太陽の牙ダグラム
[Wikipedia|▼Menu]

.mw-parser-output .hatnote{margin:0.5em 0;padding:3px 2em;background-color:transparent;border-bottom:1px solid #a2a9b1;font-size:90%}

「ダグラム」はこの項目へ転送されています。主役ロボットについては「コンバットアーマー#ダグラム」をご覧ください。
.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}この項目に含まれる文字「牙」は、オペレーティングシステムブラウザなどの環境により表示が異なります。

太陽の牙ダグラム
ジャンルSFロボットアニメ
アニメ
原作高橋良輔星山博之
監督高橋良輔、神田武幸
キャラクターデザイン吉川惣司塩山紀生
メカニックデザイン大河原邦男
音楽冬木透
アニメーション制作日本サンライズ
放送局テレビ東京
放送期間1981年10月23日 - 1983年3月25日
話数全75話(内総集編3話)
テンプレート - ノート
プロジェクトアニメ
ポータルアニメ

『太陽の牙ダグラム』(たいようのきばダグラム)は、1981年(昭和56年)10月23日から1983年(昭和58年)3月25日までテレビ東京で全75話が放送された、日本サンライズ製作のSFアニメロボットアニメ)。放送時間は第19話までが毎週金曜日18:00 - 18:30、第20話以降は毎週金曜日17:55 - 18:25(年末年始特別編成の関係で、第11話は火曜日17:00 - 17:30、第63話は金曜日10:00 - 10:30に放送された)。
作品概要

高橋良輔ロボットアニメ初監督作品。同時期、若者の間で好評を博した『機動戦士ガンダム』や『伝説巨神イデオン』を意識し、子どもたちだけでなく、その父親層までも視聴者に取り込むことを目的とし[1]、単なる勧善懲悪ではなく実際にあり得るのと同じ独立戦争をテーマとし、その発端から終結までを描く。「ガンダム」と異なり、本作の主人公は分離主義側である。登場人物たちはそれぞれの政治的使命や信念に基づいて行動し、単純な悪役が存在しないリアルなストーリーを追求している。そのため、少年向けアニメには珍しく複雑な社会構造を背景とした重厚な政治ドラマや戦略的駆け引きが展開される。また、喫煙シーンが多かったのも特徴的である[注釈 1]

第1話の冒頭に朽ち果てたダグラムを登場させるショッキングな演出があり、映画版のポスターやチラシも砂漠に放置されたダグラムの残骸のイラストが用いられた。この演出は戦場まんがシリーズ「鉄の竜騎兵」から着想を得ており、高橋は後にOVA「ザ・コクピット」制作のオファーがあった際、即座に同話の監督を希望したことを同作DVDの映像特典インタビューで語っている。
企画の経緯

本作の企画を立てたのはサンライズの山浦栄二とタカラ(現・タカラトミー)の沼本清海である。両者はガンダムのブームに注目して、よりミリタリー色の強い企画を発案し、サンライズ企画室はタカラに叩き台の企画として「スペースバッファロー」を提出した。これは足軽の少年が大将に出世するSF戦国時代ものだった。この企画書に添えるロボットをデザインしたのは大河原邦男である。大河原によると「顔は戦闘ヘリコプターの風防」のロボットで、ダグラムの原型となった。監督に有力視された高橋良輔は「ロボットものはやらない」としていたが、『ガンダム』を見て考えを改め、この企画への参加を決断。しかし高橋は自分のロボットアニメの経験不足を懸念しており、ロボットアニメの経験豊富な神田武幸との共同監督を提案し、サンライズの経営陣の了承を得た。

企画は戦国時代から植民惑星の独立ものに変わり、タイトルも『ザクティクス』など[注釈 2]を経て『ダグラム』になった。吉川惣司がキャラクターの原案からクリーンナップを手掛け、サブキャラクターデザインと作画監督チーフは塩山紀生が担当した。作画はマジックバス中村プロダクションアニメアールネオメディアなどに発注された[2]

本作の作画スケジュールは逼迫し、プロデューサーの岩崎正美と製作デスクの山本之文も作画に参加。2人の共同ペンネームとして「岩本正之」が使われた。さらに台湾のアニメ会社にも発注され、岩崎は本作の放映中は1年の半分を海外で過ごしたという。

ミリタリー色の強い本作の「華のなさ」を懸念した岩崎はアイキャッチでクリンとディジーが往き違うようにした。これは『君の名は』風の「戦場でのすれ違いラブロマンス」を演出する狙いだったという。視聴率と関連商品の売行きは好調で6クール放映になった[2]
デュアルマガジン

なお、本作をメイン企画として押し出し創刊されたタカラの『デュアルマガジン』誌上では、編集会社の伸童舎が本作とはまったく異なる世界観を持ったパロディ企画漫画『デロイアナナちゃん』を連載した。本作とは全く毛色の異なる軍事色の一切ない学園モノで、登場人物はCBアーマー型のコスチュームに身を包む女子高生となっている。作者は中原れいで、本作執筆当時のペンネームは「あむろ・れい」であった。なお、本作は誌面の下部1/4以下のいわゆる「床部」に主に位置していた(まれにそれ以外の位置に掲載されている場合もあった)。

なお、『デロイアナナちゃん』に通じる擬人化メカ少女「MS少女」や、『銀河お嬢様伝説ユナ』シリーズを生み出した明貴美加も、本誌にライターとして参加している。
『アニメック』誌との確執「アニメック#特徴」も参照

「ストーリー展開がわかりづらい」「主人公たちの行動が大局にほとんど影響していない」「ロボットアニメではなく政治アニメ」さらには「主人公、ダグラムがいなくても物語が成立している」など、アニメ雑誌『アニメック』からは批判的な声も挙がった。

『アニメック』は、当時のアニメ雑誌の中でも特に『ダグラム』への批判的記事が多かった。その中で1982年発行の27号では「ガンバレ特集 太陽の牙ダグラム」と題した特集記事が掲載された。この特集では、監督である高橋良輔のロングインタビューも載せて「作り手側の見解」も紹介したが、「ひねくれコンバットアーマー解説」という記事は、登場するメカを「歩くぶたまん」「ぶさいく」と評した[注釈 3]のをはじめ、頭部がコックピットであることを揶揄して、『機動戦士ガンダム』最終回でガンダムの頭部を破壊された際のアムロ・レイのセリフをもじって「(もし頭部を破壊されたら)『たかがコックピットをやられただけだ!』と叫んでみよう」と記したり、防水されていないので水中では活動できないという設定のメカを「雨が降ったら出撃できない」という間違った批判をし[注釈 4]、さらには「デカールを貼ればガルダンでもリアルタイプ」と書くなど筆者の個人的な偏見が色濃く盛り込まれていた。

翌28号では、読者投稿欄でのクレームに対し、副編集長の井上伸一郎が「あの記事が掲載されてしまった裏には、担当記者が『副編集長に見せると没にされる』と恐れ勝手に入稿してしまい、こちらが気づいた時にはすでに校正段階―といった恥ずべき背景があるのですが、いずれにせよ弁解の余地はありません」と謝罪のコメントを出した。
あらすじ
物語

地球の植民惑星デロイアでは地球に対する不満が高まり、独立運動が勢いを増していた。ある日、デロイア星の首都カーディナル市で、地球連邦評議会議長のドナン・カシムら評議会の議員たちを、地球連邦軍第8軍大佐フォン・シュタイン率いる部隊が監禁し、デロイアの独立を宣言するという事件が起こる。事件の報道を聞いたドナンの息子クリン・カシムは地球連邦軍の救出部隊に志願し、人質の解放に尽力した。

しかし、救出されたドナンはフォン・シュタインを免罪し、デロイアを地球連邦の8番目の自治州に昇格させ、フォン・シュタインをその代表に任命した。一方、ドナンは事件の首謀者としてデロイア独立を支持した代議員を投獄し、フォン・シュタインに呼応して立ち上がった独立運動家たちを徹底的に弾圧する。すべては、地球百億の民のためにあえてデロイアの民を泣かせる覚悟を決めたドナンが、デロイア独立運動の「ガス抜き」のため、フォン・シュタインと共に仕組んだ狂言に過ぎなかった。

事件の真相をジャーナリストのディック・ラルターフから聞かされたクリンは苦悩するが、ひょんなことからデロイアの完全独立を求める指導者デビッド・サマリン博士と出会う。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:138 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef