奇跡の海
Breaking the Waves
監督ラース・フォン・トリアー
脚本ラース・フォン・トリアー
製作ヴィベク・ウィンドレフ
ピーター・オルベク・イェンセン
製作総指揮ラーシュ・ヨンソン
出演者エミリー・ワトソン
ステラン・スカルスガルド
カトリン・カートリッジ
音楽レイ・ウィリアムズ
撮影ロビー・ミューラー
編集アナス・レフン
製作会社ゼントロパ
『奇跡の海』(きせきのうみ、原題:Breaking the Waves, デンマーク語のワーキングタイトル: Amor omnie)は、ラース・フォン・トリアー監督、エミリー・ワトソン主演、ステラン・スカルスガルド助演で、1996年に制作されたドラマ映画。 手持ちカメラ撮影などの手法にはフォン・トリアーらが前年発表した『映画の純潔の誓い』である「ドグマ95」の影響が見られるが、ドグマ95にはこの映画は参加していない。大部分はスカイ島などのスコットランド現地ロケであるが、室内シーンではデンマークのスタジオを利用した部分が相当あるなど、ドグマのルールには基づいていない部分が見られる。また神への献身と愛というテーマでは、デンマークの先人カール・テオドール・ドライヤーやスウェーデンのイングマール・ベルイマンらの影響が濃く見られる。 『奇跡の海』は1996年カンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリを獲得、1996年ヨーロッパ映画賞で3部門を受賞した。また新人エミリー・ワトソンの鬼気迫る演技には高い評価が寄せられ、1996年ヨーロッパ映画賞年間女優賞、同年全米映画批評家協会賞、同年ニューヨーク映画批評家協会賞を受賞した他、1997年英国アカデミー賞 主演女優賞、1996年アカデミー主演女優賞にもノミネートされた。 映画は章仕立てになっており、各章の冒頭では印象的な色彩の風景をバックに1960年代から1970年代のロックが流れる。 舞台は1970年代のスコットランド・高地地方の海沿いの荒野。長老教会の影響が色濃い寒村に住む主人公のベス(エミリー・ワトソン)は、やや単純で無垢で、信仰篤い女性である。彼女は教会で自分で神に問いかけ自分で答え、それを神との対話と信じている。彼女は排他的な村人達の心配をよそに、沖合いの北海油田の海上掘削基地(石油プラットフォーム)で働くよそ者のヤン(ステラン・スカルスガルド)と結婚し愛し合う。だがヤンは油田作業で不在の日々が続き、ヤンなしでは生きてゆけないベスは教会でヤンが早く陸へ帰るように祈った。 祈りが通じたのか、ヤンは突然陸に帰ってくる。
概要
ストーリー