失神
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失神

概要
分類および外部参照情報
ICD-10R55
ICD-9-CM780.2
DiseasesDB27303
eMedicinemed/3385 ped/2188 emerg/876
MeSHD013575
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失神(しっしん、英語: syncope)とは、大脳皮質全体あるいは脳幹血流が瞬間的に遮断されることによっておこる一過性の瞬間的な意識消失発作である。気絶(きぜつ)、卒倒(そっとう)とも言う。
解説

通常は数分で回復し、意識障害などの後遺症を起こすことはない。失神が起こる前に、目の前が真っ暗になる感じや、めまい感、悪心などがあり、その後顔面蒼白となり、ついに意識が消失する。また、失神の発作は、立っている時に起こることが多い。ただし、座位で発症する場合が30-40%あり、たとえば背もたれのある椅子に座った状態で失神すると寄りかかったまま意識を失い、失神が長く続く原因となる。失神が立位で発症する場合にも、突然に血圧が低下して転倒する場合、徐々に血圧が低下して、くず折れるように座り込む場合など、発症時の様子は様々である[1]

失神が起こるのは通常、数十秒から数分間と比較的短い時間であり、その後は自然に意識が戻り何らかの後遺症が残ることはないが、以下のような場合には注意が必要である[2]

意識は取り戻したが通常通りに活動ができない、様子がおかしい

しばらく呼んだり強く叩いたりしても、意識を取り戻さない

このような場合には、脳などに重篤な病気が起こっている危険性があるため、救急車の要請が必要である。

失神は横から見るととても恐ろしいものだが、意外にも疫学的には比較的良性の症状である。すでに心臓病を患っており、失神している場合は、すぐに医師の診察を受けること[3]
原因分類

発症機序のよって、「起立性低血圧」「反射性(神経調節性)失神」「心原性(心血管性)失神」の 3つに大別される[4][5]
起立性低血圧による失神
原発性自律神経障害純型自律神経失調症、多系統萎縮、自律神経障害を伴うパーキンソン病、レビー小体型認知症

続発性自律神経障害糖尿病、アミロイドーシス、尿毒症、脊髄損傷

薬剤性アルコール、血管拡張薬、利尿薬、フェノチアジン、抗うつ薬

循環血液量減少出血、下痢、嘔吐等


反射性(神経調節性)失神
血管迷走神経性失神
感情ストレス(恐怖、疼痛、侵襲的器具の使用、採血等)

起立負荷


状況失神
咳嗽、くしゃみ

消化器系(嚥下、排便、内臓痛)

排尿(排尿後)

運動後

食後

その他(笑う、金管楽器吹奏、重量挙げ)


頸動脈洞症候群

非定型(明瞭な誘因がない/発症が非定型)


心原性(心血管性)失神
不整脈(一次的要因として)
徐脈性:洞機能不全(徐脈頻脈症候群を含む)、房室伝導系障害、ペースメーカ機能不全

頻脈性:上室性、心室性(特発性、器質的心疾患やチャネル病に続発)

薬剤誘発性の徐脈、頻脈


器質的疾患
心疾患 :弁膜症、急性心筋梗塞/虚血、肥大型心筋症、心臓腫瘤(心房粘液腫、腫瘍等)、心膜疾患(タンポナーデ)、先天的冠動脈異常、人工弁機能不全

その他:肺塞栓症、急性大動脈解離、肺高血圧




失神と鑑別を要する意識障害の原因

失神の診断・治療ガイドライン2012年改訂版[4]では、下記との鑑別が必要とされている。
意識消失(完全から不完全)を来すが、脳全体の低灌流を伴わないもの
てんかん

代謝性疾患(低血糖、低酸素血症、高二酸化炭素血症を伴う過呼吸)

中毒

椎骨脳底動脈系の一過性脳虚血発作


意識消失を伴わないもの
脱力発作 (cataplexy)

転倒発作 (drop attacks)

転倒

機能性(心因性)

頸動脈起源の一過性脳虚血発作


失神のマネジメント

大脳皮質全体、あるいは脳幹の血流が瞬間的に遮断されるような病態で失神は起こる。頻度としてはほとんどが循環器疾患である。脳血管障害、特にTIAによるものは非常に稀である。これは解剖学によって説明ができる。大脳皮質全体の血流を遮断するには脳を灌流する4本の血管(左右の内頚動脈椎骨動脈)を同時に遮断しなければならない。血管病変では、これは非常に可能性が低い。事実、多くの格闘技でいわゆる絞め技でも瞬時に相手を失神させることはできないことから明らかである。例外として脳底動脈が遮断された場合は失神を起こしえる。症状が意識障害のみではTIAの診断基準を満たすことはできない。脳底動脈領域のTIAの場合は意識消失の前または後に神経脱落症状(多くは複視、片麻痺、小脳失調、脳神経所見)が認められるのが一般的である。

失神で特に危険なのは致死的不整脈、すなわち心室細動心室頻拍が一過性に起こった場合である。致死的不整脈による失神は本当に瞬時に起こるため受け身をとることができない。そのため顔面外傷などの合併をみたら念入りに心疾患を探さなければならない。失神の患者を診る場合は必ず失神の原因検索(大抵は不整脈が原因なのでまずは心電図、必要なら不整脈の原因となる心疾患を検索する)と外傷検索を同時に行うことである。特に頭部打撲ではネックカラーによる固定、必要ならばJATECプロトコールにて対処を行う。わずかながら存在する脳血管性の失神の場合は失神後、頭痛麻痺などの症状が伴う場合が多い。このような神経学的異常や頭部外傷を認める場合は頭部CTも施行する価値はあるがルーチンとしては特に必要ではない。失神後痺れを訴える患者などでは非常に悩ましい。近年、脳ドック普及などによって微小梗塞が数多く指摘されるようになり、それに伴い痺れを脳梗塞の前駆症状ととらえる人もいる。しかし基本的に痺れはほとんどの場合は脳血管障害と関係はないとされている。

重要な情報としては病歴に疼痛悪心下痢吐血下血メレナなどがあるか、バイタルサインの動き、眼瞼結膜の貧血、頸動脈狭窄音、心雑音、直腸診による便潜血などがある。検査としては一般的な検査のほかに血糖、ラピチェック、トロップT、D-ダイマーを測定することが望ましい。血液ガスにて代謝性アシドーシスがないということは痙攣との鑑別となる。

救急室では34%もの失神の原因が不明となってしまうとされている。厳密な原因の分析が困難な場合は重篤な疾患のスクリーニングを行う場合がある。この時に重要視する失神の原因は大きく分けると4つであり、心血管性失神、起立性失神(特に出血、脱水、貧血)、血管迷走神経反射性失神、薬剤性失神である。これらの原因のスクリーニングとしては心電図、血算、妊娠反応がよく用いられる。

失神の患者は重篤な不整脈がある可能性があるので原則としては入院が必要である。ただし、神経原性失神、起立性低血圧、飲酒時の失神、心因性失神と診断がついていればそのまま帰すことができる。またこれらの診断のみならば予後が変化することはない(見落としがなければ)。高齢者の場合は入念な精査が必要になる場合もあるので、入院を念頭に置いた方が無難だとされている。
心血管性失神

心血管性失神であった場合は1年後の突然死のリスクが18 - 33%もあるため最も重要な原因のひとつである。心血管性失神を除外できない場合は入院が必要となることがある。心血管性失神の赤旗徴候(red flag)としては以下の項目が知られている。

前駆症状(神経脱落症状など)のない5秒以内の意識消失

仰臥位発症、労作時発症

失神の前に胸痛、動悸、息切れが伴った場合

65歳以上

心疾患のリスクや心不全がある場合


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