女王陛下のお気に入り
The Favourite
監督ヨルゴス・ランティモス
脚本デボラ・デイヴィス
トニー・マクナマラ
製作セシ・デンプシー
エド・ギニー
『女王陛下のお気に入り』(じょおうへいかのおきにいり、The Favourite)は、2018年のイギリス・アイルランド・アメリカ合作の歴史コメディ映画。監督はヨルゴス・ランティモス、主演はオリヴィア・コールマンが務めた。共演はエマ・ストーン、レイチェル・ワイズ、ニコラス・ホルトら。18世紀初頭のイングランドを舞台にアン女王の寵愛を奪い合う女性2人のしたたかな攻防を描いた宮廷ドラマである[4]。第91回アカデミー賞では『ROMA/ローマ』と並び最多9部門10ノミネートを獲得し、コールマンが主演女優賞を受賞している[5]。 18世紀初頭、英国はスペイン継承戦争でハプスブルク家(オーストリア)側に付き、フランス王国との戦争の渦中にあった。しかし、アン女王は健康状態が思わしくなく、親友である側近のマールバラ公爵夫人サラを公私にわたって頼っていた。サラは宮殿内に私室を持ち、女王の寝室への隠し通路と扉の鍵も与えられていた。サラは女王とは少女時代からの親友であり、サラは女王を『アン』や『ミセス・モーリー』と、女王はサラを『ミセス・フリーマン』と互いに呼び合い、さらにサラは女王に屈託のない意見を述べ、時には女王を平手打ちにしたり貶すことさえあった。そんな中、没落貴族の娘アビゲイル・メイシャムはサラの縁故を頼って宮廷へ上がり、女中となる。 ある夜、女王は痛風の症状に苦しんで錯乱し、サラを一晩中付き添わせる。それを知ったアビゲイルは、薬草を摘み、サラに無断で女王の足に塗った。サラは激怒して、女中頭にアビゲイルを鞭打つよう命じる。女王の寝室では、サラ同席のもと重臣たちが集まり、フランス北部での戦闘計画(マルプラケの戦い)を立てていた。会議の途上、女王は足の痛みが良くなったとつぶやくと、サラはアビゲイルへの処罰を撤回して女官に格上げする。アビゲイルは個室を与えられたことを喜び、サラに身の上を話す。アビゲイルは15歳の時、父親の賭博のカタにされて醜いドイツ人の愛妾となり、以来零落していた。 女王は心身が不安定で、飼いウサギを自分の子供たち(Babiesまたはchildren)と呼んでいた。朝令暮改や気分の変化も頻繁であり、その夜も舞踏会を中座し、サラに車椅子を押させて寝室へ戻る。女王の寝室には、偶然アビゲイルがおり、彼女は女王とサラが同性愛関係であることを目撃してしまう。 アビゲイルには、若くてハンサムなサミュエル・マシャム大佐や、戦争継続に反対する政治家ロバート・ハーレーが接近する。
ストーリー