、各地への放浪旅行などに費やしている。本作の連載開始に先駆け、11月からは『新青年』誌でも『悪霊』を開始していたが、時期的にはちょうどスランプ期に入り始めた頃であった。『妖虫』は一年間の連載を無事に終えたが、同時期連載開始した『悪霊』は展開に行き詰まって、三回目で中絶してしまっている。結局1933年は、乱歩は『悪霊』と『妖虫』の二作を書いたのみだった。

冒頭から大女優のバラバラ殺人に始まり、見世物小屋、女一寸法師、少女誘拐、悪人と探偵の変装合戦、銀座街頭ショーウインドウへの死体陳列など、美醜相まみえる「乱歩調」と呼ばれるエロ・グロ路線が横溢した作品となっている。連載時の挿絵は岩田専太郎が担当し、中途で岩田が病気になったため、連載第8回から小林秀恒に交代した。

乱歩本人は「自註自解」として、「相変わらずの荒唐無稽小説だが、真犯人とその動機はちょっと珍しい着想であった」と述べている。この小説を書き始めて間もなく、乱歩宅へ満州の読者からかさばった封書が届いた。乱歩が「なんだろう」と開けてみると、「当地のサソリの現物をお目にかけます」との書とともに、「中から本物のサソリの死骸が現れて、ギョッとさせられた」という。

物語冒頭で、家庭教師の殿村による読唇術が犯罪露見のきっかけとなるが、このシチュエーションは、乱歩と親しい横溝正史が戦後発表した短編『鏡の中の女』に同じものが見られる。乱歩は本作で、私設電話交換機による通話のすり替え、ぬいぐるみによる誘拐のトリックを投入している。
主要登場人物
相川 守(あいかわ まもる)
主人公で
法学部に通う大学生。探偵小説の愛読者で、探偵に憧れている。妹の危機を知って私立探偵三笠竜介に助けを求め、彼に協力しながら事件の解決に挑む。
相川 珠子(あいかわ たまこ)
守の妹。18歳[4] の女学生。美少女として評判が高い。赤サソリに誘拐され殺害される。その後美しく着飾られた遺骸が銀座の有名店のショーウインドーにさらされた。
殿村 京子(とのむら きょうこ)
珠子の家庭教師。容貌は醜いが教養豊かで信仰心も篤く、相川家の人々の信頼も深い。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:26 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef