この項目では、女性による妊娠について説明しています。男性については「男性の妊娠」をご覧ください。
妊娠
妊娠後期にある女性
概要
診療科産婦人科
症状月経不順、乳房の圧痛、吐き気と嘔吐、空腹、頻尿[1]
継続期間最後の月経から最大40週間(受胎から38週間)[2][3]
原因性交、生殖補助医療[4]
診断法妊娠検査薬[5]
合併症妊娠悪阻、妊娠糖尿病、鉄欠乏性貧血、重度の吐き気と嘔吐[6][7]
予防避妊(緊急避妊を含む)[8]
使用する医薬品葉酸、鉄サプリメント
妊娠(にんしん、英語: Pregnancy)は、哺乳類における状態の一つであり、受精卵が子宮内膜の表面に着床して母体と機能的に結合し、胎盤から臍帯を介して栄養や酸素の供給を受けて成長し、やがては出産もしくは流産に至るまでの生理的経過を指す[13]。男女間での性行為、または不妊治療の生殖医療の利用などによって起こる。
ヒトの場合は受精後平均266日、胎児が約3,000グラム程度にまで育ったところで出産に至る。妊娠中の女性は「妊婦」、分娩直前の女性は「産婦」、分娩後は「褥婦(じょくふ)」、女性の胎内にいる子どもは「胎児」と呼ばれる。人間では統計的に一度に妊娠する子は一人である場合が圧倒的に多く、子を二人以上妊娠した場合の子を学問的に多胎児と呼ばれる。一般的には二人の場合は「双子」、三人の場合は「三つ子」などと呼ばれている。
女性は胎生期に最大の卵子数を持ち、以降減少していく。このため女性の妊娠しやすさ(妊孕性、にんようせい)は、おおよそ32歳ぐらいまでは緩徐に下降し、卵子数の減少と同じくして37歳を過ぎると急激に下降していく。また、男性も年齢とともに妊孕能が低下する[14]。本項では、主にヒトの妊娠について詳細を述べる。 妊娠については、漢王朝の王充の『論衡』という書物に、「妊娠之時遭得惡也,故遭雷雨之變,長大夭死。」と初めて書かれている。 『説文解字』によれば、「妊,孕也。」。 「娠」は「胎児」と解釈され、『漢書・卷一・高帝紀上』には、「已而有娠,遂?高祖。」 生物学的に妊娠という場合は、哺乳類の胚が母体との間に胎盤を形成し発生を進める現象やその状態のことを指す[15]。 哺乳類では、胚盤胞の状態で胚が降りてきて、初めは子宮腔内において遊離状態で存在する[15]。一方、卵巣の黄体が分泌する黄体ホルモンの影響により、子宮内膜が機械的刺激に反応して脱落膜を形成し、そこに胚が着床する[15]。 妊娠期の長さは、ゾウの場合は20か月余り、キリンは約14か月、ウマは11-12か月、イヌやネコは約2か月、ネズミは約3週間である[15]。成熟度に関しては、草食獣は生後まもなく走れるほどに成熟して生まれることが多いが、外敵の少ない肉食獣は目も開かない状態で生まれてくる。また、有袋類はとても小さく未熟な状態で誕生し(子宮から出て)、母親の袋(育児嚢)内で成長する。 一度に妊娠する子の数に関しては、ネズミのように多産なものから、ゾウやゴリラのようにほぼ一頭のものまで様々である。これは、母体への負担と生後の生存率に関係していると考えられる。 女性は胎児期から、卵巣内に原始卵胞を持っている。平均して12 - 13歳で初経(当初は無排卵月経であることが多い)が起こり、その約1 - 2年後から原始卵胞は毎周期いくつか発達を始め、そのうち成熟の最終段階に至った1個が卵巣から排出されるようになる。この成熟卵子の排出を「排卵」という。
語源
哺乳類の妊娠
受胎
排卵
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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