奈良線
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この項目では、西日本旅客鉄道の奈良線について説明しています。近畿日本鉄道の奈良線については「近鉄奈良線」をご覧ください。

奈良線

奈良線を走行する221系「みやこ路快速」
(2020年4月11日 京都府木津川市山城町付近)
基本情報
日本
所在地京都府
種類普通鉄道在来線幹線
起点木津駅
終点京都駅
駅数19駅
電報略号ナラセ[1]
路線記号
開業1879年8月18日
全通1896年3月13日
所有者西日本旅客鉄道
運営者西日本旅客鉄道
車両基地吹田総合車両所奈良支所
使用車両205系221系
路線諸元
路線距離34.7 km
軌間1,067 mm
線路数複線(玉水駅 - 山城多賀駅間、城陽駅 - 京都駅間)
単線(上記以外)
電化方式直流1,500 V 架空電車線方式
閉塞方式自動閉塞式
保安装置ATS-PおよびATS-SW(拠点P方式)
最高速度110 km/h
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奈良線(ならせん)は、京都府木津川市木津駅から京都府京都市下京区京都駅に至る西日本旅客鉄道(JR西日本)の鉄道路線幹線)である。

正式な起点は木津駅、終点は京都駅である[注釈 1]が、運行上や市販の時刻表では京都駅から木津駅へ向かう列車を「下り」、木津駅から京都駅へ向かう列車を「上り」としている[3][4][5][6][注釈 2]

本項では、正式な起点・終点に合わせて、本路線の駅名の並べ方や列車の走行区間などについては、木津駅→京都駅の順とする。
概要京都・奈良間鉄道路線図京都伏見付近拡大図

JR西日本のアーバンネットワークの路線の一つであり、木津駅で関西本線大和路線)と片町線(学研都市線)に、京都駅で東海道新幹線東海道本線琵琶湖線JR京都線)・山陰本線嵯峨野線)接続し、関西本線奈良駅方面との直通運転により、観光都市である奈良京都間の都市間輸送を担い、京都への通勤・通学路線であると同時に奈良と京都へ向かう観光路線でもある。

線路名称としての奈良線は木津駅 - 京都駅間であり、奈良線と称しながら全区間が京都府内にあり、奈良県内にはまったく路線がない。もともと本路線は京都駅と奈良駅を結ぶ路線として奈良鉄道により開業したものの、鉄道国有化後に木津駅以南が関西本線に編入された経緯がある。なお、関西本線の奈良駅・平城山駅でも旅客案内上は京都駅発着の列車は「奈良線」と案内され、木津駅に乗り入れる列車は全列車が関西本線に乗り入れて奈良駅発着で運転される。

ラインカラーは茶色(■)であり、選定理由は「日本の古都を結ぶクラシックな落ち着いたイメージ」としている。路線記号は D [9]

全線にわたって近畿日本鉄道(近鉄)の京都線と競合しているが、全線複線の近鉄の方が運転本数が多く、JRの奈良駅の位置が近鉄奈良駅に比べて奈良市の中心部からやや離れているため、近鉄京都線が優位な状況となっている。JR西日本はかつて全線単線であった当路線の一部区間を複線化し、快速列車の増発やスピードアップを行うことで近鉄に対抗している。ただ、外国人観光客に関しては、ジャパンレールパスが近鉄では利用できないため、JRを使うケースも多い[注釈 3]。 また、宇治駅 - 京都駅間は京阪宇治線京阪本線宇治駅 - 中書島駅 - 東福寺駅間とも並行している。

全線が大都市近郊区間の「大阪近郊区間」およびIC乗車カードICOCA」エリアに含まれている。なお上狛駅 - 長池駅間では無人駅も混在するため簡易型自動改札機が設置されている。電車特定区間とはなっておらず幹線運賃が適用されるが、特定運賃が城陽駅・奈良駅 - 京都駅間などに設定されている。
路線データ

管轄(事業種別):西日本旅客鉄道(
第一種鉄道事業者

路線距離(営業キロ):34.7 km

軌間:1,067 mm

駅数:19(起終点駅含む)

奈良線所属駅に限定した場合、関西本線所属の木津駅、東海道本線の所属の京都駅[10]が除外され、17駅となる。


複線区間:玉水駅 - 山城多賀駅間、城陽駅 - 京都駅間

電化区間:全線電化(直流1,500 V)

閉塞方式:自動閉塞式

保安装置:ATS-P(拠点P方式)およびATS-SW

運転指令所大阪総合指令所

最高速度:

110 km/h(複線区間)

95 km/h(単線区間)


IC乗車カード対応区間:

ICOCAエリア:全線(全線 PiTaPaポストペイサービス対象区間)

全区間を近畿統括本部が管轄している。
歴史近鉄京都線の橋梁下に奈良線旧線の橋台が残る(伏見駅 - 近鉄丹波橋駅間)

奈良鉄道によって奈良駅 - 木津駅 - 京都駅間が開通したが、この区間のうち桃山駅 - 京都駅間は当初現在の近鉄京都線のルートを通っていた。東海道本線の馬場駅(現在の膳所駅) - 京都駅間が東山トンネル経由の現在線に切り替えられた1921年のその日に、桃山駅 - 稲荷駅間の新線と稲荷駅 - 京都駅間の旧東海道本線が奈良線となり、桃山駅 - 伏見駅間が貨物線化され、伏見駅 - 京都駅間は廃止された。のちに桃山駅 - 京都駅間(厳密には桃山駅 - 伏見駅間の現・近鉄丹波橋駅付近まで)は近鉄京都線の前身である奈良電気鉄道に払い下げられた。

奈良電気鉄道の路線が1928年に開業した後は、運行頻度や所要時間で劣るため直通需要を大きく奪われる。戦後、1950年代にいち早く旅客列車を気動車化し、また駅の増設が行われるなどしたが、それ以降は特に目立った投資はなされず、1984年になってようやく電化が完成するといったように、完全なローカル線と化していた。国鉄時代は天王寺鉄道管理局が奈良線全線を管轄していた。

本格的な活性化策がとられるようになったのは、国鉄分割民営化に伴いJR西日本の所属路線となってからである。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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