太陽電池
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この項目では、狭義の太陽電池、つまり太陽電池のひとつのセルについて説明しています。

太陽電池を複数集めて枠に入れパネル状にしたものについては「ソーラーパネル」をご覧ください。

発電方式については「太陽光発電」をご覧ください。

単結晶シリコン型太陽電池色素増感太陽電池

太陽電池(たいようでんち、: solar cell)は、光起電力効果を利用して、光エネルギー電気エネルギー電力)に変換する[1]電力機器である。主に、太陽光から電力を得る目的で使用される。"電池"と表現されるが、電力を蓄える蓄電機能は持っていない。タイプは大きく分けてシリコン系、化合物系、有機系がある。
用途結晶シリコン型太陽電池の代表的構造

太陽電池の用途と、採用されている理由を以下に挙げる(太陽光発電の項も参照のこと)。

電池の交換が不要となる ⇒電卓腕時計携帯電話の充電器、懐中電灯ラジオ

給電線(外部商用電源との接続)の配線工事が不要となる ⇒道路標識、庭園灯、街路灯、駐車券発行機、自動販売機太陽熱温水器、カーバッテリーの充電器

系統連系不要で発電できる ⇒海洋や山岳地帯の観測機器、人工衛星宇宙ステーション、離島、非常用電源など

化石燃料の消費による環境負荷を低減できる ⇒家庭用太陽光発電設備、産業用太陽光発電所、ソーラーカーソーラープレーン、太陽熱温水器

長期間使用する場合に電気料金上のメリットが出る ⇒家庭用太陽光発電設備、産業用太陽光発電所

種類

光吸収層の材料、および素子の形態などにより、多くの種類に分類される。それぞれ異なる特徴を持ち、用途に応じて使い分けられている。
シリコン系

シリコンを用いる太陽電池は、a.材料の性質の観点からは、大きく結晶シリコンとアモルファスシリコンに分類することができる。またそのb.形態の観点から、薄膜型や多接合型などを分別することができる。その形式や性能は非常に多様であり、近年は複数の型を複合させたものも実用化されている。このため、ここに挙げた分類法も絶対のものではないことを付記しておく。太陽電池に用いられるシリコンの純度、格子欠陥は集積回路用に比べて基準がゆるく、これまでは集積回路用のシリコンが用いられてきたが、太陽電池の生産量が増加するに従い、ソーラーグレードのシリコン材料の供給が望まれてきた。シリコンの高純度化には従来、水素とシリコンを反応させて蒸留して純度を高める化学的な手法が使用されていたが、近年は冶金的な手法により、真空中で電子ビームを照射する事によってシリコン中の不純物の気化精製、凝固精製を行い不純物を除去する事により、純度を高めるプロセスも開発されている[2]
材質の観点による分類

結晶シリコンの禁制帯幅は 1.12 eV であり、太陽電池に用いた場合、近紫外域から 1.2 μm 程度までのを吸収して発電できる。間接遷移型の半導体であるため光吸収係数が低く、実用的な吸収量を得るには最低200μm程度のシリコン層が必要とされてきた。しかし表面テクスチャなどを用いた光閉じ込め技術が発達してきており、近年は結晶シリコンであってもシリコン層が数 μm?50 μmなどと非常に薄く、薄膜太陽電池に分類できるものも開発されている。c-Siなどと略記される。
単結晶シリコン型
高純度シリコン単結晶ウエハを半導体基板として利用するもので、最も古くから使われている。変換効率は高いが高純度シリコンの利用量が多く、生産に必要なエネルギーやコストが高くなる。そのため近年は下記の多結晶シリコンや薄膜シリコン太陽電池に移行が進んでいる。
多結晶シリコン型
結晶の粒径が数mm程度の多結晶シリコンを利用した太陽電池。他のシリコン半導体素子の製造過程で生じた端材やオフグレード品のシリコン原料を利用して製造できる。単結晶シリコンに比べると面積あたりの出力(変換効率)は落ちるが、生産に必要なエネルギーは少なく、エネルギー収支やEPT、GEG排出量の面では単結晶シリコンより優れる。コストと性能のバランスの良さから、現在の主流となっている。近年はウエハを薄型化するコスト削減技術の競争が進んでおり、2004年の300μm厚から、2010年には150μm厚に半減すると予想されている[3]。また、ガラス上に非常に薄い多結晶シリコン太陽電池を形成する、CSG(またはSOG)技術の普及も有望視されている[4]化学気相成長により成膜するため生産過程でSiH4、NH3、H2などのガスを使用する。
微結晶シリコン型


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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