この記事に雑多な内容を羅列した節があります。事項を箇条書きで列挙しただけの節は、本文として組み入れるか、または整理・除去する必要があります。(2013年6月)
太陽を盗んだ男
The man who stole the sun
監督長谷川和彦
脚本長谷川和彦
レナード・シュレイダー
原作レナード・シュレイダー
製作山本又一朗
製作総指揮伊地智啓
出演者沢田研二
菅原文太
音楽作曲・井上堯之
編曲・星勝
撮影鈴木達夫
編集鈴木晄
製作会社キティ・フィルム
配給東宝
公開 1979年10月6日
上映時間147分
製作国 日本
言語日本語
製作費3億9000万円
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『太陽を盗んだ男』(たいようをぬすんだおとこ)は、1979年10月6日に公開された日本映画。沢田研二主演・長谷川和彦監督[1]によるアクション映画。脚本は長谷川とレナード・シュレイダー[2]。製作はキティ・フィルム、配給は東宝。音楽担当は作曲が井上堯之、編曲は星勝。 「原爆を作って政府を脅迫する」という内容の日本映画[3][4][5]。大掛かりなカーアクション[6][7][8]、国会議事堂や皇居前、首都高速をはじめとしたゲリラ的なロケーション[9][10]、シリアスで重い内容と、エネルギッシュな活劇要素が渾然となった作品である[5][11][12][13]。 原子爆弾製造や皇居前バスジャックなど、当時としてもかなりきわどい内容[9][14][15][16]。胎内被曝者でもある長谷川和彦監督の社会に対する辛辣なメッセージがエンターテインメントとして炸裂している[17]。 公開時、数々の映画賞に輝いたが[5][18]、本作は長らくカルト映画の位置付けで[8][18][19][20]、発売されていたビデオも廃盤になるとレンタルビデオ店でも見つからず[18]、視聴が困難な時期があり[21]、『狂い咲きサンダーロード』との邦画2本立ては、1980年代の名画座の定番プログラムであった[8][22]。 しかし、年々一般的な評価を高め[12][18][23][24][25]、『キネマ旬報』1999年「映画人が選んだオールタイムベスト100」日本映画篇では13位、2009年「オールタイム・ベスト映画遺産200(日本映画編)」〈日本映画史上ベストテン〉では歴代第7位に選ばれた[13][23][26][27]。1970年代以降の作品としては、『仁義なき戦い』の第5位に次ぐものである。『キネマ旬報』2018年8月上旬号「1970年代日本映画ベスト・テン」では『仁義なき戦い』を逆転し、第1位に選ばれている[28][29]。 中学校の理科教師である城戸誠(沢田研二)は、日頃から遅刻を繰り返したり無気力な教師であった。 そんなある日、生徒たちを引率して原子力発電所の社会科見学を終えた時、突如として大量の火器を持つ老人にバスジャックされる。彼の要求は「ただちに皇居へ向かい、天皇陛下に合わせろ」。誠と生徒らを載せたバスは一直線に皇居へと向かう。 事件を解決すべく、丸の内警察署捜査一課の山下警部(菅原文太)らによる犯人確保と人質救出作戦が始まった。山下は誠と協力し、老人の前に白旗を持って現れる。生徒達を盾にしてバスを降りてきた老人を、山下は咄嗟に取り押さえる。そして狙撃犯により老人は倒れ、山下は自ら傷を負いながらも救出してみせた。一連の出来事に誠はただ圧倒されるしかなかった。 それから誠は変わった。休み時間に学校のネットをよじ登る、授業は学級崩壊を気にせず延々と原子力や原爆の作り方についての講義を行う等の奇行が始まった。しかし、これは彼がこれから起こす犯罪のためのトレーニングだった。 ある日、誠は茨城県東海村の原子力発電所[注 1]から液体プルトニウムを強奪し、アパートの自室で悪戦苦闘しつつも[注 2]原爆を完成させた。そして、精製した金属プルトニウムの欠片を仕込んだダミー原爆を国会議事堂に置き日本政府を脅迫し、その交渉相手として山下警部を指名する。 誠の第1の要求は「プロ野球のナイターを試合の最後まで中継させろ」。電話を介しての山下との対決の結果、その夜の巨人対大洋戦は急遽完全中継される。快哉を叫ぶ誠は山下に「俺は『9番』」と名乗る[注 3]。 第2の要求を何にするか思いつかずに迷う誠は、愛聴するラジオのDJ・ゼロこと沢井零子(池上季実子)を巻き込む。多数のリスナーも交えた公開リクエストの結果、誠の決めた第2の要求は「ローリング・ストーンズ日本公演」[注 4]。これにも従わざるを得ない山下だったが、転機が訪れた。原爆製造のため借金したサラ金業者に返済を迫られた誠が、出した第3の要求「現金5億円」であった。山下は現金の受け渡しなら犯人は必ず現れると奮起する。電話での会話を好む、逆探知の時間を把握していてギリギリまで話す誠のクセを逆手に取り、電電公社に電話の逆探知時間を短縮させる[注 5]罠を仕掛ける山下。その作戦は的中し、逆探知により誠が東急デパートの屋上から電話をしていることが判明し、東急デパートの出入口を警察が封鎖する。初めて作戦が失敗した誠はトイレに駆け込むも歯茎から出血、突然の吐き気が襲うなど被曝の症状が進んでいる事を知り、動揺もあり封鎖を突破することが難しいと観念した誠は、山下に原爆のありかを教え、原爆のタイマー解除を交換条件として、持ってきていた5億円を屋上からばら撒くことと封鎖を解くことを指示する。一万円札が空から降ってきて大騒ぎになっている街の中を、誠は逃げ切ることに成功する。 原爆を回収した山下たちは、起爆装置を解除することに成功したが、解体までは作業が進んでいなかった。誠は原爆が保管されているビルを襲い原爆を奪取すると車で逃走、追跡する警察との激しいカーチェイスの末、零子が事故の巻き添えになる。誠は一時的な感情の落ち込みを見せるものの、無表情のまま再び原爆を組み上げるのであった。 ローリングストーンズ公演の日、ついに山下と誠は対峙する。ローリングストーンズの来日はもともと予定されておらず、観客にわざと暴動を起こさせ全員まとめて逮捕、その中から犯人を洗い出すという作戦であった。誠は山下を原爆を置いていたビルの屋上まで連れて行って銃で撃つが、銃弾を何発も身に受けながらも、山下は誠を道連れにしようと屋上から転落する。山下は全身を強打して殉職したものの、誠はどうにか生き長らえる。 誠は被曝で弱った上に転落で負った怪我で流血が止まらないまま、原爆を持ちながら街を歩き、やがて30分が過ぎる。
概要
あらすじ
キャスト
城戸誠:沢田研二[注 6]
山下満州男警部:菅原文太[注 6]
沢井零子(ゼロ):池上季実子
田中警察庁長官:北村和夫
仲山総理大臣秘書:神山繁
市川博士:佐藤慶
バスジャック犯・山崎留吉:伊藤雄之助(特別出演)
水島刑事:汐路章
里見刑事:市川好朗
石川刑事:石山雄大
佐々木刑事:森大河
デパートの刑事:木樽仙三
田所刑事:中平哲仟
田中長官の部下・江川:江角英明
ラジオプロデューサー・浅井:風間杜夫
電電公社技師:草薙幸二郎
サラ金の係員:小松方正
デパートの刑事:浜口竜哉